穂積くんの過去
急いで教室に戻ったあむはチームの元に駆け寄る。
するとチーム内で何か話をしていた。
「あ、あむちゃんおかえりー」
「お、柚木!」
声をかけたのは紫城と南だ。
「ただいま。何話してたの?」
「穂積くんのことを話してたの」
この声は大高だ。
「穂積くん、あれから戻って…」
「来てないよ」
「来てねーな」
紫城と南が同時に話す。
それから神楽が話し始めた。
「穂積がキレる理由はまぁ、理解はできる。穂積にとって氷晶族は親の仇だしな」
「親の仇?」
「穂積の両親、氷晶族に殺されたんだよ。13年前に」
「え!?」
神楽以外のメンバーが驚く。
「ちょっ声でかい!」
「おい神楽、詳しく教えろ!」
南が神楽に顔を近づけて聞く。
「いいけど…顔近いな」
「あっわりぃわりぃ」
「13年前、穂積の両親はあの事件に関わってたんだ」
「ねぇ、13年前の事件って何?」
「柚木知らねーの?」
南が突っ込む。
「うん」
「レッドクイーンが現れた事件だよ」
あむの隣にいた大高が答えた。
「レッド…クイーン?」
「レッドクイーンを知らないの!?」
あむ以外のメンバーが驚く。
「レッドクイーンは…俺たちの敵だよ」
「敵?」
「レッドクイーンが現れなければ俺たちはこっちの世界でひっそり生きることはなかったんだ」
「そうなんだ…」
「はい、他人事ー。1点減点ー」
「えっ」
あむがジタバタしていると神楽が手を叩き自分に注目させた。
「話が脱線してる。南、ちょっと黙ってろ。えっと、あの事件で穂積の両親はレッドクイーンが操っていた氷晶族によって殺されたんだ…6歳の男の子を守ろうとして」
「操られてたって…」
「穂積はちゃんと分かってるさ、憎むべき相手は違うことくらい。でもレッドクイーンはあの事件以来姿を現してないんだ。だから穂積の怒りや憎しみは氷晶族に向くんだろうな…」
「俺、あの事件は知ってたけど穂積の両親のことは知らなかった」
南がそう呟くと教室のドアを開く音が室内に響く。
「はーいみんな席についてくださーい」
入って来たのは担任ではなく、氷晶族の氷河だった。




