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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第5章『狼と蝙蝠』
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第36話 HURRY

「天使・・・・・・」

「そうよーん、天使。どう?分かるかしらん?」

「でもまだ僕達、喜び悲しみ驚くことに天使化エンジェリングしてないよー」

「あぁ・・・じゃあ、したほうがわかってもらえるかしら?」


話が勝手に進んでいく中で俺はどうしようもなく焦っていた。前回、天使アンジェ、モカの2人と戦った時。あのときは完璧に負けた。今回もそうなってしまうのだろうか。


「あらー?静かね?何か悲しいことでもあったの?」

「喜び嬉しがってるんだよ。僕達のように美しい人に出会えて」

「嬉しいこと言ってくれるわね。井野宮くん」

「俺はまだ何も言ってないぞ」


それにしても話が進みすぎだった。ラーエイと名乗った方はまぁ、なんつーかすごいエロい。体つきとか。なんか全部含めて。


「つれないこと言わないの」

「そうだよ、きっと驚き嬉し照れ隠しだよ」


さっきから異様な言葉遣いでさらに自分のことを僕という天使アルミトルス。こっちは完璧子供だった。アンジェほどじゃないが、俺と同じかちょっと上ぐらいな感じ。2人とも顔は整っているので綺麗なのだがいかんせん性格がな。


「なんか失礼なこと考えてない?」

「別に」

「やっぱり喜び悲しみ照れ隠しなんだね」

「で、俺は急いでるんだが。何の用だ」


会話を進めることにした。どうでもいいことをしゃべっている暇はない。今、梨菜が頑張ってくれているんだ。みんなを止めないと。


「ちょっとばっかし、ね」

「うん、驚き悲しみ嘆いてもらおうと思ってさ」

「だから何の用・・・・・・」


その瞬間には俺の腹に鉄パイプが当たっていた。気配はなし。鉄パイプが気配を消しているようなありえない光景だった。


「がはっ・・・・・・」


俺は後ろに飛ばされ、そして転がる。口の中、血の味がする。きっと吐血したんだな。


「なーんだ案外あっさりしてるじゃない」

「ごほっ・・・がはっ・・・・ぐっ・・・・・・」

「アルミちゃん。ここは私一人でいいわ」

「えー、僕も喜び嬉し楽しみたいー」

「アルミちゃん」

「・・・・・はーい、じゃあ僕はもう先に行ってるね」


そう言った瞬間すぐに何メートルも先に移動していた。


「あっさりしてる男も嫌いじゃないんだけどー。もっとしつこいのも好きよ」

「ぐ・・・そ・・・。はぁはぁ・・・。何をした・・・・?」


場所は裏路地みたいな場所なので(近道しようとここを通った)鉄パイプならそこらへんにある。鉄パイプ自体は不思議ではないのだ。不思議なのは・・・・。


「鉄パイプ・・・自らなんで俺のほうに飛んできた・・・?」

「うーん、アンジェと戦ってるなら分かるでしょ?私の能力よ」


するとラーエイは踊るように回転しだした。


「愛・・・・・愛!私の力は愛なのよー!愛の力で私の虜にしたのー。私を愛してくれるものたちは私の言うことをなんでも聞いてくれるの」


いわゆる操る能力らしい。愛を与えたものは愛のためにいうことを聞いてくれるとかなんとか。


「てめぇは・・・・・・」

「そう!私はiの天使。愛の天使よ」

「くっ・・・・・」


なんとかして立ち上がろうとする。しかし手に力が入らない。さっきの一撃はかなりきいたようだ。


「立っても無駄よ。ここらへん一帯に私の愛を注入してるの。投げキッスでね。だからここらへんの

もの全てが私のいうことを聞いてくれるの。立っても無駄」

「ぐっ・・・・・」

「無駄って言ってるでしょ」


ボゴォ


「ぐあぁああああああああああああああああ!!!!」


腕がやられる。腕におもいっきり鉄パイプをぶつけられたのだ。今の音からして確実に折れたな・・・。

くそっ・・・・。しかも右手かよ・・・・。


「まだ・・・だ・・・・・・」


残った手で立とうとする。しかし・・・・・


「往生際が悪いわね」


ボゴォ


「ぎっぎぁああああああああああああああああ!!!!」


今度は左手。これで完璧に立てなくなった。腹のダメージも残っているし足だけでは立てない。能力があれば・・・・・。


「あれー?何もしてこないのね?アンジェの報告によると言霊使いだから手とか関係ないと思うんだけど・・・・」

「くそ・・・・・」


一応小声で守とか言ってるんだが・・・・効果がないということはまだ能力が戻ってないんだろう。


「まぁ、いいわ。君はここで寝てなさい。殺しちゃったらアンジェちゃんに怒られちゃうもの。ま、あなたの足どめということよ」

「待て!・・・・・どこに行く気だ」

「別にー私の勝手でしょ?じゃあねー、また会いましょう、井野宮くん」


その瞬間には姿は消えていた。


「ぐっ・・・・くそ・・・・・」


俺はまたも完璧にやられたのだった。


「こんなところで倒れてる場合じゃないってのに・・・・。ちくしょう・・・・・」


俺は自分が情けなかった。所詮この程度しかできない。ただの人間。


「助けてくれ・・・・・・俺を引き出してくれよ・・・」


俺は助けを求めていた。どこから助けてもらうのか。誰に助けてもらうのかまったくわからなかったが、俺は嘆いていた。


「助けてくれ・・・・・・・助けてくれ・・・・・立ち上がらせてくれよ・・・・・」


名前を呼ぶ。俺を立ち上がらせてくれるようなやつを。情けなくても・・・・・。


「モラル・・・・・・・・」


「何やってんの、あんた?気になって様子を見にきたらこんなところで遊んでいるとはね」


俺の近くにまだ幼い声が響いた。それは救いの声ではなかったと思う。


「モラル・・・・・・・」

「はぁ、まったく世話がかかるな・・・」


次元移動テレポート


すると俺の傷はみるみる治っていった。最終的にはまったくの無傷な状態だった。


「モラル・・・・ありがとう。でもこんな能力お前にあったか?」

「あんたの体を次元移動させたの。あんな状態になる前に戻したのよ」

「そう・・・か」

「無理しないで。どうせ止めても行くんでしょう」

「ああ」

「しかもあんた天使にやられたでしょ。それでも行くの?」

「ああ」

「私はもう次元移動使えないよ」

「ああ、お前は俺の帰りを待っていてくれ」

「まったく・・・あんな情けないやつが何をいってるんだか・・・・」


そういいつつモラルはもとの道に戻って行った。


「そういや・・・あいつらモラルがいる方と逆側に行ったな・・・。モラルが目的じゃないのか?」


俺はとりあえず走ることにした。みんなのもとに・・・・。たどり着けるように。

タイトルは急ぎです。


シリアスパートに入ったところなんですが、ここで区切らせていただきます。

次回からはタイトルに日本語がちゃんと入ります。


でわ

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