表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/59

ホワイトデーSS4

閲覧いただき、ありがとうございます。

ロッテと桜太のホワイトデーストーリーです。

バレンタインデーストーリーの続きです。

桜太視点です。

今日は彼女のリクエストで、ホテルのスイーツビュッフェに来ている。


大型ショッピングモールにあった、チェーンのスイーツバイキングには昔、愛と行ったことがあるが、ここは比じゃないくらい高級感あふれる場所だ。


正直、女性だらけのイベントで数少ない男性の一人で場違い感が尋常じゃない。


まあ、彼女が嬉しそうだから良いか。


席に着くと、ウェイターの女性がにこにこと俺達を見つめる。


疑問を抱いた俺に彼女はすかさず説明をする。


「この子、私の友達なの」


「はじめまして。いつもロッテがお世話になっております」


その女性がそう言うと、彼女は不満そうに抗議する。


お世話をしている自覚はあるが、俺は社交辞令として、いえ、と短く返した。


「ごゆっくりお楽しみください」


端的にこのビュッフェシステムを説明した女性はウェルカムドリンクのシャンパンを置き、席を離れた。


彼女と乾杯をして、シャンパンを飲む。

口当たりの軽い味わいが広がる。


ふと、彼女の笑い声が聞こえ、彼女の方を見ると、驚いたでしょ、と彼女は言った。


「私の自慢の桜太を友達に見せたくて」


得意げな表情で話す彼女に苦笑いする。


「なんだよ、それは…ほら、食べ物取りに行くぞ」


俺の言葉に彼女は間延びした声をあげ、後ろをついてきた。


流石は一流ホテルのビュッフェ。

デザートだけでなく、サンドイッチなど軽食も美味しそうだ。


目移りしている俺と違って、ロッテは二皿目に差し掛かっている。


あんなに食べれるのだろうか。


彼女は俺に気づいていない様でケーキに夢中だ。

ふと、先程の女性が彼女に話しかける。


「あの人がいつもロッテが話してる彼なのね。ロッテが言った通り、優しそうな男性ね」


どうやら、俺のことについて話しているらしい。


優しいか?俺。


「彼、素敵でしょう?自慢の彼氏なの」


そんな友人の言葉に彼女は茶目っ気たっぷりの笑顔で返した。

俺はとっさに飾られていたオブジェの陰に隠れた。


俺達はバレンタインのあの日から恋人になった。


とはいえ、俺は恥ずかしくて、特に恋人らしいことをあまりしてやれてない。


なのに、彼女が俺のことをそんな風に思っていてくれたとは。


嬉しさと恥ずかしさと少しの情けなさを感じた。


彼女が喜ぶことをしてあげたい。

彼女を幸せにしたい。


甘い香りが漂う中で、俺は密かに決意したのだった。


良ければ、評価、ブックマーク、コメント等よろしくお願いします。励みになります。

また、更新を再開する際は活動報告でアナウンスします。ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ