表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

教えないよ


__4月__

僕はあなたに恋をした。もっと一緒にいたいと思った。

恋を知らなかった僕にとって、あなたは僕のすべてだった。

1年もこの学校にいたのに、なんで先輩に気づけなかったんだろう。



__5月__

一緒の委員会に入れた。部活は違ったのがとても残念だった。

けれど水曜日の放課後は、図書委員の名目で、一緒に図書室に居れた。

その時間が、とても楽しかった。



__6月__

梅雨の日。傘を忘れた先輩を、僕が家まで送って行った。

先輩の家は遠くはなかったけど、緊張のせいで、手汗がすごかった。

先輩が最後に笑って、バイバイと手を振った姿が忘れられない。



__7月__

定期テスト。先輩は僕に勉強を教えてくれた。

順位は、下から数えた方が早かった僕だけど、先輩はキッチリと教えてくれた。

おかげで、20位以内に入れた。報告した時、先輩も喜んでいた。



__8月__

先輩の友達に誘われて、先輩たちとプールへ行った。ナイス友人。

初めて見た先輩の私服姿は、可愛すぎて直視できなかった。

その帰り際、今度は二人で行く約束を取り付けた。



__9月__

体育祭の期間に入った。同じ委員会に入っていたので、準備の時も一緒に入れた。

心臓が、色んな意味で死にそうだった。この気持ち、同じだったらいいのに。



__10月__

プールの時の約束で、2人で遊園地へ行った。

久しぶりの遊園地ではしゃいでいる先輩は、すごく可愛かった。

先輩に可愛いですねと伝えると、顔を真っ赤にして怒っていた。



__11月__

先輩の誕生日を、みんなで過ごした。

僕はその時、ネックレスを渡した。みんなに冷やかされて、恥ずかしかった。

だけど先輩は、ありがとうと笑ってそれを付けてくれた。



__12月__

クリスマスは、先輩と過ごした。

先輩は、誕生日プレゼントに渡したネックレスをしてくれた。

この日、人生の運を使い果たしたと本気で思った。



__1月__

初詣にみんなで行った。

僕は、『先輩とずっと一緒に入れますように』と願った。

先輩は、なんて願ったのだろうか。



__2月__

バレンタインデーに、図書室でチョコを貰った。

誰もいなかったので、嬉しすぎて、その場で食べてしまった。

食べ終わって先輩を見ると、隣で寝ていた。そんな先輩に僕は、キスをしたんだ。

先輩の唇は、柔らかかった。これは、先輩には内緒。



__3月__

先輩の卒業式に、僕は告白をした。

だけど、声で言うのは恥ずかしいから、『好きです』の4文字を書いた手紙を渡した。

すると先輩は、嬉しそうにもらって、教室に戻って行った。

途中、少し先輩からのコタエが怖くなって、教室を覗くと、先輩が僕の手紙を、破いていた。

笑いながら、破っていた。周りには、先輩たちの友達もいた。その人達も、笑っていた。

僕は怖くて逃げ出した。








ねえ、先輩は覚えてるのかな?

僕と仲が良かったこと。僕に勉強を教えてくれたこと。僕からの手紙を、破いたこと。


僕の言葉、覚えてないよね?

だから先輩に会ったら、言いたいことがあるんだ。










先輩、僕はあなたが_______。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ