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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第4章『天使襲来』
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第27話 WEAKNESS

天使化エンジェリング


完全な天使へと姿を変える儀式のようなもの。


天使の強さはどの世界にも影響を与える。


災害、人の乱れ、人口増加、生物の成長停止などなど様々である。


そのため天使は力をおさえるようにしている。


それを解くのが天使化。









天使化エンジェリング・・・・?」

「私もあんなの知らない・・・・・・・・」


するとモカの口がゆっくりと開いた。嘲笑うように。無感情のように。罵倒するように。


「モーラ・ルーレトはその部分の記憶を抹消されてますからね」

「!?」

「そんな・・・・・・なんで・・・・?」


モカは決まり文句のように淡々と話した。


「それほどあなたの天使化した力は厄介だということです。敵に利用されたら大変ですし、記憶を消してあるんでしょう。この説明をしたところであなたは天使化のやり方を思い出すわけではないでしょう」

「くっ・・・・・・・」


エンジェリング・・・・。世界へ影響を与えないように作られた制限リミッター。それが今解除される。・・・・・・・・・・やばいことは十分伝わった。


「でもお前ら天使が世界に気をつかう必要があるのか?お前らどうせ世界なんてどうでもいいと思ってんだろう」


自分で言ってておかしいなと思うようなことだが天使ならそれぐらいやりそうだ。


「我が主、『せかい』が作ったものですよ。それをなぜそのしもべである私たちが壊さなければならないのですか?」


うー・・ん。確かにその通りだな。あれ?こいつ神のことなんて呼んだ?


「この世界が作り直されるまで大事に保管しなければ・・・」

「ん?何か言ったか?」

「いえ、なんでも」


「モカァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!結界は!?」


アンジェの声が聞こえる・・・。


「大丈夫です。強くはりましたので世界に影響はないかと」


「うっしゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


光が爆発する。俺は思わずまぶしさに目をつぶる。


「なん・・・・・・だ?」


光がおさまったとき、その場にいたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







天使








「ギャハハハハハハハハハッハッハハッ!!!!!後悔しろよぉ!ザコがぁああああああああ!!」


天使。完璧な天使だった。光の輪、羽、そして神々しく光る全身。全てが天使だった。言葉づかいはアレだが・・・・。


「ちぃ!まずいな!モラル!お前は避難しろ!!!」

「天十をおいて行けるわけないでしょ!私がいなくなったらあんたどうやってここから脱出するのよ!」


そういえばそうだった・・・・。ここはもう地球じゃないんだもんな・・・。でもモラルを死なせちまったら・・・・。


「いや・・・あいつらはモラルを必要としていた・・・。なら殺さないか・・・・」


まだ完璧な結論ではないが俺は納得することにした。いや、これが完璧な結論か。


「後悔したかぁ?」

「生憎、俺には後悔しかないんでね。今ここで特別に後悔はできないのさ」


そう、俺は常に後悔している。あのときから・・・・ずっと・・・・・・・・。


「そうか・・・・・・なら・・・・・・・・・・・・・死ね」


その瞬間天使アンジェが消えた。俺は首をめぐらせ探すが見当たらない。どこにいったんだ?


「こっちだよ・・・・!」

「!!!」


やつは俺の後ろに回り込んでいた。俺はまったく気付かなかった。後ろに回られたこともそうだが回り込まれたあと、後ろにいたことにも気付かなかったのだ。


「ちぃ!錬金術!生成『ソードリアル』!」

「ほぅ、成言飛ばしではない剣か・・・・なかなかなものだな」


俺はとっさに剣を振った。しかしそれは天使にあたることなく空を斬っただけだった。


「剣を扱いなれてないみたいだな。そんなんじゃ生き残れねぇぜ!」


またさらに後ろに回り込まれていた。そしてアンジェの手は剣に変化。俺の成言つきの剣よりはるかに豪華ではるかに大きく、はるかに堅く、はるかに鋭利だった。


「死ねっていってんだろうが」

「くっ!」


アンジェが剣を振る。それは俺に当たらなかった。とっさに守でガードしたのだ。盾と剣。大きさ的にも厚さ的にも盾が有利・・・・・・・・だった。


「きこえなかったのか?」

「なっ!?剣が盾を斬り裂こうといている・・・・?」


剣が徐々に、バターに刃を入れるように斬られていく。俺はとりあえず飛で飛ぶことにした。


「飛んでも無駄だぁ!!」


アンジェは俺の飛を上回るスピードで移動する。俺の移動する予定だった場所に先に行かれた。このままだと自らアンジェに飛びこむことになる。


「『路線変更チェンジ』!」

「飛の戯言ざれごとですか・・・・。もう使いこなしているようですね」


俺はぎりぎりで路線変更し、地面に降り立った。


「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・・」

「どうしたぁ!もう疲れたんですか!?はっは!なっさけねぇな!」

「うる・・・・・・せぇ・・・・・・」


体力の限界。戯言、多言は体に負担を負わせる。それは普通の言霊の何倍もの力。本来戯言も多言も気持ちで威力が変わるが、だからといって体力の減りが変わらないわけではないのだ。


「それよりいいのか?」

「あぁ!?何がだよ」

「俺の直線上にいるぜ、お前」

「だからなんだ。いまさらお前の言霊はあたらないし、戯言も多言もその場からは出せないだろ」


そう、戯言も多言も相手を斬ろうと思う気持ちが高くないと使えない。だからそのために実際に斬る必要があるのだ。


「まさか、俺が人間っぽいという理由で手加減してるんじゃねぇよなぁ!?」


それは違う。俺にはもう殺さないように手加減することはできない。でも殺さないようにする気持ちもどこかにある。だがとりあえず相手を弱らせてからじゃないと・・・・。


「まぁいいや、ほら俺はここから動かねぇから攻撃してみろよ!できるんならな」


俺は剣を構える。確かにこの位置からは飛でも使わない限り届かないだろう。飛は相手に攻略されてるし。だったら答えは一つ。


「戯言・・・・・『斬破ざんぱ・うねりぐも』!!!!」


遠距離攻撃しかないだろう。


うねり雲は衝撃波を飛ばす技。うねるようにしながら進むためそのような名前になった。というか昔の世界のやつに勝手に付けられたんだが・・・・。


「なっ!遠距離攻撃だと!?」


アンジェは驚く。とっさに構えようとするがしかし生身対衝撃波。衝撃波が有利すぎるぐらいだ。


ガリガリガリガリ


腕を刻む嫌な音が聞こえる。


「くっそがぁ!!!!!!!!!」


ガリン!


アンジェは無理やり衝撃波から体を離した。その結果腕にはひどい傷が残っている。


「はぁ・・・・はぁ・・・・・てめぇ・・・・・・・」

「どうした?天使。もう疲れたのか?」


俺は同じ言葉をぶつけさせてもらう。


「なっさけないな」


「くっそぉおおおおおおおおおおおおおおお!死ねぇええええええええええええええええ!」


引き金が引かれたらしい。やつのまわりには無数に巨大な氷の杭がある。


「串刺しになれぇええええええええええええええええええ!!!!!!」


俺はまた剣を構える。刃を下に。柄を上に。上下左右が分からない子供のような、酔っ払いのような手つきで剣をまわす。


「多言・・・・・『斬破・千鳥足ちどりあし』!!!!」


シュババババババババババババババババババッバババ!!!!!!!!


氷の杭は全て氷のかけらへと変わっていった。


「な・・・・なんで・・・・・・・・」


千鳥足は酔っ払いのおぼつかない足取りのようにどこへいくか分からない斬撃を大量に繰り出す技。これは衝撃波ではなく実際に全て斬っていると考えた方が正しい。


「ざっと本気をだせばこんなもんだな」


これは強がりだった。体力がなくなりすぎて息をするのも難しい。苦しいし、体中が痛い。立っているのがやっとだった。


「まだだ・・・・・・まだやる!」

「くそっ!降参してくれなかったか・・・・」


もう降参するかと思ったがやはり無理だった。


「戯言!『斬破・うねり雲』!」

「それと同じ威力の衝撃波をぶつければいいんだろう」


すると天使は手を剣に変え、攻撃してきた。衝撃波を飛ばしやがったのだ。


「お前もできるのかよ!」


バシュゥウウウウウウン!


普通に相殺。正面向かい合っての攻撃は俺に不利だ。もうあといくつ戯言を使えるか分からない。


「簡単じゃねぇか!この腕の傷!こいつをつけた分、お前にもくらわせてやるよ!」


ピンチをチャンスに。そんなことできるやつらが主人公なのだ。俺は残念ながら主人公じゃない。だから・・・・・ピンチはピンチのまま。


「お前に見えるか?この斬撃」


シュババババババババババ!


「ぐふっ!がはぁ!!!!!」


天使は俺の目の前に移動しすさまじい斬撃を繰り出した。超人でもない俺は大人しくそれをくらうことしかできなかった・・・・。


「天十ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


モラルの声が聞こえる。すまないな。俺はまだ弱かった。

タイトルは弱さ。


どうもこんにちわ。花澤文化です。

もう夏ですね(^v^)

大分生きるのが辛いです(笑)


でわ

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