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ふりむけばヤツが居る。

魔王は固まっていた。

目が笑ってない側近がひたすら恐ろしかった。実力的には魔王が断然上だが、仕事処理能力的にはセイランが上なのである。

万が一にも彼にへそを曲げられれば滞った仕事が更に遅れる事間違いない。

そうなった結果、周りから責め立てられるのは必ず魔王なのだ。



セイランは松葉色の髪をオールバックにした青と黄色のオッドアイにレイリーより頭ひとつ分高い身長をした普通よりちょっと整った顔の男。

髪型や髪・目色を変えると驚くほど周囲に埋没する所謂モブ的なイケメンである。

超美形の魔王と並ぶと顔面偏差値がすごい。



「久しぶりだな、セイラン。

聞かなくても元気そうだな、うん。」


「直接顔会わすんは久しぶりやなぁ。

定期報告でならちょくちょく顔見てるんやけどなぁ~」



そうして、何故か関西弁だった。

本人いわく留学先でうつったそうである。ちなみに関西弁とは、聖女セツコより前の時代に呼ばれた勇者によってもたらされた言語で今ではすっかり根付いているそうな。

うつった、とは言っているがセイランは普通に話すこともできる。なのであえて使っているのだろうとレイリーは思っている。



「なぁ、魔王。

これでも俺も忙しいねん。トップしか決められれへんことあるやろ?

それがむっちゃたまっとるんよ。そうして今しがた駆除の手伝いしているうちのもんが魔道研究塔(がくえん)の誤射に巻き込まれたみたいやねん。

緊急事態やで。」



『はあっ!!!???!』



「研究塔のやつら、なんで自分達が~とぶうぶう文句言っておったみたいでな。

確かになぁ、森の生態を守りながらチマチマ退治するのは大変やで?けどなぁ、元々魔道研究塔の責任やん。

生態異常が確認されている以上大規模な術使こうたりすればどないな影響が出るか分からんから使うな、が鉄則。

しかも国境が隣接している所や。万が一、森が吹き飛べば泥沼な領土争い発生…になるかもしれへん。

んで、馬鹿に協力するいわれもない、謝罪も無いから戻ってきたーって派遣隊が戻ってきた所や。」



「馬鹿なのか!ここの連中揃いも揃って馬鹿なのか!

なんなの、天才だけど人としてダメなやつらじゃん!」



「魔王、卒業生の私が言うのもなんだがそういうのけっこう多いぞ?ここの奴ら。」



問題が深刻化しすぎて帰れる気がしなくなってきたレイリーであった。







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