*目利き
しばらくして、1人の青年が公園に入ってきた。赤茶色の髪色をした20代後半の男性で、黒のジーンズにグレーのTシャツを着ている。
「あれ、1人増えてんの?」
「うむ」
青年は、それにさして関心もないようで、確認すると紙バッグを手渡した。
「とりあえず俺は2つ回収出来たから、あと一つだと思う」
「すまんね」
「いや~、こっちこそミスしちゃって」
頭をかきながら笑って発する。
「あ、それとさ」
帰ろうとした青年は、思い出したように振り返った。
「どうも追いかけてんのは不死関係じゃないっぽいよ」
「! ほう」
「今解ったのはそこまでなんだ。また解ったら連絡する」
「頼む」
青年が帰ったあと、3人はベンチに腰掛けベリルは紙バッグの部品を確認するように見つめた。
「ナユタ」
「あ、はい」
手を出され、預かっていた物をバッグから取りだして手渡す。
「……」
アユタは、ナユタの体越しに興味津々でそれを見つめた。
黒い塊は3つあり、一つ一つは15㎝ほどの長さで細いジュースの缶くらいの太さだ。
もちろん、ただ円筒形をしているという訳じゃなく、どちらかといえば長方形というのだろうか、ごつごつとしていて、ライフルやマシンガンを思い出させる見た目である。
「あ」
ナユタが見つめていると、カチャリ……という小気味よい音を立ててそれらがつながっていった。
「なに? 組み立て式のライフルかなにか?」
いつの間にかアユタがベリルの前に立ってのぞき込んでいた。
ベリルは少し眉をひそめ、それを紙バッグに仕舞う。そして、バックポケットから携帯を取り出すと、震えて着信を知らせていた。
「どうした」
ディスプレイを一瞥して通話する。
「! ……そうか」
「?」
ナユタは小首をかしげる。何かあったのかな? 彼の顔が少し険しくなった。
2人は、しばらく彼の通話する姿を眺めていたがアユタが姉の袖をつまんだ。
「なに?」
「この人スゴイね」
少年は小声でナユタに耳打ちする。
「なにが?」
「足首のとこ」
アユタは小さくベリルの足下を指さす。
「ちょっと脹らんでるでしょ。アンクルホルスターっていう足首に装着するタイプもあるんだ」
「へえ……」
ホントによく見てるし知ってるなぁ……ナユタは感心しながらベリルの足首を見つめた。
アユタはゲームっ子で、家庭用だけじゃなくパソコンでも色んなゲームをしている。
あたしが受け取りに行かされたモデルガンだって、小学生の自分だと保証人が必須だからあたしの名前を明記していたんだ。
ネットでの注文だったから、身分証として保険証出したあたしの身にもなってほしい。実は車の免許も合格しているけれど、まだ免許証は受け取ってない。





