不思議なオンラインゲーム
「あぁ、だりー。つまんねーの、マジ帰りてー。」
このような発言をしている俺は、鈴城 蓮。高校1年生。顔は普通だと思いたい。帰宅部である。そして、ゲーマーである。
「本当、だるいよね学校。帰ってゲームしたい。」
話し掛けてきたのが、由田 立夏。俺のゲーム仲間。同じく帰宅部だ。
「あれ?かいりは?まだ来てないの?」
「そういえば来てねーな。」
かいりとは、俺たちのゲーム仲間の天野 海里のことだ。
「おーい、面白いゲーム見つけたぞ!」
面白いゲーム?何だろうな。
「今日、帰ったらみんなでやらねー?ぜってーたのしーから。」
まあ、やってみるか、暇だし。立夏も、やる気みたいだし。
そして、放課後
「どんな、ゲームなの?」
海里の家に着いたとたんに、立夏が待ちきれない様子できいた。
「マジカルドリームってやつ。」
なんか、やる気のない名前。
ゲームの設定画面は、名前、性別、生年月日、なりたい職業がある。普通だな。
とりあえず、すべて記入した。
「じゃあ、一斉にスタートを押すぞ。」
それに、なんの意味があるのかわからないが従っておく。
「せーの。」
『カチカチ。』
軽い立ち眩みのような感覚に襲われる。
「なんなんだよ、これは。」
あれ?俺、無意識のうちに目つぶってたんだな。
目を開けるとそこは、中世のヨーロッパみたいな街中だった。
「驚いただろ?このゲーム、自分達がゲームの中に入れるたぜ。凄いだろう!」
あぁ、凄い、凄い、が・・・、
「おい、これ帰れるんだよな?帰れなかったらどーすんだ。」
海里をガクガク揺らす。
「落ち着け、セーブすれば帰れるから、メニューを開こうって思うと開けるから、そこにセーブってあるから、だから落ち着け、そして、離せ。」
俺は、海里から手を離す。確かめてみると、確かに帰れるらしい。
「ねえ、時間は?現実と同じなの?」
「あぁ、同じだ。時計もメニューを開くとでてくる。」
今は、ちょうど4時だ。
「ねえ、二人は職業何にしたの?私は、暗殺者なんたけど。」
「あぁ、俺は侍にした。海里は?」
「俺は、狩人にした。それより、初心者の草原に行かねーか?レベルアップのために。」
分かりやすい名前だな。なんのひねりも無いのか。
「よし、行ってみようぜ、いいよな、立夏。」
「うん、いいよ。楽しそう。」
「そういえば、ここどこ?」
街中のようだが、どういう都市だかわからない。
「ここは、科学都市。フィールドに続く道は、東西南北あって、初心者の草原は東。」
あと三つは、どこに繋がっているんだ?
「西が、中級者の森。南は、魔法都市に続く道。北は、和の村に続く道。」
「ねえ、モンスターのレベルは、どれくらいなの?」
「たしか、東が10レベまで。西が、20レベまで。北と南は、30レベまで。うまくいけば、東で20レベまで上げることができる。」
モンスターって、何出てくんだろ?やっぱ、スライムとかかな?楽しみだな!
二人も楽しみなようで、自然と急ぎ足になる。なんか、楽しいなこういうの。探険みたいで。
そういえば、俺いつの間にか小太刀装備しているな。初期装備ってやつかな?小太刀って、初めて見た。
「見えてきた。人、結構いるな。」
この街、結構広い。久しぶりにこんな距離歩いた。でも、そこまで疲れてないな。なんでだろう?まあいいか。
初心者の草原に着いた。よし、頑張ってみるかな。