装備と器具
2限目が始まる少し前に第3ホールへと向かったDチームの生徒達。
ホールで待っていたのは見知らぬ人が2名。
1人は見るからに子供の男の子であり、もう1人は大人っぽい。
「やぁ!Dチームのみんな!僕、待ちくたびれちゃったよ!」
「お前が早く来すぎたんだろうが…」
どうやら生徒を待っていたようだ。
「うんうん。ふむふむ。ほうほう!さあ!はじめよう!」
男の子がそう言った瞬間、勢いよく蹴り飛ばされた。
「何が"はじめよう!"だ?まずは説明だろ?お前、いい加減にしろよ?」
声低く、冷血溢れるその大人の醸し出す空気に生徒は怯える。
「そこまでにしとけ、レヴィ。生徒が怯えてるから」
生徒の後ろから担任の小野寺が現れた。
「ほらギル」
小野寺が吹き飛ばされた男の子の方に向かい声をかけると、その男の子が走って戻ってきた。
「えーっと、僕ギル・ロワイヤル。あっちの大きい人はレヴィ・ロワイヤル。僕達は君達の装備や器具を作る職人だよ!君達が思い描く装備や器具について教えてくれるかな?」
ニッコリと無邪気に笑う彼の額からは血が流れ、その姿を見て生徒達は更に怯えるのだった。
生徒ひとりひとりから聞きはじめて…数分後。
「みんなの思い描くスタイルはわかったよ!じゃあ僕達はこれで…」
再びレヴィに蹴り飛ばされる。
「これで?違うだろ?」
「わ…わかったわかった。えっと、これから僕達作り始めて明日みんなに届けに行くね!」
そうギルが言うとレヴィと第3ホールから出て行った。
2人の姿が見えなくなると生徒皆ホッとした。
「さて、装備や器具については済んだからこれからはじめての戦闘訓練をはじめようか」
小野寺の言葉に生徒のほとんどがテンションを上げる。
だがあむだけはパニックを起こしていた。
(戦闘…訓練…?)