銀色の闇third 第39話 BESTDASH
「お前らが主従関係を語るんじゃねぇ」
俺、井野宮天十はどうにかシルバーウルフの3人に勝つことができた。怪我は残っているが走れないほどじゃない。俺は銀色の闇を止めるべくひたすら走る。
そのころ、天使ラーエイ、アルミトルスも動き出していた。
「嬉し楽しみ面白いや!!!あはははははは!!!!」
ラーエイの出番が終了したというのは何なのか。そしてこれからおこるであろうアルミトルスの企み。
そして井野宮天十は新たな敵と出会った。
「暗き蝙蝠からきた。お相手いたす」
その少女は鉄球・鎖月を持ち、井野宮に戦いを挑んだ。大きさはたいしたことないただの鉄球。しかし重さはけた違いだった。
「では・・・・参る!!」
「ひっ・・・!」
井野宮の死闘は再び幕を開いた。
〇
ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
夜の商店街にありえないほどの爆音が轟く。その爆音を生み出しているのがただの少女。と知ったら色々な人は信じないだろう。ただ目の前にその本人がいたとき、認めざるをえない。
「ちょ!たんま!お前!そんなもん当たったら死ぬだろうが!」
「もともと殺しにきてるんだが・・・・」
「・・・・・・」
正論だった。これだから正論は嫌なんだ。人の上げ足をとるようなことしかしない。正論=正義だと思ったら大間違いだってことを話しあいで証明したいね!話し合いで!
「次ははずさない。鎖月」
そういうとその鎖つきの鉄球を振り回し始めた。鎖の長さはどんどんのび遠心力でスピードやらパワーやらも上がっていく。これは困りましたね・・・・。このままじゃ俺のところまで到達しちゃうじゃん。
「って!そんなもん振り回すなよ!先生に教わらなかったのか!そんな危ないもの振り回しちゃだめだって・・・・・」
「危ないものじゃない。鎖月だ・・・・」
「話通じねぇー!!!!!」
これは距離をとるしかないな。幸い相手の技は遅い。距離をとればかわせるだろう。そして振り回すのに疲れたときが攻撃のチャンス!
「何を勘違いしている。これはそういう技じゃない」
「え?」
「鎖月・流れの舞い・風館咲!!!!!!!」
すると相手のまわりにすごい風が集まってきた。いや、集まったんじゃない。あれは鉄球が風を巻き起こしてるんだ!まずい!足元をすくわれたら終わりだ。
「くっ・・・・」
「耐えても無駄だ。我が鎖月の風館咲には意味がない。足元をすくわれて鉄球の餌食となれ」
どうする・・・このままじゃ俺は鉄球にやられちまう・・・。あー、能力さえ使えたらこんなの簡単に終わらすことができるんだけど・・・。
その瞬間。風邪がやんだ。
「!!・・・・何・・!」
「え?な、何?」
そして相手の近くには一本剣が落ちていた。
「我が技の弱点を把握してるだと・・・・」
うすうすは気付いていたけれどやはりあの技は台風と同じ。台風の目のように真ん中にするどい攻撃をくわえればよかったんだ。でも誰が・・・?俺はもう錬金術すらできないからな。そもそも言霊で錬金術を使っているようなものだし。
「それに・・・・この剣は・・・・!ってげふぅ!!!!!!」
ドサッ
「あ・・・・えと・・・・・とりあえずスマン。隙だらけだったもので・・・・」
隙だらけの相手を殴って終わらせた。なんかすごい悪いことした気分だ。こいつ出番少なくなっちゃったな。
「まぁいい!リーダー代理までもう少しだ!!」
俺は走る。
〇
「あーあ、井野宮天十がもうきちゃったよ・・・・」
商店街の中にある公園。そこに相変わらずアルミトルスがいた。
「どっちのチームも役立たずだな・・・・悲し哀れむよ」
そういいつつ、アルミトルスは離れた位置にいるラーエイと話をする。天使同士なら羽振動という羽の振動で会話できるのだ。それは天使化してなくても可能なのである。
「ラーエイ・・・・井野宮天十をお願い・・・・」
『えー!また私なのー?』
「僕は今、手が離せないんだ・・・・・」
『わかったわよー』
「ふぅー、さてとこれで邪魔ものもいなくなるわけだ・・・・うししっ」
〇
「もう少しか!」
俺は息をきらして走っていた。もう少し。もう少しでリーダー代理の場所へ・・・・・。
「あらーん、そんなにいそいでどこに行くのかしらん?」
「!!!・・・・・・天使ラーエイ・・・・」
「名前を覚えてくれたのね!嬉しいー」
「待ってたぜ、お前がくるのを!さっきの借りはここで返す!」
「うーん・・・・あんたはアンジェちゃんのお気に入りだから殺すことはできないのよねー」
「アンジェ・・・・」
あの創造の天使か・・・・。あの野郎にも一撃ぶちこまないとな。
「ま、身に降る火の粉は払わないとね。じゃあ、いくわよ・・・坊や」
「こい!!!」
ここは裏路地じゃない。鉄アレイなんてもんもないだろう・・・・。なら勝機はある!
「無駄よ。私の愛はすごいんだから!」
ボゴォ
「へ?」
嫌な予感がする。なんだ今の何かがひっこ抜けたような音は・・・・。
「いきなさい!電柱!」
「電柱ぅうううううううううううう!!!!!??」
ドガン!ドガン!ドガン!
しかも生きてるみたいに的確に俺のいる場所を狙って落ちてきてやがる!なんだこいつ気持ち悪い。
「俺を殺さないんじゃないのかよ!」
「たぶん死なないんじゃない?」
「アバウトだぁああああああああああああああああ!!!!」
俺の全力疾走はまだ続く。
〇
「銀色の闇・・・・・起こすわけにはいかないな・・・・・」
「確かに。だがこのままではまずいな」
ここは商店街の一番小さい裏路地。暗くほとんど何も見えない。だがそこに人影が2つ。
「じゃあ、私は公園に気配を感じるのでそちらへ行ってみる」
「あぁ、俺はもう少しすすんだ先にでかい気配が2つある。そこに行く」
「お互い」
「頑張るか」
その人影はどこか遠くに消えていった。
お久しぶりです。
しばらく更新が止まってました。申し訳ございません。
さて、今回のタイトルは全力疾走。
今回は主人公が走ってばかりなので・・・・。
今回も短めになってしまいましたが時間があるときに長いのを書こうと思います。
でわ