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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第5章『狼と蝙蝠』
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第35話 AGAIN AGAIN

俺はその後帰宅して、次の日を待つことにした。


『ピリリリリ』


「ん?電話だ」


液晶画面を見る。するとそれは真苗だった。


「真苗か?どうした?」

『最近会ってないと思って・・・。夜遅いけど話してくれる?』

「あぁ、いいぜ。話そう」


最近雑談ばっかりだなぁ・・・・と思いつつ話を聞く。


『け〇おん!って面白いよね』

「お前もそういうのは無視か!!」


俺のまわりはこんなんばっかなのかと頭を抱えた。しかしそういえばそうだったなと思いいたる。


『2期になっても面白さ、ゆるさは健在だよね』

「あぁ・・・・そうだな」


この話題は果たして通じてるだろうか・・・。


『特に最新話!もう感動して涙涙だよ・・・』

「そうだったなぁ!」


こいつは配慮というものを知らないのか。梨菜もそうだったが。しかし感想は同感である。


『卒業式ってどうなるんだろうね!私、泣かないで見れる自信がないよ』

「それは・・・・確かにな・・・・」


こっちの疲れが伝わらないのだろうか。


『私もギター始めようかな?』

「それはやめとけ!」

『そこは真面目な警告!?』


こいつのことだから一期の1年生時学園祭の澪状態になりかねん。ていうかこいつも名前未央だったな。


『君〇届けもいいよねぇー・・・。純粋でなんかこっちまで応援したくなっちゃうもの』

「お前はアニメの話をするために電話してきたのか?」


あれ?シリアスパートは?何それおいしいの?状態とはこのことだ。


『あ、こんな時間だね。ごめん少し長くしゃべりすぎちゃった』

「いや、いいよ。最近話してなかったし、俺も嬉しいよ」

『・・・・・・うん』


えらくためたな。相手のことなんで分からないけれど。


「じゃあな」

『うん、またね』


そして俺は通話終了ボタンを押した。


「結局本当にアニメの感想しか言っていかなかった・・・・」


今日もほとんど外ですごしたため、かなり疲れている。だから早く寝たいのだ。真苗とは癒されるので話していても大丈夫だが志野野辺は無理だな。


『ピリリリリ』


「えー、また電話かよー」


文句は言ったものの出ないわけにはいかない。液晶画面には委員長である木野白の名前が出ていたからだ。無視したら次会った時どうなるか分からない。


「もしもし」

『お、井野宮君か?時間あるかな?』

「あぁ、うん。で、何の話だ?」

『あぁ・・・・・実は・・・・・・・』


これはもしかしてシリアスパートとかいうやつか!このためは絶対そうだろ!完璧!もうこれで雑談はなしだ!もう俺が危惧しているようなことはおこらない!


『波〇球なら私でもできると思うんだ』


「何の話だよ!脈絡がなさすぎだろう!」


最悪な雑談パートだった。そしてお前の細腕じゃあうてないわ!どんだけすげぇパワー秘めているんだよ!


『いや、こうな・・・少し工夫すると・・・・・』

「電話じゃ伝わりませんけど!?」


何をしているんだ・・・・。家にいるんじゃないのかよ、こいつ。テニスコートにいるのか?


『おっと、すまない!宿題をしなければ!じゃあ、またな!』

「あぁ・・・・もういいや」


通話終了ボタン。


「もう寝させてくれ・・・・。辛すぎるわ。もう何もできない・・・」


『ピリリリリリ』


「あぁああああああああああああ!もう!!!!!!!!!!!!!!!!!」


この日寝れなかったのは言うまでもない。








「はい!もしもし!」


さっきのがあるため少し声を荒げて電話にでる。


『井野宮さん?なんか怒ってません?』


相手は梨菜からだった。


「いや、すまん。どうした?」

『実は暗き蝙蝠とシルバーウルフのメンバーが何人か行方不明らしいの』

「行方不明?どういうことだ?」

『お互いに8人ずついなくなってるらしいです。リーダー代理は携帯にかけたりしているんですがまったく繋がらないらしくって・・・・』

「そうか、わかった。じゃあ、今すぐ行く」

『いや、それだけじゃないんです!』


めずらしく声を荒げる梨菜。さっきの俺よりもでかい声だった。電話にでたときからかなり暗い感じだったから何かあったんだろうと思ったが、ビンゴか・・・?


『リーダー代理と仲間たちでシルバーウルフに戦闘をしかけるそうです!』

「!!」

『シルバーウルフの方も暗き蝙蝠に攻撃を仕掛けるらしくて・・・・』

「なんで!なんでそんなことになってんだよ!」


頭をよぎる銀色の戦闘。闇のような暗さ。思い出す。とてつもなく恐ろしい戦争を。二度とおこしてはいけない戦争を。


『このままじゃ銀色の闇が再びおこってしまいます!!!』


「ちっ!くそっ!どうする」


リーダーがいない今、被害はそこまでではないだろうが死人が出る可能性がないわけじゃない。しかも俺は能力を失っている。止められるかわからない・・・。


「何があって、そこまで話が飛躍するんだ!」

『たぶん。シルバーウルフの死人、暗き蝙蝠の重傷。さらに行方不明者。それらがリーダー代理に重くのしかかってたんじゃないかと思います。それでお互いのせいにして・・・』

「とりあえず、お前は危険じゃないところまで下がって・・・・」

『嫌です!私も暗き蝙蝠の一員!みんなを止めるために頑張ります!』

「そう・・・・か・・・・。分かった。だが無理はするな!」

『はい!では後で!』


さっきよりも緊迫した状態で通話終了ボタンを押す。俺は焦っていた。今回は俺一人で頑張らなければいけない。それに能力がないからだ。


「間に合ってくれよ!」


そして玄関から出ていく途中にモラルと会った。


「あれ?あんたこんな時間にどこにいくの?」

「ちょっと野暮用だ!」


モラルは今回無関係だ。巻き込むわけにはいかない。


「ふぅん。ま、助けてほしいときは電話ちょうだい」

「モラル・・・・・・」


なんでもお見通しらしいな。


「分かった」

「無茶はやめてね」

「分かった」

「必ず戻ってきて」

「分かった」

「もちろん、笑顔でね」

「分かった!」


俺は再び走り出す!もう迷わない!能力がないからなんだ!俺は俺だ!俺がしたいようにするに決まってんだろ!


「待ってろよ・・・・梨菜・・・・・みんな!」


俺は気付けなかった。リーダー代理やみんながそんなに追い込まれていたなんて。何もわかってなかったんだ。分からないのが当然だが・・・・それでもどうにかしなきゃいけなかったのに!


「あーら?そんなに慌ててどこにいくのーん?」

「!?」


すぐ近くに人がいた。しかも二人。数歩のところにいたのに気配は感じなかった。この時点でただものでないことが分かる。


「そんな怖い目しちゃだめよーん」

「そうだぞ!もっと喜んで悲しんで楽しんで哀れんで見ろよ!」

「誰だ、てめぇら・・・・」

「うーん、聞いたあなたから自己紹介しなさいな。私たちはあなたのこと知ってるんだけどねー」

「言い逃れはできないぞ!もっと楽しめよ!」

「ちっ・・・井野宮だ」


なんだこいつら。見たところ両方女みたいだが。


「ラーエイ・カナタリス」

「アルミトルス・アドバンテージ」


『天使』


「!!?・・・・・・天使・・・・・・」


皆さんお待ちかね!シリアスパートらしいぞ☆

タイトルは またまた。


またまた登場の天使。

それにまたまたおこるかもしれない銀色の闇。


うん、シリアスパートです。

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