表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/47

*溜息の余韻

 バカらしい相手だが、現実に誰かが囚われの身となっているのなら助けなければならない。危険な思考の持ち主もなんとかしなくては……ベリルの口から何度目かの溜息が漏れる。

 長年、生きてきたがこんな事例はなかなか珍しい事だった。そう思うと、自然と笑みが浮かぶ。

 飽きる事などあり得ない。世界は日々、動き続け新しい出来事が生まれている。

『人の世とは、かくも儚くあり確たるものにして移ろいやすし』

そううたった奴がいたな……と、思い出す。

「はて? 何十年前に聞いたかな」

 1人とぼけてつぶやいた。

 それだけの年月を生き、それだけ彼は戦い続けた。傭兵として多くの人々を救ってきて、不死者であるために多くの人々から狙われもしてきた。

『不老不死』という特殊な存在であるが故に、彼はあらゆるものを背負いここにいる。

「彼だからこそ耐えられているのだ」

 彼を知る誰かがそう発した。永遠を生きるなど、この未熟な精神が耐えられるはずが無い。

 人類の夢である不老不死──皮肉な事に、心がそれに耐えられないと言う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ