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交点の烈~戦士の休息~  作者: 河野 る宇
◆第15章~サヨナラの予感
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*朝です

「おはよう!」

 アユタが嬉しそうに階段を駆け下りて、キッチンに声を掛けた。しかし、母とベリルが一緒に料理している姿に眉をひそめる。

「おはよう」

「あら、おはよう。こんなに早起きなんて珍しいわねぇ」

 応えた母親は、怪訝な表情を浮かべている息子に説明するように付け加える。

「ベリルさんが手伝ってくれるっていうから、お言葉に甘えちゃった」

「ちゃったって……」

 可愛く言ってもおばさんなのに……という言葉は飲み込んで洗面所に向かう。

「おはよう~」

 次にナユタが現れて、同じように目を丸くした。

「あらあら、みんな早起きねぇ~」

 高校を卒業したナユタが朝8時に起きる事など珍しい、しかも今日はアユタも休みだ。

「これもベリルさんのおかげかしら?」

 コロコロと笑って彼に視線を向けた。

「どうでしょうね」

 ベリルはニコリと微笑む。


 そんなリビングテーブルの上は、妙に上品だった──ケチャップベースで作られたソースの上には、形の良いスコッチエッグ。

 コンソメスープにグリーンサラダ、極めつけはリンゴの飾り切りだ。

「……」

 どう見てもこれは母の手際じゃない……と、2人は無言で目の前の料理を眺めた。

「今日は2人ともどうするの?」

 朝食を食べながら会話する。

「もちろん、オレと姉ちゃんは兄ちゃんとお出かけだよ。ね」

「あ、うん……」

 同意を求められてナユタは思わず頷いた。

 彼と一緒にいたいのは事実だし、離れちゃいけない理由がある。

「あら、いいかしら?」

「構いません」

 そう言って微笑むその顔がちょっと怖いとナユタは思った。あたしとアユタが母さんと家にいた方が、ガードさんたちが守ってくれるから彼は安心なんだよね。

 でも、やっぱり一緒にいたい。

 相変わらず上品に食べるなぁ……と、彼の様子を見つめる。

「姉ちゃん、早く食べなよ」

「あ、うん」

 もそもそと食べ進める姉に、弟はやや呆れ気味だ。

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