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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第1章『始まった物語』
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第2話 LIFE

天十てんと、私と一緒にこの世界を救いましょう」

「あぁ、俺にできることならなんだってするさ」


・・・・・・・・・・・あぁ、これは夢だな。俺があることを思い出すと必ず見る夢。


「天十!私はいいから、あなたの言霊ことだまで人を守って!」

「そんなわけにいくかよ!お前も他の奴らと同じように大切なんだ!」


「その言葉を聞けただけでもよかったわ。ありがとう・・・・さようなら・・・・」





「はぁ・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・」


寝起き最悪。俺、井野宮天十いのみやてんとは起きるとかなりの量の汗をかいていた。昨日嫌なこと思い出しちまったからな。


「さて、学校に行かないと・・・・・」


俺はとりあえずシャワーを浴び、朝食を食べ、洗顔、歯磨きと朝やるべきことをやって鞄を持った。


「あいつなら今頃元気でやってるよな」


これは夢にでてきたあいつ・・・にむけた言葉じゃない。昨日たまたま会った、あの小さな少女に対しての言葉だ。結局、俺は自分の失敗。ヒロインを死なせたことを打ち明けた。なんとも格好が悪いが、しょうがなかった。そのおかげかその少女はついてこなかったしな。


「これでいい。俺は後悔なんてしない。もう一生分の後悔をしたからな」


俺は自分に言い聞かせるように言って、ドアノブをひねり、外の世界へと歩を進めた。





放課後。俺はいつものように帰り支度をしていると横から声がかかった。


「よぉ、井野宮。今日遊ぼうぜー」


黒髪のツンツン頭。それに頭の悪そうな顔。だらしない学ランの着方。こいつは俺のクラスメイトの志野野辺雄大しののべゆうだい。1年生でバスケ部だ。


「お前、今日は部活ないのか?」

「今日はない。だからお前を誘いにきたんだよ」

「悪い。俺、今日はどうしても遊べない」

「そっか。じゃあ、また誘うな!」

「あぁ、ほんとうにすまない」


あいつはたまに俺がこういう感じになる時、そっとしておいてくれるんだ。何も聞かずにな。暑苦しいぐらい男らしいやつなんだ。


「うぉお!俺、今日部活あったんだった!」


とてつもないバカなところ以外はいいやつだと思う。部活は忘れるなよ。俺は席を立ち、玄関まで行った。ちなみに俺は帰宅部なので部活はない。


「夕飯まで時間あるし・・・勉強っていう気にもならないよな・・・・」


そう言いつつ、歩き出した。そしてそれと同時に昨日の色縦師しょくじゅうしについて考えていた。俺は色縦師を一度も見たことがなかった。それはつまり、あきらか俺が出ていた物語とは別のもの。すなわち、俺が干渉してはいけない物語のはずだ。


わかりやすいようにまた例をだそう。

ゲームでレベルが100になった主人公が違うゲームでそのまんまの装備、レベルで主人公としてでていたら驚くこと間違いないだろう。そんな感じなんだ。俺を主人公とした物語はもう全クリした。その主人公が他の物語に出るわけにはいかない。そして俺といても安全は完全じゃない。


昔、ヒロインを死なせちまった・・・その過去が俺に重くのしかかる。


「色縦師・・・・ねぇ・・・」


見たところ、属性すなわち色を操るやつだった。俺と戦った時は炎しか出してなかったが、他にも雷、水などといろいろ出せたはずだ。ってことはあれが全力じゃないというわけか・・・・。


「あれー?井野宮君だー」

「真苗?どうした?」


この茶色い髪にポニーテール。優しそうな顔で可愛い感じのおっとり系の女の子が真苗未央まなえみお。まぁ、クラスメイトだ。


「さっきねー、志野野辺君が探してたよー」

「あぁ、大丈夫。ちゃんと会ったから」

「よかったー」

「ちなみに真苗。お前探してっていつ言われたんだ?」

「1時間前ぐらいかな?」


こういうやつなんだ。どこか抜けてるというか天然というか。ちなみに俺とこいつは中学のころからの付き合いなのでこういう会話ができる。ま、特別な関係ではないがね。


「とりあえずさんきゅ」

「いえいえ、どういたしましてー、じゃあね」

「真苗!またうちにでも遊びにこいよ」

「ふぇえ!?・・・・それはつまり・・・・・恋人として・・・」

「クラスメイトとしてだよ。その冗談もうそろそろ慣れてきたぞ」

「冗談じゃないのに・・・・・」

「ん?」

「なんでもないっ、うん、また行くねー」


そうやって真苗と別れた。まったく癒されるな、あいつは。おっとりとした感じは実にいい!うん、ストレスがたまらないからな。そうやって考えながら俺は帰宅した。





「なっ!なんでお前がいんだよ!」


俺は帰宅そうそう声を荒げていた。なんでかって・・・・昨日の「非日常」が・・・・・


「なんか文句ある?私はあんたについていくことにしたの」


「非日常」が俺の部屋にーーーーーーー!!!


「でてけっ!はやくでていけ!」

「嫌よ!あんたが私を認めるまで!」

「最初から認める認めないの話じゃねぇんだよ!!」

「うるさい!私はここにいる!」


なんて頑固な女だ・・・・。こういうのをツンデレというのだろうか。いや、デレないからツンばっかりのめんどくさい女ということになるか。


「俺はコンビニに行く。それまでに部屋を出て、どこかに行けよ」

「さーて、どうかしらね」


俺は部屋を出てコンビニへと急いだ。歩いて5分のところにあるので、今回は近道もせず、逆にゆっくり歩いていった。


「はぁ・・・あいつはなんなんだ」


俺の話をきいてなかったのだろうか・・・・。俺は・・・・・・・・・・。


「生成『ソードリアル』」


その瞬間俺の真上から剣がかなりの量降ってきた。どうなってやがる!?いきなりなんだっていうんだ!!


「『しゅ』!」


俺は言霊の見えない壁で防御した。次々と剣が弾かれていく。まだ続く、まだまだ落ちてくる。なんだ・・・この量は「異常」だろ!俺は知っている・・・・こんな「異常」を作り出せるのは・・・


「『非日常』側の人間・・・・・・・・・!」


昨日に続いて今日もかよ・・・・。今回は裏路地なんかじゃない。普通に表にある通りで時間はまだ5時。暗くもなっていない。このままじゃまずいな。通行人もすごい量だ・・・・。


「ちっ・・・・・・・・・・・・」


なぜ、俺がこんなにも焦っているのか。それは俺のこの「異常」な能力を見られるからとかそんなんじゃない。下手すれば・・・・・・・ひどい惨状になる・・・・・。


そう、俺の言霊ことだまにも弱点があるのだ・・・・・・。

というわけで最新話です。


いろいろと最初なので説明くさくなりますが、もう少ししたら、スムーズに進むと思います。


推測屋のほうもどうぞよろしくお願いします。

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