お巡りさん、変態はこいつです。
魔道研究塔の学長室にてレイリーは一人の男と対峙していた。
彼の者の名はー……
「それで?
ドロワーズ変態卿は何しに来たの?
なに?
アーリヤのドロワーズ姿みたいの?
多分社会的地位投げ捨てて土下座して頼み込めば見せるだけならしてくれるんじゃないか?」
「本気で勘弁してくれ!
俺は婚約者一筋だっつーの!!!!!!」
綺羅きらしいほどの黒一色の美形の男は叫んだ。
艶めいた腰まである漆黒の黒髪にダークブルーの瞳、首から手の甲、爪先までを黒の服で統一した服で覆った男の耳は尖り気味。
彼は魔力量と寿命が人間の倍以上を誇る魔族…
魔人の王。
すなわち、魔王であった。
「冗談はさておき。」
「レイリーさんや、とてもじゃないが冗談言う目じゃなかったよ?
蔑みきった目で見ていたよ?
オジサン泣いちゃうよ?」
「貴様の婚約者はもうすぐ15歳。
まだ14歳。いたいけな同郷者をたぶらかしたことにはかわりないから蔑みは必須だ。」
ちなみに魔王、レイリーの倍以上は軽く生きてる。
ちなみにだいたいの国の成人は16歳位。
ロリコンと後ろ指や背中を刺されても文句は言えない。
なんてったって魔王の外見年齢は20代半ば。
年齢よりやや幼い婚約者と並べば犯罪臭しかしない。
つまりはいかがわしいのである。
「私も花も恥じらう思春期な乙女だからな。
立派な為政者であるとはいえ、貴様のような変態を見るとついつい軽蔑してしまう年頃だ。
許せ。」
「なぜだろう、アーリヤと同い年というか生まれ月で見ると遅いのに乙女と程遠く感じてしまうんだが。
レイリー、お前年偽ってないか?」
「ぴっちぴち、だろう。」
ドヤァ、とした顔でレイリーが言う。
ぴっちぴちの定義ってなんだって?とレイリーの死んだ魚のような目を見て遠い目になる魔王であった。
アーリヤ「そーいえば魔王様悪役のこと多いですよね。なんでだろう?
今じゃわざわざ魔族の国に行きたがる人いるくらいなのに。」
ネイバン「あー、昔は未知の大陸や未知の種族は邪悪で滅するものっていう風潮があってなぁ。
まぁ侵略の正当化だな。
今代の魔王は穏健派中の穏健派でしばらくぶりに人族から嫁をもらうって新聞になってたなぁ。」
アーリヤ「時々、魔王様にオレハユウシャダーって襲いに行く人いるのはそのせいなんだねぇ。」
ネイバン「なんでそんなこと知ってるんだ?」
アーリヤ「魔王様の婚約者って同郷者の子なの。」
ネイバン「マジか!!
アーリヤと同郷ってことはレイリーと同郷…………
……………………あー、なんか納得だわぁな。」