愛され爺、軽やかに笑う。
「ナギ、久しぶりだねぇ。」
ナギが転移した先には、白髪に褐色の肌に赤い目をした眼鏡の老人が立っていた。
肌は白くないが彼もまたアルビノである。
穏やかで、暖かな日だまりのような雰囲気を持つ老紳士。
『大神官長様!!!!!!』
黒ずくめ達は、一斉に頭をたれた。
「ははは、そんなにかしこまらなくてもいいよ。
それに、元だしねぇ。今じゃ只の老いぼれだよ。」
「そんなっ!貴方様は神に愛されし方!そこにおられるだけで我々を照らしてくださいます!」
真っ赤になりながら隊長らしきマッチョがいいつのる。
ナギにはもはや見慣れた光景である。
そう、
元はつくが老紳士こと大神官長リヴァイは夜と闇の神に愛されし人だ。
見習いから神官に成るためには現身の儀式というものをする必要がある。彼はそこで歴代最年少でかつ初めて神の姿を出現させた奇跡の人であった。
普通なら神の愛した花や花びらなどが舞い落ちて終わったりする。
リヴァイは傲る事なく平和と融和を信条に、人を繋ぎ、仲を取り持ち…と、善良で偉大な人物だった。
そうして大変な人たらしかつBL的イケメンホイホイな人でもあった。
今なお彼に愛ゆえ固執する者は多い。
「あいかわらずですわね。」
困ったようにナギは笑った。
懐かしいけども、なんとも言えない気持ち。
リヴァイは捨てられたナギを拾ってくれた恩人であり、育ての親でもある。
(こんなに美味しい条件なのに、ちっともトキメキが出ない。)
微妙なところで切りました、続きます。