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交点の烈~戦士の休息~  作者: 河野 る宇
◆第13章~家族
35/47

*なんとなく馴染んでいる風景

「いただきます」

「あっ……い、いただきます」

 何も言わずに食べようとしたナユタたちだったが、両手を合わせて発したベリルに思わずつられる。

 そして、ちゃんとお椀を持ち箸を使いこなしているベリルに3人は目を丸くした。

「あらまあ、うちの子よりも上手じょうずねぇ」

 母が感心してベリルを見やる。

「幼少の頃に習いました」

 幼少っていつの話なんだろう……ナユタとアユタはふと考える。

 上品に食べる様は女性2人を呆然とさせ、いつにも増して食の遅いナユタに弟は顔をしかめた。

 姉ちゃん、完璧にベリルに見とれてるよ。ベリルは母さんがいるから妙な雰囲気だし、普段は敬語とか使わないんだろうな……と、半ば哀れに思った。


 一同は食べ終わると、アユタはテレビに向かいゲームを起動させた。

「ね、これ出来る?」

 リビングに促されたベリルに笑顔で問いかける。

 品の良い絨毯じゅうたんが敷かれているリビングには、大きめのテーブルの前に40インチの液晶テレビが置かれていた。

「FPSか」

 アユタは、テレビに映し出されているゲーム画面に連動しているガンコントローラを渡し、もう1つのガンコンで操作を進める。

 一通りの操作を説明して協力プレイで始めた。

 画面は縦に分かれており、左がアユタ右がベリルだ。ガンコンの引鉄ひきがねを引くと音が鳴り、撃ったという合図の衝撃が少し伝わってくる。

「……」

 後ろで見ていたナユタが、言葉も出せずにベリルの画面に見入った。

反動の無いガンコンではあるが、それでも様になっている。それでもってほぼ百発百中だ。

「うわ、スゴイスゴイ!」

 アユタは嬉しそうに声を上げた。なかなか進めなかったエリアが、難なくクリア出来た嬉しさに鼻歌が交じる。

「視力はいくつ?」とアユタ。

「普段は3.0だ」

 その応えに2人は吹きかけて、聞いた事もない数字に唖然となる。

「普段は……って、じゃあ他の時って何?」

「集中すれば5.0ほどだろう」

 しれっと発するが、それがどういった視力なのか2人には皆目、見当がつきかねた。視力って意識して変えられるもんなの? という疑問もあったが、深く追求しないことにした。

「ベリルさん。お風呂に入って」

 母親からの予想もしない言葉に、彼は目を丸くする。

「着替えはあるから。汚れてるでしょ?」

 なんとなく母親の顔がニヤついているようにも見える。

「オレ一緒に入るー!」

 アユタは嬉しそうに2階に駆け上り、自分の部屋から着替えを持ってきた。断れない状況に持って行ったアユタを一瞥し、ベリルは小さく溜息を漏らす。

「それではお言葉に甘えます」

 言って立ち上がり、ナユタに視線を合わせた。

「アレを頼む」

「あ、うん」

 もちろん試作品の事だ。

「風呂場こっち」

 少年は嬉しそうに彼の手を取りバスルームに向かう。

 なんとなく弟が羨ましくて、ナユタは口の中で舌打ちした。

 脱衣場に入り、少年が服を脱ぎ捨てていく端からその服をベリルが拾い上げ、一つにまとめていく。

 それから服を脱いでいくが、その様子をアユタがじっと見つめる。

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