お前もこっち側だからな?
「ちび子いるか!」
魔王とレイリーが話を再開しようとしたその時、バアァァァン!と学長室のドアが開き白衣の男がやって来る。
「ちび子いるだろ?!
おーい!!!」
ズカズカとやって壺やティーカップ、テーブルの下を探し回る。
一通り探し、ようやく白衣はレイリーにむきあった。
「おい、ちび子は?」
「まず挨拶をしろよ。」
レイリーは躊躇わず腹パンを喰らわせた。
男はうごぐえぇぇ!と呻いて踞る。
レイリーはバスターソードを操る魔術師だ。
荷物は極限まで軽くして持ちたい派であるが、武器や書物や大事な金に関してはちゃんと重さを感じたい派なわがままちゃんであった。
それ故、彼女はなかなかの筋力を持っている。
腹はうっすらシックスパックだし、力こぶもできちゃうのだ。
そんな隠れ細マッチョなレイリーにイラつき気味に殴られればどうなるか…
「がっ…くっ…ぐはっ…相変わらず血も涙も礼儀もない女だなっ…」
大の男が半べそでうまく喋ることもままならない位のダメージは与えられるのだった。
「ははっ!
まぁな、血も涙もない冷血と言われるのは確かだ。
だがしかし!礼儀は心得ている。間違いなく。」
「おいおいレイリー、レイリーさんや、おい。
胸に手を当ててよおぉぉく考えてごらん?」
ドゴン!! ぐぎゃぺっ!!
不吉な音と、聞くに耐えない呻き声が響く。
呻き、地に伏すしかできない男二人に一別を送った後、レイリーは目を閉じ、己の胸に手を当てた。
心を落ち着けるとレイリーは訂正した。
「確かにそうだな。
私はおごりすぎていたようだった…
貴様らよりははるかに礼儀はある。に訂正だ。」
短いですがいったん切ります。