第6章
ボスはゆっくりと立ち上がって一つの鍵を出してきた。
「今日からお前の家だ」
その鍵を俺にくれた。
「今日からココがお前の家だ。まぁ受け取れ」
「あ、ありがとうございます・・・」
「その代わりといっちゃぁなんだが、お前には仕事をしてもらう」
「仕事・・・?」
「まぁ、生活費を稼ぐんだな。仕事は何でもいい。家賃は俺に払ってもらう。家賃は2万円だ」
「・・・はぁ・・・」
急な展開に俺はただ唖然とするばかりだった。
「それともう一つ。週に一回は家に帰ること」
「どうしてですか?!俺はあの家に捨てられたんですよ!?今更かえれません」
「この2つが呑めないようだったら他へ行ってくれ」
ボスはこれが当たり前のように言い放った。
まるで俺がここでしか生きていけないのを知ってるかのように・・・。
俺は考えた。
ココで生きていくか。
家に帰るか。
どちらにしろ親からまだ当分は離れられないことは確かだ。
でも俺はちょっとでも早く家にいたくない。
「・・・分かりました。週に1回は家に帰ります」
「そうか。よく決心したな」
ボスは遠い目でそう言った――――――――――。
新しい家に案内してもらってまず、一息ついた。
まさかこんな事になるなんて昔では考えられなかった。
まさか親元を離れるなんて
不思議と後悔は無かった。
むしろ清々しい気分だった。
「よう!お前の家ココか?」
インターホンを鳴らさずに入ってきたのはもちろん弘樹だ。
「あぁ」
「お隣さんだな☆よろしく!」
弘樹は憎めない笑顔でそういった。
「よろしく。
お前にさぁ、聞きたいことがあるんだけど・・・」
あと一話で過去話が終わる(予定)です。
もう少しお付き合いください><