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交点の烈~戦士の休息~  作者: 河野 る宇
◆第8章~そうなります?
22/47

*嬉しいんだか怖いんだか

「あの……」

「なんだ」

 険のない物言いで聞き返される。

「別の問題って?」

「知りたいのか」

「出来れば教えて欲しいんですけど」

 つぶやくように発すると、彼は面倒そうな顔をして口を開いた。

「私が不死なのは知っているな」

「うん」

 まだ信じられないけど。

「そんな人間がいればどうしたい」

「ああ……なるほど」

 あたしと顔見知りだって気づいて人質にしようとしたのか……ナユタは、半笑いを浮かべて先ほどの男たちに呆れた。

「今は回収作業をせねばならん。相手をするのは後だ」

「まだあるの?」

「仲間が他の回収にあたっている」

 新人に試作品の発送を何故任せたのか、いささか疑問だ……小さく発して、溜息を漏らす。

「試作品?」

 小首をかしげる彼女を一瞥し、確認していたナイフを腰の背後に仕舞う。

「α版から送られてくる」

 死なないからと無茶な物を送ってくる場合もある……と、何かを思い出して目を据わらせた。よほどの物が送られた経験があるようで、ナユタは「ご愁傷様」と心の中でつぶやいた。

「ここで1人落ち合う事になっている」

「! ああ、それで」

 だからのんびりしてるのか……ナユタは納得して肩の力を抜いた。そうして、ベリルの横顔を再び見つめる。

 出会えたコトは凄く嬉しい。

 ずっと夢見て、会えないコトに落ち込んで、助けてくれたあの日から──あたしは会って話したコトもない彼の背中をずっと見つめていた。

 こんな出会い方で、これからのコトを考えると怖いけど、嬉しい。

「ベリルはどこの軍人さん?」

「?」

 時間つぶしに問いかけると、彼はとても変な顔をした。

「軍には所属していない」

「えっ!? そうなの?」

 てっきり軍人だと思ってた……

「フリーの傭兵だ」

「傭兵って元々フリーじゃないの?」

「フリーの者は多くはない」

 ほとんどの場合、傭兵を管理する会社に所属している。その方が面倒がなくていいからだ。

「何故、私が軍人だと思ったのだ」

「ずっと前に見た本に載ってたの」

「雑誌名は」

「覚えてない」

「そうか」

「あ、映ってたって言っても端っこにだよ」

 どこかの軍人さんと談笑してる写真だった。

「いつのものだ」

「えと、数十年くらい前のだった」

 そうか……ベリルはつぶやいて、憂いを帯びた目を伏せた。

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