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交点の烈~戦士の休息~  作者: 河野 る宇
◆第14章~心臓バクバク
37/47

*就寝時間です

 その後、風呂から上がってきたナユタが揃うと、母はフルーツを切り始めた。それを見たベリルが立ち上がり、すいと手を出す。

「あら、いいのよ。お客様はゆっくりしてて」

「2人でやれば早い」

 未だ湿気を帯びた髪が、母の頬さえも赤らめさせる。

「じゃ、じゃあお言葉に甘えようかしら」

 そう言って、もう1本の包丁を手渡した。

 フルーツはリンゴとキウイがあり、ベリルは躊躇することなくキウイを手にする。

「あらあら、包丁も上手いのねぇ」

 あっという間に皮を剥き、切り分けるその手際の良さに母は感嘆した。切り分けられた人数分のフルーツボウルをトレイに乗せてリビングに運ぶ。

 さすがのアユタも母の前では彼の仕事関係の質問は出来ず、黙々とフルーツを食べていた。

「ベリルさんはどこにお住まいなの?」

「オーストラリアに住んでいます」

「そうなの~」

「オーストラリア行ってみたい!」

「世界一の一枚岩があるとこですよね」

「うむ」

 ベリルは柔らかい笑みを浮かべた。

 きっと彼は、オーストラリアがスゴク好きなんだな……ナユタはベリルの表情に自分も笑顔になった。


 9時を少し過ぎた頃、アユタは眠くなってきたのかあくびを繰り返すようになる。

「ほらほら、もう寝なさい」

 母が息子の背中を叩く。

「ん~……ベリルと寝る」

「あらまあ。すっかり懐いちゃって、ごめんなさいねぇ」

「いえ」

 裾を掴んで離さないアユタに、彼は苦笑いを浮かべた。そして、眠気でフラフラになっている少年を抱きかかえる。

 歯はすでに磨いているため、そのまま2階に上がっていく。

「あたしも寝る。おやすみ母さん」

「はい、おやすみなさい」

 階段を上り、案内を待っているベリルに近づいた。

「アユタの部屋はそっちね。ベッドは買い換えなくすため大人用だから」

「おやすみ」

「おやすみなさい」

 彼がアユタの部屋に吸い込まれるのを見て、彼女はまた口の中で舌打ちした。

 くっ……いいなアユタ、一緒に寝るんだ。

 弟に嫉妬する自分が少し情けなく思いながら部屋に入り、溜息を吐きつつカーテンを閉じようと窓に近寄る。

「!」

 外に視線を向けると、こちらを窺う影が2つある事に気づいてビクリと体を強ばらせた。

 こんな場所に男が2人も立っているなんておかしい……居ても立っても居られず、足早に部屋を出ると、隣にあるアユタの部屋に向かう。

「どうした」

 ノック音で出てきたベリルが、不安げな面持ちの彼女を見下ろした。

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