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お約束だね!

「おかわりはこの中にあるから後は自分でついでね。

私、シャワー浴びてくるよ。」



「そうした方がいいな。

かなり酒臭いぞ、アーリヤ。」



まじかー自分ではわからないわーとぼやきながらアーリヤはシャワー室に向かった。

レイリー達が拠点としているこの宿は元々、寂れた宿であったがご飯と珈琲の美味しさに惚れ、宿の外観や内装や設備を善くする手助けを条件に最上階の部屋三部屋ぶち抜き&改造をし住んでいるのだ。

一部屋を三等分にして個人の寝室を、もう一部屋を浴室・シャワー室・トイレ・洗濯室に、最後一部屋を簡易キッチンと共同のリビングにしている。

基本的に宿の食事を利用するが、宿が閑散期で休みの事もあるので自炊生活も出来るようになっていたりするのだ。


生活環境向上のため、レイリー指揮の元、内装や設備が充実するようアーリヤもナギも働いた。

外装をあまり善くすると客が増えすぎ回せなくなったり他店に睨まれたりするからヤダナーという経営者としてどうなの的な主張をオーナーがしたので、一見ボロ宿だが一度訪れればリピーターになること間違いなしの宿となっている。


水回りの環境整備をレイリーが力をこめてやったので、水回り環境は王宮すらも軽くしのぐ程だ。

それが原因で、王に仕えよ的な勅命が出たりしたのは想定外だがレイリー的には快適な生活になったので気にしていない。


いや、ちょっとは気にしろよ。


技術独占する気はないが、アイテム屋の主人のネイバンに才能の無駄遣い甚だしい!と言われる程の力量を持つ為、レイリーが編み出した術を再現できる者はそう多くない。

居ても宮廷魔術師筆頭とか長とか、魔道研究塔の天才(へんじん)達とかだろうか。


それぞれの職務や研究に大忙しなモノ達がそうそう王族が快適な生活送りたいから力を使えと言われて頷く訳がない。

レイリーが作成した魔術論(テキスト)通りに魔術を使えば最低でも半月は魔力が回復しない。

研究塔の住人ならいざ知らず、国防も担う宮廷魔術師にそんな事をしろとは言えないのである。

万が一命令を出したとしたら、とんでもない愚王だ。



『レイリー、ちょっと話がある。』



唐突に男の声が響いた。



「レイちゃん、石鹸きれてる!

どこだっけ?」



と、同時にドロワーズ一丁で、前はフェイスタオルで隠したアーリヤがリビングに入ってくる。



『ブオッ!!!!!!?

なっ、うえっ、わ』



ドンガラガッシャーン、とくぐもった音が響く。

そうしてレイリーの側に出現していた立体映像(ホログラム)は消え去った。



「アーリヤ、よくやった。」


「えっ、何が?今のって…」


「覗き魔、ドロワーズ卿と今度からからかってやろう。

けどなぁアーリヤ、ここはひとつ転んでポロリあたりしてくれれば、断罪できたのに。

お約束にあと一味足りないぞ。」


「いいから、石鹸下さい。」



悪巧みを始めたレイリーは見とれるほど生き生き美しかった。

しかしながらアーリヤは長い付き合いで録でもない事にしかならないと分かっており、自分の要求を通すのだった。

謎の男「なっ、ハレンチなっ!」


謎の関西弁「それはアンタやで。

ノックちゅーか、断りをいれてから映像繋げいと言っとるやろ。」


謎の男「おっ、お前があんなこと報告するから!!!」


謎の関西「人のせいか~、はー、ないわぁ、最低やな。

ちびの半裸ちゃっかり見たやん。

その上どきどきしすぎて転けるとかなんなん。

ロリコンですか~ぁ?ドロワーズフェチですかぁ~?」


軽蔑の眼差しを受け、謎の男は項垂れた。

そして顔を上げると言った。



謎の男「いや、タオルで隠れてたが平面ではなかったぞ!

だからロリコンではない!」



数秒後関西弁に見事なドロップキックを顔面にきめられ、謎の男は倒れたのだった。






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