従業員Aの独り言
閲覧いただき、ありがとうございます。
番外編5の時期のお話です。
季々と雪之助の男性従業員のお話です。
短めのお話です。
最近、雪之助さんと従業員の一人の季々さんが結婚すると報告があった。
正直言って、驚きよりもやっとか、という気持ちの方が強かった。
季々さんも結構分かりやすかったが、それ以上に雪之助さんが分かりやすかった。
隠しているのかな、と疑うくらい、季々さんへの大好きオーラと嫉妬心が隠せていなかった。
例えば、雪之助さんが従業員として季々さんに指示をする時も、とても優しい表情をしていたり。
たまに、僕も指示されるが、雪之助さんの纏う色香にやられて、まともに指示を聞けないので、雪之助さんから直接指示されることは滅多にない。
あとは、雪之助さんは系列のホテルに手伝いに行くのだが、その度にお土産として、従業員に差し入れをしてくれることがある。そのお土産のチョイスは季々さんのドストライクの好みのものだ。
ちなみに、季々さんは変わり種が好きなので、僕としてはもう少し普通のものを差し入れてほしい。ドリアンチョコレートは、ほぼ季々さんが食べていた。
二人が喧嘩したところも見たことがある。
季々さんが泣き腫らした目で働いていて、雪之助さんはどうフォローしようかとオロオロしていたのを思い出す。
いつも仲良い二人が喧嘩するのは、珍しかったから、色んな人の噂話を耳にした。
ドラマみたいで、ドキドキしたなんて、口が裂けても言えず、僕はとりあえず心配そうに見つめておいた。
そういえば、季々さんと二人きりで話している時、雪之助さんから殺意のこもった視線を感じたこともある。
僕の同僚は、おっかないと言って、近づかないが、僕は遠慮なく近づく。
一応、二人の関係は隠しているみたいだし、態度を変えるのもどうかと思ったんだ。
決して、優しい雪之助さんの普段見せない怖い表情見たさではない。
まれに、怖いもの知らずの女性従業員達が季々さんに嫉妬して、虐めていることがあった。
しかし、それは数日も経たないうちに、無くなっていた。
顔を真っ青にする人もいたし、辞める人もいた。
印象的なのは、虐めた人よりも動揺していた季々さんの姿と黒いオーラを纏った雪之助さんだった。
何をしたんだろう、あの人。
そんなわけで、二人の関係はバレバレだった。
今更とも思うが、めでたいことだ。
とりあえず、直近の楽しみとしては、普段和装の雪之助さんのタキシード姿を見ることだ。
きっと、物語に出てくる王子様のように違いない。
そして、王子様はお姫様に釘付けなんだろうな。
想像するだけで、メルヘンな音楽が僕の脳内を駆け巡る。
あれ、でも王子様がお姫様を閉じ込める結末しか浮かばない、何故だろう。
何はともあれ、この二人は本当に面白い。
毎日、ライブ配信の恋愛バラエティ番組を見ている気分になる。
これからも僕は二人の分かりやすい関係を見守っていくのだろう。
さて、今度は何が起きるかな。
「背景は二人を影から見守りたい」でした。
第三者目線のお話を書いてみました。
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