表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/59

番外編4

閲覧いただき、ありがとうございます。

愛と海斗の番外編です。

海斗視点で、1話完結です。

来月、俺の恋人である、愛はマレーシアに留学することになった。

多宗教多文化を学びに行きたいということだ。


高校時代は、おっちょこちょいで甘えたがりな可愛い後輩だと思っていたが、いつのまにか立派に成長していた。

先輩としても、愛の成長は喜ばしかった。


今日は愛が行きたがっていた水族館に遊びに来ていた。


魚を見て、目を輝かせている愛はとても可愛らしかった。


俺は愛と付き合った時のことを振り返った。


まさか、自分が愛と付き合えることになるとは思わなかった。


俺は高校時代から愛を異性として意識していた。しかし、交流を深めれば深めるほど、愛を大切にしたい想いが一層強くなり、関係を壊したくない気持ちが高まった。


だから、俺はこの気持ちに蓋をして、先輩として可愛い妹のような存在として愛を扱っていた。


しかし、大学生になった愛は、一年見ないうちに大人びただけではなく、とても積極的になった。


最初は恋をしたい年頃なのだろう、と少し心配しながら見ていたが、次第に愛の想いに気づき、俺も閉じ込めていた想いを制御できなくなっていた。


今となっては、愛とこの関係になれて本当に良かったと思う。恋人として、愛を大切にしたい。


しかし、大切にしたいと思う一方で、自分の目の届く範囲に愛を置いておきたい、という独占欲が増していっていた。


今回の留学も俺は正直、憂鬱だった。

外国人に絡まれて、騙されるんじゃないか、とか事件に巻き込まれないか、俺ではない別の男を好きになるんじゃないか、など。

俺は気が気じゃなかった。


「海斗、どうしたの?」


俺が少しぼうっとしていたことに気がついた愛は可愛らしく首を傾げ、尋ねた。


付き合ってから俺たちは名前で呼び合うようにしていた。俺たちの関係性を周りに示すため、俺が提案したことだ。


俺は何でもない、と答えたが、愛は納得がいってないようだ。


「何でもないことないでしょう?最近ずっと上の空じゃない」


愛から留学のことを打ち明けられてから、俺は上の空になることが多かった。


好きな人の夢を応援したい気持ちと彼氏として彼女を独り占めしたい気持ちに挟まれ、ジレンマに苦しんでいた。


こんな子供っぽいところ、後輩であり、彼女である愛に見せるのは気が引けた。


愛は不安そうな顔をする。


「やっぱり、遠距離は嫌?」


留学前に彼女を不安にさせてどうする。

俺は慌てて否定する。


「そうじゃないんだ。ただ、少し不安なだけだ。お前がどんどん俺の手から離れていくんじゃないかって」


そう言うと愛は頬を膨らませる。


「なにそれ。距離は離れても、私の海斗への気持ちは変わらないよ。私がどれだけ海斗のこと好きかわかってない!」


ムキになる愛も可愛い。しかし、俺の不安は晴れなかった。愛は知らないだろう。俺が愛よりも独占欲が強くて、愛しているか。


俺の反応を見て、愛は俺の腕に絡めている腕の力をぎゅっと強くした。


「…私だって不安だよ。海斗、人気者だし、かっこいいし。離れている間に他の女の人に取られたらどうしようって」


そんなわけない、と否定しようとして気がついた。俺たちはお互い不安なんだ。


それでも愛は自分の夢のために留学を選択し、俺も彼女の夢を応援することに決めたのだ。


俺は笑って愛の頭を撫でた。

愛は少し擽ったそうに目を細めた。


「お前より良い女なんていないよ。俺にはお前が必要なんだよ。代わりはいない」


そう言うと愛は嬉しそうに微笑み返した。


不安になることだってある。

それでも、愛とならどんな試練でも乗り越えようと、この関係になった時に誓った。


絶対に俺が愛を幸せにするんだ。

改めて覚悟を決めた俺は彼女の額に優しくキスをしたのだった。


良ければ、評価、ブックマーク、コメント等よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ