まっしろな微笑み
瞳にはうつらない嘘が、
心の奥深くに秘められているのです。
嘘はうつらうつらと形をゆらし、
ちいさな真実の泉に堕ちてしまいそうと怯えています。
おどろいて逃げゆく夏が振り返ると、
ただただ明るい未来と希望をもった秋が、
恋を忘れず人差し指を立てているようです。
し〜、って。
夕闇色に染まる街に、
カァカァカラスの歌に、
やわらかく微笑む小雨に、
新たな恋も、踊りだすのです。
夢かうつつの境を揺らしつつ
人も鬼もあまねくひとしなみの静かな夜に、
夢かうつつの頰を濡らしつつ
輝くまっしろな微笑みをみたいと願うのです。
あなた、の。