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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第1章『始まった物語』
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第4話 MEAN

「反撃といこうか」

「楽しみですよ・・・・・あなたの全力が見れるんですから・・・・」


俺は相手から目を離さない。いや、離したらやられるとわかっていた。それほどまでに強者なのだ、この男は。俺はゆっくりと口を開いた・・・・。


「『』」


その声が耳に届いたのだろう。やつは簡単に吹き飛んで行った。もちろん何かに殴られたように。

やつの体が地面に着く前に俺は口をまた開いた。


「『ざん』」

「ぐっ・・・・・がはぁ・・・・・!」


斬とは斬るという意味。それが聞こえたものは斬られるのだ。錬金術師のムトーは斬り傷をつけ、血を噴き出した。


「あなた・・・・・急に強くなりましたね・・・・・・・・・」

「そりゃあ、そうさ。俺は手を抜いていたんだ」

「でもあなたは私に血を流させた・・・・その意味を理解してますか?」

「・・・・・・・・・・・・」


やつは血の錬金術師。血がある今の状況はやつにかなり有利である。しかし、俺はそれを許さない。絶対に反撃の隙を与えない。


「『打』」

「ぐはぁ!!」


派手に吹き飛ぶムトー。木にぶつかってようやく止まった。


「く・・・・・・・ソードリ・・・」

「『打』」


ドゴッ!!!


鈍い音が響く。


「やはり・・・違いすぎる・・・・・さっき手を抜きすぎていませんか?」


と苦笑するムトー。別に俺が強くなったわけでもないし、技の威力も上がったわけじゃない。ただただ「理不尽」なのだ。反撃を与えない理不尽な攻撃。それが俺の強み。


「もう、ここで諦めてくれないか?」

「なぜ、そのようなことを聞くのです?」

「これ以上傷つけたくないんだ。俺の力は人を守るためにあるものなんだよ」

「では、残念でしたね。私は諦めませんよ・・・・・」


「『爆弾ボムリアル』!」

「!!」


ボム・・・・だと・・・・やつは血を爆弾に変えるつもりか!?


「やめろ!予測だがそんなことしたらお前の命まで・・・・」

「もう悔いはないのです」


ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!


無人島に爆発がおきた。





まだ煙が消えない中、俺は思う。本当にこれでよかったのだろうかと・・・・・。人の死とは軽々しく扱っていいものではない。それなのに今回の戦いで自殺という形で・・・・人が死んだ・・・・。


「俺は無傷なのにな・・・・・・」


俺はやつの爆発と同時に、『ばく』と言っていた。これは爆発を起こす言霊だ。それで爆発を相殺させた。


「しょうがないわよ・・・・あんたはよくやったわ」

「うるせぇ・・・・・・もう俺を巻き込むな」

「あんたがそこまでして拒むならしょうがないわね」


そして俺の前から少女、モーラ・ルーレトが去ろうとした時、彼女の肩に手がかかった。


「!!」

「モーラ!」


「はははははははっ!!!誰が死ぬと言いましたか!私は悔いはないと言っただけです!」


そこには錬金術師ムトーの姿があった。


「な・・・んだと・・・・。でもあれだけの爆発なら・・・・・」

「あの程度の爆発、『ガードリアル』で防げます」


そんな・・・・バカな・・・まだ生きていたのか。捕まった少女は必死になってあがいている。


「仲間を助けなくていいんですか?」

「そいつは仲間じゃない。どうなろうが知らん」

「では『ソードリアル』」


するとやつは生成した剣をモーラののど元に突きつける。


「死にたくなければ私の言うことを聞きなさい」

「いやよっ!私はあんな地獄になんか戻らない!」


俺はもう限界だ。ここでモーラを見捨てたら、罪悪感で死ぬだろうか。いや、俺は死なないだろうな。そういうやつなんだ。罪悪感なんて感じない。


「ならばこないとこの男を殺します」

「!!」


俺は死ぬつもりはない。だからモーラが見捨てようが、俺は生きるつもりだった。俺だってモーラを見捨てようとしたんだ。こいつも俺と同じ考えに違いない。


「・・・・・・・・・・わかったわよ・・・・・・ついていくわ」

「!!」


どういうことだ。俺なんて他人だろう。そんなやつをなぜ守る・・・・。俺を見捨ててどこかへ行け!やめてくれ・・・・・・。俺を助けるな・・・・・・・。


「聞きわけのいい子です」

「待てよ・・・・・・・・・・・・・・・・」


俺は低くつぶやく。


「ふざけんな・・・・なぜ、俺を見捨てない?」

「さぁね。罪悪感なんか感じたくないからじゃないかしら」


理解はできない。だが錬金術師が人通りの多いところで戦闘を始めた。それが俺の戦う理由でいい。そう、心のどこかで言い訳して、立ち上がる。


「『ソードリアル』」


これを言ったのは俺だ。すると血から剣が生成された。


「貴様・・・・どういうことだ・・・・・・」

「俺は言霊使いだぜ。俺の言葉をなめるなよ」


やつがいちいち呪文のようにソードリアルやガンリアルと言っていた理由。言わない方が相手に手の内がバレなくていいのに言った理由。それは言葉に何か特別な意味があるからじゃないかと思った。


正解だったな。


言葉に特別な意味があるのなら、簡単だ。言葉に意味があるなら、俺だって使える!


錬金術師のムトーは完璧に油断、いや、俺が同じ技を使うことが信じられなかったのかその場から動かなかった。


「ムトー・ライゼン、お前は生きろ、そして償え」


俺はやつの急所にならないぎりぎりを狙い斬った。血をまき散らしムトーが倒れていく。俺はその場に倒れこんだ・・・・。久々の勝利の感じを胸に抱いて。






とりあえず、タイトルは意味という意味です。

意味するということでもあります。


さて今回で戦闘が終わりました。

これからの展開も考えてあるのでよろしくお願いします!


感想、指摘、レビューまってます!

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