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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第3章『信じたかったもの』
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第20話 SAVING

俺は・・・・・・・・・・・。


『天十・・・・・・・・・・』


ルナか・・・?なんでルナの声が?どうして・・・?あぁ、そうか。



俺は死んだのか。



ルナ。ようやく会えるんだな。待ってたんだぜ、このときを。


『あなたはまだこちらにはこれません』


何言ってやがんだよ。俺はもう死んだんだ。そこへ行けるはずだろ。ルナ、お前まさか・・・天国に行けてないのか?まだ流れてるのか?「時空の流れ」に。


『そういう意味じゃありません。まだあなたにはやることがあるでしょう』


やる・・・・・こと?そう・・・・・か・・・・俺は・・・・・・。


『私よりも小さくてまだ弱い。そんな彼女をおいていくのですか?』


俺は・・・・・・・・・俺は・・・・・・・・・・・・・俺は!


「バカー!!!死ぬなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


!!この・・・・声は・・・・・・・・・・・・・モラル・・・・?


「あんたが死んでどうするの!?このあと勉強会でしょ!!!」


ふふっ・・・。そうだったな。真苗を待たせるのも悪いし。じゃあな、ルナ。


『ちゃんと守ってあげてくださいね』







「無理だよ。お嬢ちゃん。その胸に開いた穴。赤い血。そいつは死ん・・・・・」

「死んでない!こいつと約束したんだ!このあと勉強会やるって!」

「ははは、それはそれは。悪いな。約束破らせるようなことしちゃってさ」

「絶対天十てんとはくるんだ!!!!」

「勉強会とやらにか?そいつは無理・・・・・・・・・・・・・」





「・・・・・・・じゃねぇ・・・・・・・・・」




「!!」




「無理じゃねぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」




「まさか・・・こいつ!」

「天十!」

「ったくおかげで三途の川を渡るところだったぜ」

「お前・・・でも傷が・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

「傷?なんのことだ?」

「胸に開いた穴が・・・・・・・きれいにふさがってる。衣服に血すらついてない・・・」


俺にはなんのことか分からないが、ルナが助けてくれたんだろうな。きっとそうだと信じてる。あいつは俺を・・・お前を救えなかった俺を救ってくれたんだ。


「もう死ぬわけにはいかねぇ。それどころか傷一つだってつくわけにはいかない」

「無駄だ!俺は錬金術師!ここの廃校になった校舎の教室全体を銃で包む!」

「モラル!次元移動を頼む!どこか・・・植物で覆われた場所に!」

「分かった!次元移動テレポート!」



光に包まれる。俺は必死に考えた策で挑む。負けるわけにはいかない。



「何だここは!?」

「次元移動で移動したんだ。こいつの能力でな」


移動した場所はホントに植物だらけの島。見渡す限りの緑、緑、緑。太陽が照りつけちょっと暑い。


「ここに移動したとて俺の勝ちは変わらんぞ」

「変わるさ」

「『四方拳銃オールサイズガン』」

「撃ってみろよ。その瞬間お前の負けだ」

「ふざけたこというな。少年。ここらで諦めてくれないか?」

「なぜ?」

「俺はお前を殺したくない。いや、人を殺したくない。お前が諦めるなら・・・・・・・いや、悪い。今のお前は戦士の顔をしている。そんなやつにこんなこというのは失礼だな」


俺は拳をつくる。強く握りしめる。やつを殴る準備だ。


「ではさいなら。少年」


ズガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!


一斉に撃ちこまれる。これをかわすことは無理だ。ならかわさなければいい。


ヒュンッ!


「!!」


弾丸は全て俺の体を貫通していった。ただ貫通したんじゃない。なぜなら俺は無傷だから。


「どういうことだ・・・!何をした!!!」

「ここは植物しかないような島。あんたの弾丸が全て二酸化炭素でできているなら・・・・」

「植物の光合成か!?」


光合成。植物が日光にあたると葉緑体がおこす現象。二酸化炭素を吸い、酸素を吐く。やつの弾丸は俺を貫通する前に植物に吸われたんだ。だから薄くなった弾丸は俺の体をすり抜けていった。


「『飛』」


パァン!


空気が爆発する。俺は間合いを一瞬で詰め・・・・・・・


「悪いな。おっさん。俺にもやらなきゃならないことがあるんだよ!!!」


バゴォ!


「グッ・・・はっ!」


おっさんを思いっきり殴りつけた。死にはしない。でもそれでいいのだろうか?いや、いいんだ。何も考える必要はない。殺す必要はない。ただそれだけ・・・・。それだけのことなんだ。






「井野宮君遅いよー」

「いやー、悪い悪い」

「この人探しに行ったら地面にいるアリを観察してたんですよ!まったくこのバカ・・・・」


おいおい、猫かぶれてねぇしその説明はどうなんだ。アリを観察って。一応高校生なんだが。


「私もよくそういうことあるよー。かたつむりさんとかね」


こいつも一応高校生なんだが。


「ま、とりあえず勉強しようぜ」

「うん!さっそくなんだけどこの問題が・・・・・・」

「げっ!数学かよ」

「なにそんな問題も解けないんですか井野宮さんは。まったくクズですね」

「なんで俺がそんなに責められるの!?」


この時間はいい。安心できる。やはり日常が一番なんだな。


「俺は文系なんだよ!国語なら完璧だぞ!」

「現国やってみなさいよ」

「やってやろうじゃねぇか!」

「あははー、二人とも仲いいね」


この日常はいつまで続くのだろうか。永遠がいい。永遠に退屈でいいんだ。そんな日常が俺は大好きなんだから。この日常が壊されるようなことがあれば・・・・・俺はどうするんだろうか?分からない。知りたくない。分からなくていいような気がした。





「やられちまったか、あの親父」

「しょうがないですよ。それと汚い言葉を使ってはいけません。女の子でしょう」

「ちっ!これで俺が行かなきゃいけねぇじゃねぇか!」

「文句をいってはいけません。まず俺というのはやめなさい」


2人の女の子がいた。どちらも綺麗な顔をしているが、乱暴な言葉使いの方はしかめっつらで鋭い眼光。丁寧な方は常に目をとじている。身長は150後半。ブラウン色の長い髪の毛。白いワンピース。


「まぁいい。俺で確実に仕留めるぜ」

「アンジェ、大丈夫ですか?」

「心配すんな、モカ。俺は剛腕のアンジェちゃんだぜ!」

「そんな二つ名付けられてないでしょう」


もう時は夜。その夜の暗さが目立たなくなるぐらいの闇がそこにはあった。



今回のタイトルは救いです。


とうとう20話ですね!

そして更新が遅れてしまってすみません!

次回からは4章なので頑張ろうと思います!

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