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降臨!(笑)

突如として現れた美男美女の二人は現場の人間の度肝を抜いた。

黙っていれば神々しい二人である。



「守りの盾となれ。我らを包みて。」



ナギが両手を広げて朗々と唱えると、辺りはキラキラと輝いた。

とりあえず簡易であるが結界をはったのだった。



「結界の修復…と聞いてましたが、これは再構築し直しですわ。

責任者の方はどなたですの?

原因と事情をお話しください。」



ベースキャンプを襲撃され地獄絵図展開されていたがナギの登場で奇跡的に死者は出ずにすんだのだった。














怪我人の呻き声をBGMに話を聞き終えたナギはため息をついた。

状況は極めて悪い。責任者は出てこなかった。

うちが、いやうちが!と仕切りたがり合戦となり混迷を極めた。そちらの仕切りはアイオーンにぶん投げ、ナギは物凄く渋々雇われた冒険者達に話を聞くことにしたのだった。

実力者達はマッチョがほとんどであった。



「魔国の小隊が派遣されていたときは上手く回ってたんだ。

隊長が女だけあって細かいところまで気を配ってくれて、他の国との折衝もしてくれてた。

だが魔道研究塔(がくえん)のやつが大規模な術を魔国のやつらを巻き込んで放ってな…

魔国の小隊は撤退するし、術が変に作用してドラゴンモドキが更に凶暴化するわ徒党を組んで襲ってくるわで地獄絵図だ。

今回の襲撃でうちの治療師(ヒーラー)がやられて治療もできん。」



とりまとめ役の男が頭を抱えている。

マッチョ嫌いなナギでも知るくらいには有名な冒険者が頭を抱える現場。恐ろしすぎる。




「魔国は強いからさー抑止力だったんだろうよ。国家間のな。」


「下らないことする前に目の前の問題を片付けようとは思わないんですわね。」


「その辺は国と根なし草の俺たちとは違うんだろうよ。

黒薔薇のナギさん。」



レイリー、ナギ、アーリヤの三人パーティーは時々『黒薔薇』と呼ばれる事があった。

ナギとレイリーが美人であること、そして刺というか毒というかえげつなさががひどいとの事で薔薇ではなく黒薔薇…らしい。

毒黒薔薇と呼ばれることもある。



「以前依頼をご一緒したことがありましたわね、そういえば。

言われる前に言いますが私、治療魔法は使えませんの。

それ以外の結界や浄化などが専門です。」


「はーやっぱりなぁ。アーリヤちゃん今日は居ないのか?」



個別に依頼を受けるのは大抵レイリー。まれにナギ。

神殿以外の依頼ならば基本的にアーリヤがついてきてクッション材になってくれる。



「神殿の依頼でしたので、私一人です。

というか現場に来るなんて聞いてませんでした。」



情報整理もなされないまま現場にたたき込まれた。

しかもアイオーンと一緒にである。やはり養父は優しいだけの人ではなかった。

これを期に打ち解けるなり、思いの丈をぶちまける機会を創れと言うことだろう。



ナギの気持ち的には余計な御世話でしかない。

勘弁してほしい。






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