銀色の闇fifth 第41話 BATBOSS
「あなた・・・・まさか・・・・」
「そう、お前は高さでどちらが命令を下せるかを決めていたんだ!」
天使ラーエイの能力の謎を知った井野宮。ラーエイは愛の天使ではなく位の天使。自分のいる高さが操る物より1メートル高ければ命令できるという能力。
「やるじゃない・・・・」
しかし、ラーエイはその能力を使い、全ての金属などを集め、物の塊をつくりだした。
「終わりね、井野宮君!」
「くっそぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
その瞬間その塊は崩れ、井野宮は無傷だった。天使ラーエイにぶつかり無理やり1メートルの範囲から脱出させたのだ。
「何すんのよー・・・あら?あなたは・・・・・・・」
「志野野辺雄大。シルバーウルフの総長・・・大和大神でもある」
〇
「志野野辺君でしょ、知ってるわ。毎日見てたもの」
「変わった告白だな。最近感じる視線はお前だったのか」
「害がないようなら無視。あるようなら消せという命令だったの」
「誰からのだ?」
「答えない。黙秘権。でも志野野辺君。あなたは害があるようね」
「俺は志野野辺じゃない。今は大和大神だ。志野野辺は井野宮天十に家からでるなと言われているからな」
「そう、悪かったわ。今は志野野辺君じゃないのね。大和大神君」
天使はほほ笑む。ここは井野宮天十がいる場所から500メートル離れた場所。ビルがおおい高層地区と呼ばれる商店街の一部だ。
「そういえば途中から人がいないようだけど・・・・あなた何かした?」
「無関係の人は巻き込みたくないからな。でも俺は何もしてない。もうちょうど商店街が閉まる時間なんだ。」
井野宮天とが家から出てから約2時間。まわりはかなりの暗闇に包まれている。
「で、私に何か用かしら?」
「用?まぁ、そうだな。とりあえずお前は俺の仲間を殺したからな」
「ばれてたんだ。タツヤ君だっけ?ごめんなさいね、暗き蝙蝠と争わせるにはこれしかなかったの」
「そうか・・・・やはり・・・・・・」
そういって志野野辺こと大和大神は刀を取り出す。木刀だ。大和大神は白い学ラン。下はダボダボで上は前を開き、胸、腹には包帯を巻いている。古風というか一昔前の不良のようだ。頭には白いはちまき。そして髪の毛は逆立っている。
「まるで狼ね」
「そうだろ・・・・俺はお前を・・・・倒す!」
すごいスピードで木刀を前に突き出す。それをラーエイは体をひねり最小限の動きで舞うようにかわす。ラーエイはもうすでに少し浮いている。
「我が愛に応えなさい!」
鉄パイプ三本が大和大神にむかって投げられる。パイプは生きているように不規則に動く。
「ふっ!」
まず大和大神は一本目のパイプの端を木刀で叩き、自分からそらす。そのパイプは回転をはじめブーメランのように曲がり二本目をはじく。三本目はその場から横に飛ぶことで回避。すぐさま立って木刀を構える。
「まるで隙がないわね」
「一応リーダーだからな。強くなければだめだろう。それにお前の腕力もすごいな」
「腕力?・・・・・・あぁ、ありがとう」
大和大神は気付いてなかった。こいつが人間じゃないということに。天使だということに。普通の人間なら気付かないであろう。その上、天使化だってしていない。姿は人間そのもの。
「(なるほどね・・・・・まだ天使を知らないんだ。井野宮君のことも知らないみたいね・・・)」
「どうした?」
「いえ、なにも」
大和大神は動きだした。木刀の刀身を体に隠し、居合斬りのように斬る。さすがの天使もかわせなかったのか、マンホールを盾にしていた。しかし大和大神の一撃はそのマンホールを吹き飛ばした。とっさにマンホールの端を叩いたのだ。それによりマンホールは吹き飛んでいった。
「へぇ、あなたも腕力強いのね」
「お前も少し浮いているけど・・・なんの手品だい?」
「手品・・・・ね。私の手品にはタネがないのよ」
今度はラーエイから動き出した。周りには自転車が2台。それを順番に飛ばしてくる。大和大神は素早い横ステップでかわす。次はまたパイプだ。パイプ三本は一斉に右、左、真正面の三方向から襲ってくる。それを上にジャンプすることでパイプ同士をぶつけさせてかわす。
「戻れ、自転車」
「!!」
上から自転車がふってきた。上に飛んでいるためかわせない。しょうがなく木刀で受ける。弾こうとしたその時・・・・・・・。
「ごふっ・・・・」
もう1台の自転車が横からぶつかり大和大神を吹き飛ばした。
「あはははははははっ!!!私の操れる能力に上限はない!どんなものでもいくらでも操れる!・・・・・もうダメかな?脇腹とかにぶつかってたら骨の一本や二本は・・・・」
ヒュッ
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
「まだ戦えるんだ」
大和大神はその場からすぐ移動して、一瞬で天使にきりかかったのだ。とても自転車をくらったとは思えない。だが包帯のしたから血がにじみでている。
「でもだめよん。私には盾があるんだから」
天使は目の前に自転車の盾をつくっていた。そのせいで大和大神の攻撃はふさがれてしまった。
「くっ・・・操るだかなんだか知らないがこのぐらいでは立ち止まらない・・・・・」
「あなた・・・井野宮君と似てるわね・・・・・」
〇
「あれー?ラーエイが戦っているのかー?悲し恨み羨ましいぞ」
ここは公園。天使アルミトルスは自分の仕事をある程度終え、休んでいるとラーエイの能力を感じた。
「僕も戦いたいなー・・・・・・・・・って言ってるそばからか・・・・・でてきな・・・」
「・・・・・・・・・ばれてたか・・・・・」
公園の木陰から人がでてきた。全身を黒い服で覆い、服はピッチリしたスーツなのに袖と足の裾だけダボダボ。袖に至っては地面につきそうなぐらい長い。髪も漆黒で長い。袖と裾以外はどこかの映画にでてくる最新のスーツをきた怪盗のようだ。
「君はだれ?僕はアルミトルス」
「私は・・・・・・・・・・・・・・・」
「撫子蝙蝠。暗き蝙蝠のリーダーだ」
死闘が本格的にはじまる。
また最近更新できなくてすいません・・・・。
今回のタイトルは暗き蝙蝠のリーダーという意味で。
急に寒くなってきましたね・・・
すごく風邪気味です。
でわ