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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第6章『銀色の闇』
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銀色の闇tenth 第46話 POWER

 井野宮天十はシルバーウルフのリーダーと対峙していた。彼は強く。重い。井野宮天十(能力なしの無能)では勝つことができないだろう。しかし井野宮天十は挑む。負けが分かっていても、みじめでも。全力を尽くす。

 暗き蝙蝠の特殊部隊「超音波」はリーダー代理をねじふせた。方法は簡単。相手の驕りだった。私なら簡単。こいつらぐらいなら倒せるといった驕り。しかしそれは敗北を呼んだ。何本剣を出してこようが関係ない。そこに隙は生まれる。そこを狙った攻撃だった。

 その結果1つの戦いが終わった。








「志野野辺雄大。面白いわね・・・」

 天使ラーエイとの戦い。志野野辺は天使を信じない(いまだに相手はふざけていると思っている)という方法で追いつめていた。本人に自覚なし。それが常に現実を見続けた男の才能。彼の狼の眼は幻想を信じず、現実を見据えるハンターの眼だった。

「天使はもう信じなくてもいいわ」

 ラーエイの焦りは止まらない。しかし、ここでの最善の方法は志野野辺雄大を説得し、天使の存在を信じさせることではない。それはただの時間の無駄。その時間の間に志野野辺に対する天使の力は薄まっていく。ならば薄まる前に。消える前に決めてしまえばいい。

「先手必勝ではないけれど、ここで決めさせてもらうわ」

 ラーエイはそこらへんにある鉄パイプを操った。そのパイプは軽々と浮き、そしてラーエイの命令通りに動く武器となる。

(まだこのぐらいの物を操る力は残っているのね)

パイプは志野野辺に向かって進む。そのスピードは徐々に上がり、それは頭を的確に狙う凶器となる。狂気。狂喜。

「くっ・・・」

 ガガガガガッ

 木刀と鉄パイプが交差する。そこには火花が生まれていた。すさまじい摩擦。するとありえないことに木刀には火がついていた。

「「え?」」

 2人して驚いた声をあげたのはラーエイも志野野辺も予想外な事態だったからだ。それは炎。木刀を包み込む炎。木刀が普段耐えられる摩擦をこえた摩擦によりおこった現象。鉄パイプは炎の熱により簡単にまがり、そして落ちる。

 この火はただの火ではない。天使の力によって生まれた火なのだ。

「そ・・・そんな・・・」

「あちっ!これ炎の広がりが早い」

「炎の剣」

 天使はもちろん、井野宮が訪れたランドバハド側の人間ではない。ランドバハドには職業に使い。~使いなどというような名前がつく。天使は使いとはついていない(一応職業扱い)のでアークラセル側。そのアークラセル側の伝承のようなものがある。

(天使の先祖と呼ばれているアマノミヤは炎の剣でとどめを刺さされたとされる。それがこの場に。しかも天使の私に対して・・・これはただの偶然・・・?)

 ラーエイのこれは恐怖だった。

「これ熱いな。いらない」

 しかしそう言って志野野辺は燃えた木刀の炎を消して捨てた。

「え?あなた何やってるの?」

「いや、危ないだろ。炎なんて」

「・・・・・」

「それと俺、武器の扱い下手なんだよな。だから・・・」

 志野野辺は拳を握り・・・。

「ここからマジだぜ」

「ふぅん。あなたが敵じゃなかったら好きになってたわ」

「それは残念だが俺はまだバスケ一筋なんでね」

 双方は距離をとる。最後の一撃のために。

「いくぞ」

「えぇ」

 走りだした2人。そこでラーエイは気付く。

(・・・・・!スピードが上がってる!?なんで・・・・・!まさか!)

 木刀を投げた場所には地面にヒビが入っていた。

(ただの木刀じゃない・・・!?中に鉛か何か入っているの・・・?)

 しかし考えてる暇はない。ラーエイも拳を握りしめる。

「「はぁああああああああああ!」」

 2人の拳が交わる。ことはなかった。ラーエイの拳はかする。

(!?)

 志野野辺の軽くなった状態での高速バックステップにより残像とまではいかないにしてもそれに似たものを出すことが可能になる。

「これは勝負だぜ。バスケでもステップは大事さ」

「ぐっ・・・・・」

ドゴォオオオオオ!

「か・・・はっ・・・」

 ドサァ・・・

 天使ラーエイを倒すことができた志野野辺。

「・・・・・」

 また1つ戦いが終わった。









 俺は相手の攻撃から逃げ続けていた。どんな原理か知らないがあいつの投げるものや弾くものは銃弾のような威力を持つらしい。人間じゃねぇ・・・。

「くそっ・・・」

 どうせ説得しても意味はない。殴るのも嫌だが、やるしかない。といいつつも追い詰められているのは俺の方である。リーダー代理を任されるわけだ。

「投擲!」

 すごいスピードで石がせまる。それを俺は近くの電柱に隠れることでなんとかダメージを回避。しかし電柱には石がめりこんでいた・・・。

「・・・・・試してみるか・・・」

 俺はその場で目を閉じる。この電柱の後ろで。今までは相手の数が多かったり、武器があったりで集中できなかったが、今は違う。相手は投げることしかしてこない。攻撃が直線なのだ。

 神経を集中させる。ボロボロに負けて今までやろうとも思わなかったこと。それをやらなければ絶対に勝てない。

「・・・・・・・」

 全神経を集中させる。

 すると相手の足音が聞えてきた。まずい・・・近づいて直接攻撃するつもりか・・・。

「・・・・・・・」

 でも、その前に仕掛けるとしよう。俺の久々、言霊第1球。

「『吹き飛べ』」

「なにっ!!」

 シルバーウルフのリーダー代理はそのまま建物の壁にぶつかるまで飛んでいった。

「あー・・・しんど・・・」

 リーダー代理はそのまま強くうったのか、立ち上がろうとはしない。何かを呻いては静かになる。

 俺がしたことは言霊。しかし今までのより威力は低く、飛とか守、の一言では力がなく言えないのでちゃんとした言葉を放つ必要のあるものだが。

 今でも力は戻らない。でも言霊というものはその言葉に宿るもの。力がなくてもある程度のことはできる。一応戦闘においては場数を踏んでいるのでね。

「・・・・・・」

 しかし俺も同じくその場から立ち上がることはできない。先ほどの言霊で全ての力を使い果たしてしまったみたいだ。

「あ・・・・・」

 動けない。

 何もできない。

 意識が沈む。何も見えなくなる。






「僕の本気ねぇ・・・」

 そう言いつつも天使アルミトルスは能力を使おうとはしなかった。一方的に殴る、蹴る。

「僕の本気は戦闘向きじゃないんだよねぇ」

「ぐっ・・・」

 暗き蝙蝠のリーダー木野白はそのまま腕の中の鎖を伸ばして後ろから剣を飛ばす。

「見えてるよ」

 しかし天使の蹴りがはやかった。そのまま剣を弾き、殴る力をこめる。

「がっ・・・!」

「弱いじゃん。まぐれで調子のんないでよね、嬉し悲しくなっちゃうからさあ!」

 そのまま決めるつもりなのか天使は距離をとり、自分で位置を調節。飛び上がり頭にかかと落としをきめようと思いっきり空中で回転する。 

 しかし木野白はそのまま腕を交差する。何事もなかったかのように笑いながら。

「な・・・」

 その表情を見た天使は驚く。何を企んでいるのか分からないがこれはまずい、と。

 しかしもう遅かった。

「奥義、蜘蛛の巣」

 剣の鎖が蜘蛛の巣のように絡み、相手を拘束する。剣が弾かれたとみせかけて罠をはる、というのは木野白にとって得意分野であった。

 今回は拘束。電柱や建物などに絡みついて蜘蛛の巣を形成しているため、ちょっとやそっとでは崩れない頑丈さも備えている。

「悪いな、天使」

 木野白は刀を構える。それが木野白の本当の武器。真の力。

「悪い・・・誰が?君がかい?なめるのもいいかげんにしろよ、クソ野郎」

 天使が光につつみこまれる。

「いまさら何をしても遅い」

 木野白はしかし躊躇しない。そのまま刀を振り落とす。

天使化エンジェリング

 光が強くなり、なぜか刀は動かなくなる。

「僕は君の感情を塗り替えた」

 その天使は光輝く羽を纏い、綺麗な輪を頭につけていた。



本当にお久しぶりです。何年ぶりといったほうがいいレベルですね・・・。


今回はそのだいぶ前に書いたやつを少し変えてみました。次からは本当に今から書くものになります。少し不安です。


本当に長い間すみませんでした。


次の更新も不定期ですが、なるべくはやくしたいと思っています。


ではまた次回。

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