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愛の力は偉大だ。
一人の人間をここまで動かすのだから。
マンモス校のせいで、同じ学部に入ったにも関わらず、入学式では彼女に会うことは出来なかった。
しかし、この学部は交流をテーマにしている為か、一泊二日のオリエンテーションキャンプという絶好のチャンスが設けられていた。
さらに、私を狂喜乱舞させたのは二十グループもある中で、私と彼女が同じグループになれたこと。
これは、神様が私を彼女の方へ導いてるのだと興奮気味に思った。
チャンスをモノにせねば、と私はグループワーク時に一目散に彼女の隣の席に座った。
彼女は私に気づくと女神のような優しい微笑みを浮かべて、私に挨拶した。
「初めまして。私、花宮愛です。愛って呼んでください」
よろしくね、と彼女が私に向かって話しかけてくれている。それだけで失神しそうだったが、今後もお付き合いをしたいと願っているので、ぐっと堪え、平静を保った。
「初めまして。位方季々です。季々って呼んでください」
すると彼女は少し考えた後、上目遣いで私に尋ねた。
「じゃあ、きーちゃんって呼んでいい?」
少し控えめに、彼女は告げた。
なんて愛らしいのだろう。庇護欲を唆るうさぎのような彼女。
私は少し頬を赤らめて、大きく頷いた。
そして、花が咲いたような笑顔に私は心のシャッターを切った。
グループワーク時、彼女は一生懸命に発言をし、グループに貢献した。
私は元々聞き役に回ることが多かったので、彼女に賛同しながら、グループに参加しつつも終始彼女の一生懸命な姿を見ていた。
たまに鼻腔をくすぐる彼女の花の香りが酩酊感を味わせた。
彼女との最初の出会いは胸がときめき、その場にいるのだけでも精一杯だった。
グループワークが終わり、夕食前に彼女は私に連絡先を交換しようと言ってきてくれた。
なんと魅力的な誘い。私は勿論YESと言い、連絡先を交換した。
しかも幸福はそれだけでは終わらず、なんと近々ご飯に行く約束まで取り付けることが出来たのだ。
幸せすぎて昇天しそうだ。もしかして、私は明日死ぬのだろうか?
そう思いながらも、彼女との出会い記念日は幕を閉じた。
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