プロローグ
「ごめん、やっぱり友達に戻ろう…」
「は?いきなり何の冗談だよw」
彼女からの急な告白の電話に俺は、スマホを落としそうになった…
「おい、バカな事いうなよ!オレらまだ付き合ってまだ全然たってないだろ?」
「ごめん、やっぱり高校の頃あなたからされたことが、まだ頭から離れなくて…あなたを完全に好きになれない…だから、このままずっと…付き合う事は出来ない…」
と言うと彼女はプツンと電話を切ってしまった…
まだまだ聞きたい事は山ほどあった…だが今さらもう遅い…
オレは、今までも多くの失敗を繰り返してきた…その度に何度もその壁をぶち破ってきた、だが、今回は訳がちがう、
取り返そうと思っても、決して戻ってくる事はない…体の一部が根こそぎ取られたような感覚だ、
「はぁ、ついてねえな…」
と虚空に呟いた声も見えない闇によってかき消された
―
この日俺は、不思議な夢を見た、小学校のころのゆめだ
学校の教室で
「鼻糞丸めてクルクルポーン♪」
「おまえ、大声でミヨコちゃんが好きだー!!って行ってこいよ」
「来ないで、気持ち悪い、」
沢山の罵声や、笑い声
さらには担任の先生からの鋭い一言
「タクマくんは、鼻をほじるくせとよだれをたらすことさえなければ、普通にいられるのに…」
さらには周りからのきつい視線、
俺は、最終的に裏庭に逃げて泣いていた、ただ、泣くことしか出来なかった…そう、ただの弱虫だった、
だが、その時場面は一気に中学時代に変わった、こんな俺なんかに手を伸ばしてくれる奴に出会った、そして先生にも恵まれた、
親友や、沢山の仲間たちと馬鹿なこともやったし、時には悔しくて共に涙を流した時もあった、だがその日々が俺がちゃんと人として生きている事を実感できる時間でもあった、
懐かしい思い出と共にあの頃を思い出す度にやり直したいなと何度も思ったことだろう…
目が覚めると、自分の頬が涙で濡れてる事に気づいた、
「…俺、泣いてたのか?」
俺は、しばらく、涙を拭った手を眺めていた