~INCAPACITY~
『シルバーウルフ』。
昔、井野宮天十などが住んでいるところ、北海道札幌市で名を広げていた不良集団。白い学ランにリーダーは頭に白いハチマキ。人数がかなり多く、一人ひとりの戦闘よりも集団戦闘が得意なチーム。その攻撃は荒れ狂う狼のように激しい。
『暗き蝙蝠』
同じく北海道札幌市で名を広げていた不良集団。ほぼ全員が黒い服装をしているが服の種類までは決まっていない。リーダーは袖がダボダボな服を着ているらしい。一人での戦闘が得意で人数は多くない。武器の扱いを得意としており、様々な武器を使う。
昔、この2チームは喧嘩をはじめた。それは喧嘩というには大きすぎて、戦争といえば小さすぎるようなもの。2チームの力は均衡していてなかなか決着もつかなかった。
物は破壊され、人は傷つき、天気も荒れたという恐るべき事件。
『銀色の闇』
2チームの名前からとったその名前。事件の総称である。
〇
「あぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
俺、井野宮天十は部屋で叫んでいた。おぉっと、気が狂ったんじゃないし、頭がおかしくなったわけでもない。そこらへんは理解してほしい。
「ど、どうしたのよ!!!」
ガチャ!っと乱暴にドアが開けられ、モラルが入ってきた。鍵をかけるの忘れてたなぁと思うのと同時にモラルに説明をはじめた。
「いやぁ・・・なんかさ・・・・・・言霊使えなくなっちゃった・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ!?」
そう、言霊が使えなくなってしまったのだ。なぜそれに気づいたか。戦ってもいないのに言霊をなぜ自分の部屋で使おうとしたか・・・・・・。普通に物をとりにいくのが面倒だったので飛で移動しようとしました。ほんとすんません・・・・。
「心当たりはないの?」
「心当たり・・・ねぇ・・・・・」
強いて言うなら・・・・っていうかやっぱりアレのせいだよね・・・・・。
「この前の天使との戦いのときさ・・・・限界まで言霊使ったからだと思う」
「あぁ・・・あの時の御子柴飾とかいうやつね」
そう、あのときの俺は限界だった。なのに戯言を使うと・・・まぁ・・・・こんな感じになるんだろうな。
「やべぇな・・・ここで敵に襲われたら、俺はお前を守れない・・・・」
「何言ってんの?体を盾として使えばいいでしょ?」
鬼!この鬼!ちくしょう・・・ほんとになんもできないや・・・。
「治しかたは知ってるの?」
「うーん・・・・まったく知らない」
「そう・・・・・なら気長に待ちましょう」
「いいのかよ。敵がおそってきたりしたら・・・・」
「大丈夫。天界のやつらはもう一回作戦を立て直すと思うし、ランドバハドでは天使と戦って生きた。という噂が広がっていると思うわ。だからどの組織もしばらく手をださないと思う」
「そうか・・・・」
だがやはり不安であった。いつおそわれるかわからないときに鎧をなくしたと同じことだ。確実に殺されるに決まってる。
「でもあんたこの前から思ってたけどパンチ一発で相手を気絶させられるなんて十分すごいわよ」
「腕っぷしだけは自慢なんだ。昔、俺金髪だったからさ色々なやつにからまれたおかげだよ」
「あんた・・・・意外とすごい人生送ってるわよね・・・・」
「お前が来てる時点ですごい人生だと思うよ」
俺は日常が大好きだ。能力がなくなったのだから喜ぶべきだろうけど・・・。なにかさみしい。あれは俺にルナがくれたものだから・・・かな?
「あんた学校はいいの?」
「うぉ!やべぇ!今日から夏休みの講習があるんだ!ってお前もだろ!」
「私は準備できてるわよ。天十を呼びに行こうと思ってここに来たんだから!」
そうだったのか・・・・。と思いつつ俺は準備をする。筆箱・・・教科書に・・・・あれ?
「予習すんの忘れてたー!!!!!」
「知らないわよ。そんなの」
「だって一昨日は海から帰ってきたばっかりだし、昨日は疲れて1日中眠ってたし・・・」
「知らないって言ってるでしょ!諦めてはやくいくわよ!大人しく先生の説教をうけなさい!」
「いーやーだー!!!!!!!」
こんな日常でもいいのだろうか・・・・。今日の講習担当の先生めっちゃ怖いんだよな・・・・・。説教なんて嫌だーーーーーーーー!!!!
俺は泣きながら登校した。
タイトルは無能です。
夏まっさかり!暑いところは大分暑いですよね。
というわけでプロローグ。
もうプロローグが5つ目なんですね。
読んでくれている皆さん、本当にありがとうございます!
でわ