第23話 SERIOUSNESS
海2日目。
「さすがに疲れがたまってきてるな」
「俺は平気だ!井野宮は軟弱だな、はっはっは!」
「目が笑ってねぇよ」
そりゃあそうだろう。昨日は結局かなり遅くまで肩をもんでいた。疲れるのも無理はない。
「女子陣は元気だな」
「やっほー」
「今日もあそぼー!」
くそ・・・・・どういう体の構造なんだよ。
「井野宮、少し話があるんだがいいか?」
「ん?あぁ、話す方が疲れないし、いいぜ」
俺らは少し歩いて、女子から離れた場所にきた。それにしても人が多い。どうにかしてくれないかな。
「『銀色の闇』について聞きたいんだ」
「『銀色の闇』?そんなことについて知りたいのか?」
『銀色の闇』。
昔、俺が中学3年の時。地元の不良軍団『シルバーウルフ』と『暗き蝙蝠』の戦い。結局ケンカなのだけれど地元ナンバー1を争うケンカはケンカの域ではとどまらなかった。それは一般人をも巻き込み、物を破壊し、命を奪う壮絶な戦いだった。そのケンカはケンカとは呼ばれず、皆は
『銀色の闇』
と呼んでいる。なぜ俺がこんなに詳しいかというとその戦いには俺も軽く関係あるんだよな。その戦いを止めるために少し動いたのだ。
「で、何について知りたいんだ?」
「その『シルバーウルフ』と『暗き蝙蝠』の人たちは今でも元気なのか?」
「あぁ、すごい元気だと聞くけど」
「そうか・・・・・」
「それだけか?」
「それだけだ」
なんやねん。それだけかよ。まぁ、こいつそういうの大好きだからな。不良の戦いとかそういうの。そして『シルバーウルフ』と『暗き蝙蝠』のリーダー今行方不明らしい。志野野辺はそのリーダーを探してインタビューしようとした時もあったっけ。見つからなかったけどな。
「さぁ、あそぼうぜ、井野宮!」
「さっきの話聞いてた!?」
「え?人々は無事だって・・・・・」
「そこじゃない!その前だよ!まぁ、いいや」
俺らはさっきいたところに戻るため、歩き出した。
〇
「井野宮君どこいってたのー?」
「いや、トイレだ、トイレ」
「木野白泉!俺と水泳勝負だ!」
「ふふっ、いいだろう。ここで決着をつける!」
「昨日のアニメ」
「天十ー、じゃなかった井野宮君ちょっといい?」
なんだこれ。みんな自由すぎだろ。真苗は友永さんとアニメ見てるし、俺はモラルのところへといった。
「どうした?」
「なんか嫌な予感がするのよね」
「嫌な予感?」
「あんたによくないことが起きるかも」
「どこの占い師だよ!」
「いや、ほんとにほんと。だから・・・・その・・・・・・ちょっと一緒に遊びましょう」
え?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ、なるほどまったく素直じゃないな。俺と遊びたいだけだったんだな。
「いいぜ。何して遊ぶ?」
「うんとね、大人のあそ・・・・・・・・」
「やめなさい。それ以上言ってはいけません」
こいつ何を口走ろうとしてたんだよ。
「それは誰に聞いた?」
「いや、委員長さんがこれをすれば仲良くなれるって・・・・・・・・・・」
あのやろー!何教えてんだよ!汚すんじゃない!
「まってろ委員長。やってやる」
「やるって何!?」
俺は委員長打倒の決意を胸に立ちあがった。
〇
「ヒャハハハハハッ!いいねぇイイネェ良いねぇ云いねえ言いねぇ井伊ねぇ!!!俺の大っきらいな日常、平凡!そんな香りがするぜぇ!」
「そんな言葉使いはやめなさい、アンジェ。女の子でしょう」
「モカ、お前も人のこと言えないぐらいおかしいぞ。目はちゃんと開けろよ。俺、モカが目を開けたところみたことないぜ」
「私に今、目は必要ないのですよ」
白いワンピースにブラウン色のロングヘアーの2人は少し離れたマンションの屋上から見ていた。
「ヒャッハァアアアアアアアアアアアアアアア!これからが本当のシリアスパートだっ!」
タイトルはシリアス。
それにしても暑い!
でわ