第13話 ロリコン悪魔を探して
今更ではあるけども。
冷や汗が止まらない。
やばい命令を受けた。
想像よりも厄介なの!
ベルンダはご機嫌な調子だ。
背中で盛大に転けかけたが。
女児1人分の体重を支えた。
海外ドラマみたいな捜査ものだ。しかも自警団やら騎士団とは独立して動くなんて、ちょっと裏切り者みたいで気分はよくない。
「ベルンダ……ちゃんと歩いて!」
「あ、歩いてるけどつまずくの!」
「やーらしいことばっか考えてるからだろ」
ベルンダが相棒なのは頼りになる。
俺だけで単独捜査すれば消される。
どうして夜警隊が数十人で行動するのか?普通に治安が悪くて、数人の自警など袋叩きで皆殺しにされるからだ。
ベルンダは強い。
魔人と、同等だ。
ヴァンオーのステータスが優秀だからベルンダを信頼しているわけじゃない。確かに彼女は、凄い勇者なのだ……すけべというか下ネタがキツいのはともかくな……。
「宿屋に行かない?」
「スケベはダメです」
「減るもんじゃないし……」
歳をとるほど欲求不満になるのか?
俺だって美女に言い寄られたら反応しちゃうんだぞ。押し倒してしまいたいし連れ込みたくもある。それを考えるたびに、考えてしまうものがあるから踏み込めないんだけどな。
「いつ死ぬかわからないんだし、素直に生きたほうがずっと楽だよ、トラビス」
「だまらっしゃい、処女のくせに」
「童貞に言われても響かないかな」
キンタマを揉むんじゃない。
パンツの中を確認するな!
こいつ、俺はいなかったら性犯罪者で捕まってるだろ。勇者の皮を被った変態にしても、昔はここまでじゃ無かった。
俺の宿、寝込み襲われないよな?
まあ俺を揶揄っているだけだろ。
「まったく。どうしたんだ、久しぶりに会ってからベルンダ、一段と甘えん坊になってるじゃあないか」
よっこらしょと、俺は振り返り、ベルンダを抱きしめる。まあ猫と一緒だ。構ってくれアピールをしている時にはめいっぱい構ってやる主義だな。
ベルンダをわしゃわしゃ撫でる。
ベルンダは喉を鳴らす勢いだな。
目を細めて頬擦りをしてくる。
人間だと問題なのだろうが……ベルンダという生物だと考えれば、可愛いものである。良い彼氏を作って欲しいものだ。彼女でも良い。ベルンダを、俺なんか以上に満足させる良い人間も世の中にはいるだろう。
「満足した!」
と、ベルンダは離れる。
欲も満たされたらしい。
勇者らしいベルンダが帰ってきた。
「姉さんを抱く前の練習に、ね?」
ベルンダの足取りと怪力が俺を引いているが、宿屋に引き摺り込まれようとしている。やっぱりベルンダはちょっとダメかもしれない。
宿屋に入りたいベルンダ。
宿屋に行きたくない、俺。
公衆の面前で間抜けな力比べだ。
「魔人被害者は15人。全て女性の12歳」
動けないのでついでに状況を共有だ。
夜警隊からも話は聞いているからな。
「現在のところ生存者無し」
「痛ましい事件。でも勇者はなんでも解決できるわけじゃない」
「ご最も。物理の力があったとしても、犬のように痕跡を辿れるわけじゃないしな」
「……私、犬に負けないから」
「犬と張り合うんじゃあない」
ベルンダはすぐ意地張るんだから。
犬の嗅覚は例え話でしょうにね!
「現場は王都全域で法則性なし。下水道経由、主要路沿いだとか、夜に、あるいは昼間の時間帯か、特定の建物の圏内だとかの手掛かりはまったくないのが現状」
「つまりお手上げ」
「夜警隊の話じゃ、目星も立たないから、犯罪者に首輪をかけてでも巡回の人数を増やしている。笑うなよ?今の夜警隊はメイドさんは主力だ。メイド事業の人手が余っているからな」
「家政婦は槍も扱う世の中なわけね」
「俺より立派な胸甲もつけていたぞ」




