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ぼっちって怖いね。

アーリヤはちょっと落ち込んでいた。


ナギは昨日の昼に、レイリーは今日の昼前にそれぞれ召集されてしまった。

現在、ホームでひとりぼっち。


ナギは毎回、レイリーはたまに同行するか聞いてくれる。



ナギに付いていくと高確率で養父のリヴァイに会ってお菓子をご馳走してくれるのだが、

側仕えやナギの兄弟子達に射殺さんばかりに睨まれるし、ならば迷惑かけないようにと席を外せばどこに行く危ないと文句をひたすら言われ続けるし、外に出ようとすれば一人で出歩くなと誰かしらが付いてくる。

ならばと部屋にこもれば、何をしているとズカズカ入ってくる人もおり、気が休まらないのであった。

それ故、暫くは行きたくない。



レイリーに付いていくと、高確率で天才(へんたい)研究者に捕まり、実験ショー鑑賞を強制されたりする。

失敗すると大惨事になることもざらなので、正直近付きたくない。

それに以前、出されたクッキーで幼児化するという飯テロに合って以来うかつに食事もできない。



そんなわけで、アーリヤは残留を選んだのだった。

ここ何年か、一人で留守番など無かった。

片方が居なくても、もう片方が居てくれる。

ナギと出会った学校は寄宿舎だったし、一度就職した所は寮完備だった。そこが閉鎖となってしまってからは三人でパーティーを組んであちこちを旅した。

ホームを構えてからは、誰かが側に居てくれる環境だった。


ひとりぼっちは寂しい。


一人になると怖い夢を見る。

変えることの出来ない、過去の、夢。



「おいで、ホクト。」



アーリヤの足元に幾つもの魔方陣が展開される。



ポフンッ!とマジカルな効果音と共に、赤茶の毛をした巻き尻尾の子犬が現れた。



「キャウンッ!」


「二人が戻るまでは一緒に過ごそうね。」



小さなホクトは居るだけで心が暖まる。

それに、とても強いので心強い。



「二人が疲れて帰ってきたとき元気じゃないとね!

よしっ、買い物行こう!ホクトの分のご飯の材料も買わないとね!」


「キャンキャン!」



暗い気持ちは押し退けて、蓋をして、アーリヤは笑うとホクトを抱き上げた。



「いってきます!」



誰も居ない部屋に大きな声で言った後、アーリヤは街へとくりだすのだった。









ホクトは柴犬の子犬がイメージです。



次回更新は少し間が開きます。

11月12日となります。






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