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プロローグ 『不思議の日』



「ん……おなかすいた」


「は?」


 現れた少女は、眠たげに目をこすりながら、俺の緊張を破るかのように小さな声でつぶやいた。


 春色の髪に、夏の強い日差しを吸収してできたような真っ赤なほお。そして希望に満ちた青の瞳からは、夜空に浮かぶ秋の大四辺形を連想させる。着ているキャミソールやスカートは、真冬にこんこんと降りしきる雪の色と言ったところか。


「まさに四季……いや、自然の子だな」


 俺がそうつぶやいた時、


「怜くーん!」


 階下からのおばあちゃんの叫び声で、ふっと現実に戻された。


「はーい」


 一瞬、おやつかな? と思案を巡らせつつ、下に降りようとした。だが先ほどの少女のことを思い出し、すぐ部屋に戻ってドアを閉めた。もちろん鍵もかけましたとさ。

 マズイ。これは、ひじょおおおおおにマズイ。

 この初対面の少女がどこから出てきたのかは知らないが、もし今の光景を心配性のおばあちゃんに見られでもしたら……


「もしもし警察ですか!? たったいま孫が小さな女の子を誘拐して閉じ込めているところを発見してしまったのですがぁあぁあ!」


 ぎゃああああああああああ!!

 いや、さすがにそれはないとしてもだ。とにかく色々と事情を聞かれるのは間違いないだろう。

 そもそも、俺はこの少女と一度たりとも顔を合わせたことがない。

 なんでこの子はこんなところにいるんだっけ?

 その疑問を抱えて1秒も経たない内に、俺は先ほどの不可思議な現象を思い出した。


 ……そうだ。確か俺は、カバンの中に入っていた誰のとも知れぬ本を開こうとして、そしたら急に本が光り始めて……


 現在、目の前の机にある赤い本は至って普通な無機物として存在している。

 だが俺は忘れなかった。本から放つ、あのまばゆい光の嵐を。

 そして……

 その中から、小さな女の子のシルエットが飛び出してきたことも、忘れるわけがない。




 望月(もちづき) 怜斗(れいと)の不思議な物語は、1人の少女との出会いによって幕が上がった。





はじめまして、不知火アカメです。

まずは、ぼくの拙い小説を閲覧してくださり、本当にありがとうございます。

まだまだ小説家としては素人ですが、みなさんが面白いと思えるようなお話が作れるよう、がんばっていきたいと思います。

これからも、望月くんと謎の幼女ちゃんコンビでやっていこうと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いいたします。

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