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交点の烈~戦士の休息~  作者: 河野 る宇
◆第14章~心臓バクバク
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*涙のワケ

「!」

「ごめ……なさい」

「何故、泣く」

 思ってもみない彼女の反応に、ベリルは当惑気味に発した。

「だって……あたし、あなたに迷惑ばかりかけて……アユタみたいに賢くもないし。今だって……」

 今までの感情がせきを切ったように溢れ出して涙が止まらない。迷惑かけたくないのに、こうして今も迷惑かけて……ぐるぐる回ってどうしていいか解らない。

 そんな彼女を見つめてベリルは小さく溜息を吐き、顔を近づけ頬と額にキスをした。

「私は迷惑だとは感じていない」

 良く通る声と柔らかなエメラルドの瞳──そして、その温もりが彼女の緊張を解きほぐし、固まっていた手がするりと落ちる。

「お前にはお前の力がある。比べるものではない」

 彼女を見下ろし、静かに語る。

「あたしのチカラ? あなたに迷惑かけたこと?」

「迷惑だとは……まあ良い」

 言葉を切ってナユタの頭を優しくなでる。

「比べるならば己の違いを探す事だ」

「違うところ?」

「同じものを競うのではなく、違いを探し活かす方向に向けると良い」

 そういう方法もあるのだから……と、つぶやき再び額にキスをして立ち上がった。

「おやすみ」

 ナユタの耳に彼の声が聞こえて、遠ざかる気配にまぶたを閉じる。

「おやすみ、なさい」

 ナユタが応えると、ベリルは小さく笑んで部屋を去っていく。

 そのドアをじっと見つめて、心臓に手を当てた。その鼓動は、まだ激しくナユタに動揺を与えている。

 間近にあった瞳はいつもよりキレイに見えて、頬や額に触れた唇も柔らかく……肌もすべやかなのにしっとりしていて、吸い付いてくるような若々しさがあった。

 ホントにいま何歳なんだろう? と考えずにはいられないが、やっぱり訊きたくない気がする。

「う……なんでかな。なんかちょっと悔しい」

 あたしの方が若いハズなのに! 別の涙を流しつつ眠りに就いた。

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