目覚め
「…んー…。蓮…?ここどこ?」
「保健室。戦闘訓練中に倒れたんだ」
「あぁ…。でもなんで蓮が知ってるの?」
「新海が教えてくれた」
「新海くんのこと、蓮知ってたっけ?」
「クラスまで来てくれたんだよ。ていうか、体調は大丈夫なの?」
「あ、うん。大丈夫。なんで倒れたんだろう…」
「覚えてないの?」
「うん、全く。あ!今何時?」
「え、あー11時27分。3限始まってる」
「行かなきゃ!蓮も!」
あむは飛び上がり蓮を連れ保健室を勢いよく出て行く。
「あむ!あんまり急ぐな!」
「急がなきゃ!蓮も授業サボることになっちゃう!」
廊下を猛スピードで走るあむの手を蓮が途中から引き第3ホールへと向かった。
「到着。んじゃ俺は教室に戻るけど…あんまり無理するなよ?」
そう言って蓮はあむの頭を撫でるとその場を走り去った。
第3ホールに入ると戦闘訓練が再び始まっていた。
「お、柚木!大丈夫か?」
あむに近づいて来たのは担任の小野寺だ。
「もう大丈夫です。3限も戦闘訓練なんですね」
「あー、まぁそう見えるよな。柚木ちょっとこっちに来てくれ」
小野寺はあむをホールの端に誘導するとそこには氷晶族の男が立っていた。
あむはその男を目にして立ち止まる。
「あー…うん、やっぱりそうなるよな…。うん、今はやめておくか」
(こりゃトラウマ決定だな…)
小野寺は立ち尽くすあむにそう呟くと方向を変えて女性がいる方へと向かった。
「如月!」
「どうしました?小野寺先生」
「柚木のこと頼めるか?」
「えぇ。大丈夫ですよ」
「そんじゃ頼む。柚木、今生徒達がしてるのは2限とは少し違った戦闘訓練なんだ。まぁ、詳しくは如月が今から教えてくれるから」
「柚木 あむさんですよね?私は氷晶族の如月 ゆずゆと言います。ここからは私がお伝えしますね。3限目では先程の戦闘訓練と似たスタイルで、今度は個人の能力の欠点について追求する時間なんです」
「欠点…」
「はい、そうです」
「そんじゃ、如月ー柚木をよろしくなー」
小野寺はあむを如月に託しホールの中心部へと向かって行った。
「柚木さんの欠点は、判断力と想像力。そして能力に対する体力の低さです。先ずはそうですね~体力をつけるために能力を使いながらの走り込みをしましょうか!」
ニッコリ笑顔で言う如月にあむはゾッとしていた。
(この人…怖い人だ…)
「さぁ!器具を装着しましょう!」




