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星空の町―4―

戦闘でっす。

いつも通り厨二です。



金属音が夜の闇に鳴り響き、殺人鬼と青年の影が何度も交差していた。

呼吸すらままならない戦闘の中、青年は額に汗を滲ませていた。


「っ……」


殺人鬼は剣術戦を主としている。

青年は、剣を交えるたびに殺人鬼の『人としての機能』に違和感を感じていた。


「意識はやっぱりないんですね」


そう、殺人鬼には意識がなかった。

つまり、この事件は『無意識下の人間』に置けるものになる。

青年は剣を振り、大きく間合いを取る。


「シフト」


そして、銃に装填されていた魔術を入れ替えた。

彼の持つ銃は魔術発動用。

あらかじめカートリッジに魔術を取り込んでおくことで簡易的に魔術を発動できる。

それに加え、カートリッジを入れ替える(『シフト』がキーワード)ことで、手持ちの数だけ多くの魔術を使用できる。


「『氷烈弾(アーレイス)』」

青年は引き金を引く。

発砲音とともに陣が展開され、風を纏った氷の弾丸が発射された。

殺人鬼は剣を振るう。

風を斬る音が聞こえ、氷弾は簡単に切り刻まれた。


「まだだ」


引き金を引く。

陣が4つ5つと数を増していく。


「『氷烈弾(アーレイス)』!」


ドン、と最初の爆発音が聞こえた後、地鳴りのような音とともに無数の氷弾が殺人鬼に着弾していく。


「シフト」


魔術を入れ替え、引き金を引く。


「『銀の震雷』」


陣から発せられるのは横殴りのイカヅチ。

攻撃の手を緩めることなく、第2撃も粉塵の中の殺人鬼に直撃した。


「……」


全ての魔術が着弾したが青年は構えを解かない。

この程度で団長を押さえられないと知っているからだ。

そして数秒と待たずに噴煙の中から碧色の光が見えた。


「……?」


煙が晴れていく。


月を刈る者(ブルー)!?」


着弾箇所にいた殺人鬼は、濃い青色の光を右手に纏っていた。


「そんなっ……、その状態で発動できるわけが―」


殺人鬼はそのまま攻撃に転じていた。

この瞬間、青年は『殺人鬼状態の団長は魔術を使用できない』と思い込んでいたために、剣術戦以外の攻撃に対して無防備状態になる。

殺人鬼が右手を振るうとともに、青色の光が青年へと牙を向けた。


一閃。


青色の光は青年を貫いた。


「っ、が……はっ」


口から鮮血が飛び散る。

ガードに使用した西洋剣は青色の光によって切断されていた。


「く……。シ……フト、『メギルス』」


彼は再び引き金を引く。

発動する魔術は照射系の光熱魔術。

レーザーを思わせる光線は、一直線に殺人鬼へと伸びる。


「……」


だが、殺人鬼の腕が振るわれ、青色の光が有無を言わさず光線を打ち消した。


「っ!」


これが騎士団長。

国家最強レベルの戦闘型魔術師。


「さ……すが……団長」


青い光が直撃した腹部からの出血で意識が霞み始める。


「く……」


その隙に距離を縮めない殺人鬼ではない。

瞬時に近づいた殺人鬼は青年の左脇腹に膝蹴りをぶち込んだ。


「がぁあああああっ!!!!」


軽く3メートル程吹っ飛び、コンクリートの地面に横たわる。


「かはっ……」


口から血が飛び散る。

虚ろな目に映るのは迫ってくる殺人鬼だった。

起き上がろうにも体は言うことをきかない。


「っ……、すいません……僕はあなたをとめられなかったっ」


振るわれる剣。

青年が死を覚悟した時だった。


「ギィイイイン!!!!」と一際大きい金属音が響く。


「っ!?」


この金属音は他でもない、殺人鬼の剣を止める音だった。


「だ、れだ……?」


青年の目には、殺人鬼の剣を刀で受け止める若い男が映っていた。



まだ謎が多いですけどだんだん明かしていきます。


青年の名前は次回。

視点も優樹とアリアに戻ります。


よろしくお願いしますー。

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