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番外編2-2

閲覧いただき、ありがとうございます。

一部、過激な表現が含まれております。

ご注意ください。

目を覚ますと、時計は午前9時を指していた。


今日は、明日のデート服を考えたり、準備することを予定してた。

しかし、昨日の夜中に縁にコーディネートを考えてもらったおかげで一日予定がない。


縁は既に起きており、美味しそうな朝食を用意してくれていた。


スクランブルエッグにウィンナー、トーストにサラダとスープという最高の朝食を食べ終えた私はご機嫌だった。


午前10時を過ぎ、縁は大学があるということだったので、駅まで送ることになった。


「縁、昨日はありがとう。久々に会えて嬉しかったよ」


「俺も会えて嬉しかったよ。だけど、お前に一つだけ言っときたいことが…」


そう言って、縁は私の後ろを見て固まった。


「縁?どうした、の…」


疑問に思い、振り向くとそこには。

笑顔の雪之助がいた。


しかし、目の奥が笑ってない。

鈍感な私でも分かる。雪之助は相当怒ってる。彼の背後にドス暗いオーラが立ち込めている。


「おはよう、季々ちゃん。その方は?」


「えっと、高校時代の親友で…」


尋常じゃない汗をかきながら、縁は慌てて自己紹介をする。


「姉ヶ崎縁って言います」


「僕は冬木雪之助。この子と付き合ってるんだ」


付き合ってる、という言葉を強調するように言う。


縁は小さく存じ上げております、と呟いた。


「ふうん、知ってたんだ。季々ちゃん、昨日はありがとうございました、ってどういうことかな?」


縁と私は友達だ。

でも相手の立場になれば、恋人が異性の友達と二人きりでいたら、不快だろう。しかも泊まりなんて。

昨日の私は何でそのことに気がつかなかったんだろう。初めての彼氏とのバレンタインデーに浮かれすぎていたのだろうか。


どう説明しようかと考えあぐねていると、縁がフォローをしようとする。


「こいつは悪くないんです。俺が終電逃しちゃって、こいつの厚意に甘えちゃって」


「これは僕と彼女の問題だ。今から彼女とゆっくり話すから」


有無を言わさぬ雪之助に縁は何も言えず、表情をなくし、改札を後にした。

私は手を引かれて、彼と私の自宅に戻ることになった。


「それで、昨日から彼と何をしていたのかな」


雪之助にあげるチョコレート作りをしていました、なんて言えるような雰囲気じゃない。


私に言葉に詰まっていると、雪之助は悲しそうな表情をした。


「言えないようなこと、してたの?」


違う、と言おうとして、唇を塞がれた。

勢いよく、押し倒され、いつもより荒々しい口づけが私を襲う。


「君のこと信じていたいけど、浮気するような彼女にはきちんとお仕置きしなきゃね」


その表情は雪之助ルートのバットエンドの一つにあった、ヤンデレ化した雪之助そのものだった。


浮気。そう言われても仕方がない。

私は雪之助のことを好きなはずなのに、どうして軽率な行動を取ってしまったんだろう。


自分が情けなくて、涙が出そうになる。

私は気がつけば、雪之助に謝罪の言葉を何度も繰り返し告げていた。


「謝るようなことしたの?」


「ちが、います。私、雪之助さんを、傷つけ、たから」


嗚咽しながら言葉を紡ぐ。

こんなはずじゃなかったのに。


私に泣く資格なんてないのに、涙が止まらなかった。それでも私は涙ながらに雪之助に事情を説明した。


これでは、愛想を尽かされてもおかしくないな、と思いながら。


雪之助は溜息を吐き、私の頭を撫でた。


「季々ちゃん。僕は君が思うよりずっと、嫉妬深いし、執念深いよ」


そして、いつもより温度の低い手が私の顔に触れた。


「もし君が他の男のことが好きになったとしても、簡単には手放さないから」


そう言った雪之助の表情には、いつもの優しさは無く、獰猛な顔つきをしていた。


「だから覚悟してね?」


恋人が出来たら、異性との距離を改めなくてはいけないことを私はその日、実感した。


それから数時間後、雪之助は私が縁に教わって作ったチョコレートを眺めていた。


「あの男と作ったのが、気に食わないけれど、君が作ったのには変わりないからね」


そう言って、雪之助は何故か私にチョコレートを食べさせた。

そして、深い口づけをしてきた。私の口に含まれたチョコレートを味わうように。


「コーヒー味か。僕の好きな味だ」


そう言って、雪之助は自分の唇を舐めた。

いつもと違う雪之助の様子に色んな意味で心臓が持たない。

ふと、雪之助が部屋に掛かっている服を見た。


「この服の組み合わせ、見たことないね」


縁が組み合わせたからです、とは口が裂けても言えなかった。

しかし、私が押し黙ったのを見て、勘付いたのだろう。


「明日のデート、絶対にこの格好しないでね」


にっこりと笑う雪之助に私は何度も頷いた。


私の初めてのバレンタインデーはほろ苦い想い出になった。

そして、私は二度と軽はずみな行動を取らないこと、雪之助を怒らせないことを誓った。


良ければ、評価、ブックマーク、コメント等よろしくお願いします。

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