第3話 ALONE
完璧にまずったな・・・・・。このままじゃ、防御はできても攻撃ができない。それは俺の弱点にも関係してることなんだ。
「こんにちわ、あなたが昨日ここで少女を助けた・・・・・」
「あぁ、そうだ。井野宮天十」
「天十・・・・いい名前ですね。私はムトー・ライゼン、錬金術師のムトーと申します」
「はっ、いい名前じゃねぇか」
「それはありがとうございます」
錬金術師だと・・・・・そんなものは知らない。やはり俺とは関係のない物語のようだ。
「生成『剣』。」
するとやつの手には普通の剣が握られていた。これが錬金術師・・・生成の力か・・・・・・。
「そうやって無限になんでも生成できるのか?」
「さぁ?どうでしょう。それはあなたには教えられません」
「敵だからか・・・・」
「その通り」
やつの服装は白いスーツに黒いネクタイ。髪は短く、神士という言葉が似合う男だった。
「では行きますよ!」
「くっ!」
すごいスピードで距離を詰められた。やつの剣がくると思った俺は転がるようにしてよけた?いいや、そんなことはしねぇよ。やつの剣をぎりぎりでかわし、かわしたスピードで俺も一気に距離を詰める!
「『打』」
俺はやつの耳元でつぶやいた。その瞬間やつはでかいハンマーかなにかで殴られたように吹き飛んで行った。あぶねぇ・・・少し剣がかすったよ・・・・。
「ふぅ・・・・・・なかなかやりますね。しかし手を抜くのはいけないと思いますよ」
「見破るとは・・・この前の色縦師とかいうやつとは違うな」
「あんなやつと同じにしないでください。あいつは色縦師の中でも最下級のやつです」
なるほど。階級なんてもんもあんのか。いい情報を得た。
「次は手を抜かないでくださいね。今度こそ死にますよ。生成『銃』」
「げっ!銃かよ!」
やべぇ・・・遠距離攻撃だと距離が詰めづらい。それにまわりの視線も気になる・・・。まわりにはたくさんのじゃじゃ馬たちがいた。
「まわりをきにしてるのですか?ご安心を。記憶は消えるようにしときましたんで」
「じゃあ、人を巻き込んだ場合、そいつは生き返るのか?」
「それはいなかったことになります」
!!こいつ今なんていいやがった・・・・?いなかったことにするだと・・・・そんなのそいつの今までの人生を全否定してるのと同じじゃないか!まわりを巻き込むわけにはいかねぇ。
「いきますよ!」
ダダダダダダダダダダダ!!!
「しかもその銃マシンガンかよ!『守』!」
俺の言霊が銃弾を止める。バチン、バチン!と音がする。何をしても無駄だ。そのときピシッ!と嫌な音がした。
「なっ!?」
俺の言霊にヒビが・・・・・!普通の銃のはずだろ!なのになんで!
「ですから本気できなさいと言ったのです。これは普通のマシンガンじゃないです・・・・・・」
1拍おいて・・・・・
「魔真眼。これは相手の一番弱い部分を見抜き、そこを連続的に攻撃する銃」
「なに!?」
ただの当て字のように思えたが、違う・・・。漢字の通りやつはあの眼で俺の言霊の一番弱いところを攻撃したんだ!
「これが私の錬金術です!さぁ!本気を出しなさい!」
「くそ・・・・・・・」
見かけが普通の銃なのになんて武器だ・・・・。間合いさえ詰められれば・・・・。なぜ、俺がさっきから間合いにこだわるのか・・・・それは、
俺の言霊は聞いたもの全てに作用する。
例えばさっきの『打』。あれは俺の打という声を聞いたもの全員に作用する。なので一般人が多い中、使うと関係のない人までやられかねないのだ。いや、聞こえたならば確実にやられる。だから間合いを詰めてやつの耳元で囁くしかないのだが・・・・・
「あの銃じゃぁな・・・・・・」
とてもじゃないが間合いを詰められない。とそこで俺の言霊の限界がきたようだ。もう割れる。
「終わりですよ、言霊使い、井野宮天十!」
パァン!
「がっ・・・・・・・・・」
俺は撃たれた・・・・・・。ひどい激痛が体を襲う・・・・・・・。
「最後まで本気を出さないとは残念です、井野宮天十」
くるりとムトーが後ろを向き歩き始める。その瞬間・・・・・・・・・・・
ダッ!
「!!」
「残念だったな!ムトー・ライゼン!俺は死んでねぇ!」
そう、俺はごく小さな声で『守』といっていたのだ。作用するのは自分。自分にさえ聞こえていれば相手に聞こえていなくとも、防御はできる!
「残念なのはあなたです。生成『砲』!」
なんとやつの背中から砲台が生成された。まさか、体からも生成できるとは・・・・
「これは本来はやっちゃいけないのですよ。激痛、吐き気、頭痛などを伴いますからね」
「じゃあ、なんで・・・・」
「じゃあ、なんでそんなことしたのか・・・・あなたを殺すためです!」
ドガンッ!
砲台の弾をモロにくらった俺は、派手に吹き飛ぶ。腹に大きい一撃をもらってせいで、吐血とせきが激しくでる。
「がはっ・・・・ごほっ・・・がぁ・・・・・・くっ・・・・」
俺の吐いた血は地面に落ちる前に止まった。
「生成『剣』」
「なっ・・・・・あぶねっ!」
俺の血が剣になった。そして俺を襲う。事態が飲み込めない。どういうことだ・・・・。
「私は血の錬金術師。血から力をもらい物質を生成させるのです」
「なん・・・・・だと・・・・・」
俺が攻撃すればするほど、攻撃されればされるほど不利になるってことかよ・・・・。それじゃあ、俺は何もできないのか・・・・・。
「それであんたは諦めるの?」
「!?」
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。この声は・・・・・・・・「非日常」の少女の声。
「バカ野郎!お前何できてんだよ!」
「悪い?」
「悪いとかの問題じゃねぇだろうが!」
「おやおや、仲間割れですか?」
「仲間じゃねぇ!俺はこいつを知らない!」
「よくそんなこと言えたわね!あんた昨日も会ってんでしょう!」
「仲間割れは結構ですが。モーラ・ルーレト、あなた自身が出てきていいのですか?」
モーラ・ルーレト?それがこいつの名前なのか?いや、今はそんなことどうでもいいか。
「私は別にこいつに守ってもらってるわけじないの。だからいいのよ」
「ではおとなしく捕まってくれるのですか?」
「そういう風に見える?」
「・・・・・・・・ふふ。おもしろい。ならば私とお手合わせ願いたいです」
錬金術師は剣を構えた。これからどんな戦いが行われるんだ?あの言い方だと少女の方もとてつもなく強いはずだ。これはもしかしたら・・・・いけるっ!やつに勝てる!
「ざーんねん。私じゃなくて相手するのはこいつよ」
「俺の勝利確信を返せ!なんでお前が戦わないんだよ!」
「私なんかが勝てると思う?」
「自分で言うな!」
はぁ・・・・結局、俺が戦わないといけないのか・・・・。この通行人たちがいなければな・・・・。
「なに?あんた。昨日みたいにさっさとぶっ飛ばしなさいよ」
「お前、簡単に言うが、このまわりの通行人を巻き込まないようにして戦うのは難しいんだぞ」
まわりのやつらは通行人というかもう、じゃじゃ馬といったほうがいいと思うが。警察がきたりとかしないのは俺らの奇怪な技のせいでうまく説明できないからか。
「なに?あんた、まわりなんて気にしてたの?」
「そりゃあ、気にするだろ。殺すわけにはいかない」
「なんだ。じゃあそう言ってよ」
「は?」
なんだ?言ったら何か起こるのか?と思った瞬間、周りが光に包まれ・・・・・・・・・・・・・・・
光が消えたときにはまわりには誰もいなく、木や草が生い茂っていた。
「ここは?」
「無人島よ。ここなら誰もいないわ」
「無人島だと・・・・どうやってきたんだよ・・・・」
「私の次元移動を使えば」
こいつそんなものを使えるのか・・・・・。ほんとにこいつすごいやつなんじゃなかろうか。
「さすが、天を使うものです。ですが移動したところで何になるのです?」
「こっからが俺の出番ということか・・・・」
「そうよ、ケチョンケチョンにしてやりなさい!」
今の俺には何も制限がない。
「おい、そこのお前、耳ふさいでろ」
「私?わかったわよ」
「準備はいいですか?言霊使い」
「いいぜ!来な!今度は手加減しねぇ!」
なんか思ったよりバトルが長引きますね。
ちなみにタイトルのALONEとは孤独、一人という意味です。
何が孤独なのか?
それは少女がテレポートした先が・・・・・だからです!
まだ読んでない人のためにネタバレはしません。
でわ読んでくれてありがとうございます!
まだまだ続きますよ!