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語り合おう、友よ!(ただし一方的)

「あ、他にもお客さんいたんだ!

こんばんはー!俺役者のロナウドだよ!

わっ、アルビノのお嬢さん美人っ!

わっ、こっちは普通顔!

あははは!!!!!」



穏やかに飲み食いしていたアーリヤとナギの元に、華奢で中性的な美男子が寄ってくる。

朗らかに笑う顔は爽やかだが言っていることは酷い。

ジョッキー両手に持ち足取りはふらついている。

酔っぱらいである。

酒場に行くことの多いアーリヤはさして気にもとめないが、ナギは慣れないこともあり、硬直している。



「…」


「お前はっ!

失礼にもほどがある!」



ガンっと音がして自称ロナウドが踞った。

しかしジョッキは放さない。酒もこぼさない。実にアッパレである。

ロナウドの後に立つのは、マッチョの長身の男だった。

浅黒い肌に金の瞳と髪、つり目気味のワイルドな美形だった。



「酔っぱらいの言うことですから、大丈夫。

よくわかってます。私、普通顔ですから。事実ですから。

なんてったってナギちゃん超美人ですから!

見つめられろと私でも時々ドキドキしますから!

ナギちゃん超美人で私うれしいよ~」



ニコニコしながらアーリヤは言った。

ちょっと酒で頬を染めて、朗らかに笑うアーリヤは愛玩動物的に可愛らしかった。

ナギは高速でその頭を撫でた。

きゅんとした。

よーしよーし!と動物をなで回す手つきでナギはアーリヤの頭を撫でる。

ナギもそこそこに酔っているようだ。



「あ、そ、そうか。

その、水をさして悪かったな。」



「その手のからかいとかは慣れてますから気にしないでくださいね。

あ、ナギちゃんこの前ゴリマッチョに追いかけられて男性が苦手気味なのであまり近づかないであげてください。」



グシャグシャの髪の毛でアーリヤが言うとマッチョは自称ロナウドの首根っこを掴み、頭を下げ席に戻っていく。

ふとナギを見ればうつむいている。



「…」


「ナギちゃん?大丈夫?」



酔っぱらいに絡まれなれないナギにとっては相手が観賞用に好みの美少年でも怖かったのかもしれない。



「もう帰る?」



「嫉妬イベントですわっ!!」



ガシツイッと身を乗り出してアーリヤの肩を掴んだナギが言った。

その目はちょっと血走っている。

そうして怒濤のごとき勢いで二人の物語(※妄想によるもの)を語りだすナギ。

もうやめられないとまらない。



こうして長い夜はふけていった。







ナギ「…といういきさつがあったはずですわ、多分!」


アーリヤ「うんうん」


ナギ「きっと今夜は…きゃっ、それ以上は神が許しませんわ。私からはとても…!!」


アーリヤ「うんうん」


?「じゃあ続きは私が語っていいかなぁ!」


アーリヤ「うんうん」


ナギ「貴女は…?」


?「通りすがりの貴腐人よ。貴女の話…素晴らしいわ!

ぜひ書に残して広めるべきよ!」


アーリヤ「うんうん」


ナギ「そんな、私ごときが…」


貴腐人「いいえ、貴女の発想力、設定力、観察力には脱帽よ。私に書き起こさせてくれないかしら?

素晴らしいもは広めたいの。もちろんお礼に貴女の好みの書物を贈るわ。」


アーリヤ「うんうん」


ナギ「書物を?!

…魅力的ではありますが…そうですわ、貴女の語る力を見せてください。

それによって決めますわ。」


アーリヤ「うんうん」


貴腐人「ふっ、そうね実力の分からぬ相手と組むわけにはいかないものね。

じゃあ、聞いてちょうだい…私の思う彼らの話を…!!!」


ナギ「受けてたつわ!」


アーリヤ「うんうん…ふぁー…あれ、ナギちゃんの隣の人どなたかなぁ?

まぁ、いっか。ちょっとトイレ行ってくるねー」


てってってってっ






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