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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第3章『信じたかったもの』
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第18話 GENERALIZATION

学校が終わって家に帰る途中、あの疲れた刑事みたいなおっさんと会った。


「おっさん、今日もここきてるのか?」

「まぁな、こっちの仕事も忙しくて」

「ふぅん、大変なんだな」

「そんなもんだよ、いつもな」

「それにしてもおっさんは親しみやすいおっさんランキングで2位だな」

「ほぉ、1位はだれだ?」

「俺の親戚。出会って5分でケンカしてた」

「それはすごいな。さすがに俺は少年とケンカするつもりはないよ」

「俺だってしたかねぇよ」


俺はそう言って笑う。おっさんはまたすぐ帰ってしまった。俺も立ち話は好きじゃない。だからちょうどよかったのだ。


「さぁて、明日は午前中で学校が終わるし、何しようかな」

「そっ!それなら!」

「ん?」


急に声が聞こえたので振り向いてみたらそこには真苗がいた。それならなんだ?あぁ、そういえば俺こいつに謝らないといけないんだっけ?怒らせちゃったみたいだし謝っとくか。


「真苗、この前はごめん」

「へ?なんのこと?」


こいつはもう忘れているようだった。どういうことやねん。俺はあれからずっと怒った理由を考えて、そしてどういうふうに謝ろうと迷っていたのに。当の本人は・・・・・・・・。


「まぁいいよ。で、何の用だ?」

「うん・・・とね。午後勉強しよう?」

「べんきょー?」


勉強?真苗が勉強なんて言うはずがない。何かの聞き間違いだろうか。聞き間違いだろうな。


「もう一度言ってもらえないだろうか?」

「え?だから勉強しようって」


勉強らしい。どうせ暇だし、ちょうどよかったかもしれねぇな。


「いいよ。どこでする?」

「うーん、どこがいいかな?私の家は?」

「なんかそれっていろいろと危なくないか!?」

「え?どうして?」


こいつは思春期の少年のことを何も知らないな。女の子の家に行くなんて死ぬほど恥ずかしい。どうせだったら・・・・・


「俺の家は?つっても部屋だけど」

「えぇ!?井野宮君の家!?」


なんだその驚きは。まさか真苗も俺と同じで異性の家に行くのが恥ずかしいとかそういう・・・・


「ベ・・・ベッドの下は見ていいの?」


そういう心配かー!クラスメイトの女の子にこんな心配される俺は死んだらいいのだろうか。というかこれは委員長の引っ越しの時に委員長が「エロ本」、「ベッドの下」という単語を何回も使ったせいだろう。このままじゃ俺は変態になってしまう!


「大丈夫だ!お前が見てもいい程度の本だけ残しておく・・・・・・・・」

「あんたはバカなの!?」


モラルにとび蹴り。背中を蹴られ吹っ飛ぶ俺。確かに本は全部隠すべきだと思ったよ。俺は新手の変態になるところだった。でもこうして吹っ飛んで地面からなかなか起き上がれない場合は他の奴から変態だと思われるからどっちにしろ変態か。


「ママー、あのお兄ちゃん地面に転がって何やってるのー?」

「見ちゃいけません!」


めっちゃベタベタだった。俺が変態に至る経緯はベタだった。まさか子供連れでそんなこという親子がいたとは・・・・。


「モラル。お前のせいで俺は変態扱いなんだが」

「あんたはもう変態でしょ?そして起き上がれないあんたが悪い」

「お前が思いっきり蹴ったせいで背中がいてぇんだよ!!」


マジで立ちあがれない。


「真苗さん。私の部屋に来ますか?」

「え?」

「私の部屋は井野宮君の隣ですし、井野宮君も呼びますから」

「だって井野宮君!どうする?」

「いいんじゃね?本人がいいって言ってるし」

「じゃ、じゃあよろしくね、モラルちゃん」

「こちらこそ。では明日」


あいつのキャラ気持ち悪いんだけど・・・・。なんで素じゃねぇんだよ。しかもさらっと俺まで入れられてるし。暇だからいいんだけどね。





眠いなー。と思いつつコンビニへ。今は夜の9時。モラル、真苗と別れた後、俺は部屋に入るなり寝てしまった。そのせいで寮長の料理も食べれない。また怒られるかな・・・・。


「コンビニの弁当も飽きたなー」

「そうか少年は一人暮らしなのか」

「うぉおおう!」


俺に話しかけてきたのはあのおっさんだった。こんな時間にどこに用事があるのだろう。っていってもまだ9時だが。


「急に話しかけるなよ。驚いたわ・・・・」

「すまんな。でもコンビニ弁当の味が飽きるまで食ったら体に悪いぞ」

「でも俺料理あんまうまくないしな」

「少年の栄養バランスに興味があるわけじゃないし、別にいいが」

「そうかよ。んでおっさんは何しにここにいるんだ?俺に会いにか?」

「男に言われても嬉しくねえだろ。別に会いに来たわけじゃない。散歩だよ」

「ふぅん」

「じゃあ、俺は散歩に戻るぜ」

「あぁ、なんか頑張れよー」


俺は適当に応援して去って行ったおっさんを見ていた。ほんと何がしたいんだかわからないやつではあるが、嫌いになれない。そんな感じのするやつだった。


「はぁ・・・・憂鬱だな」


意味もなく憂鬱と言ってみる。実際寮長の説教が待っていると思えば憂鬱なのだが・・・・。痛い時は痛いって言った方が痛くなくなるんだよ。だから憂鬱って言ったら憂鬱じゃなくなるのかなと思ってな。ただそれだけなんだ。





「じゃあ、後でね。井野宮君」

「あぁ、またあとで」


放課後。午前授業を終えて、午後は勉強会だ。モラルの部屋に行くのが初めての真苗のために説明しようと思ったら、「井野宮君の部屋の隣ってきいてるけど」という具合にモラルからすでに聞いていたらしい。モラルは部屋に早めに戻って、片づけをするらしい。十分綺麗なんだけどな。


「眠いけど、寝るわけにはいかないよな・・・・・」

「よぉ、少年」

「あぁ、おっさんか」


俺が声のした方へむくとそこにはおっさんがいた。ここは学校と寮のちょうど真ん中ぐらいの距離にある場所。近くには廃校になった学校があるが、昼なため怖くはない。


「おいおい、なんだその反応は?」

「別に。でも俺これから用事あるからはやめに帰るな」


俺は走ろうとした。しかし・・・・・・・・・・


「まぁ、慌てるな。話したいことがあってな。ついて来てくれないか?」


そう言って廃校を指さすおっさん。え・・・・・・まさか・・・・・


「おっさんってコレなのか?」

「違うわ!ちゃんと女が好きだよ!別にそういうわけじゃないから」

「分かったよ」


俺はおっさんについていき、廃校の中に入って行った。





「んで、何の用だよ」


俺は歩きながら言った。はやく帰らないとまたとび蹴りされるかもしれねぇんだぞ。おっさんに身代わりになってもらうからな。


「いや、今にわかる」

「おっ・・・・さん?」


ビュッ!


俺の顔数ミリ横を刀が飛んで行った。すごい速さだったのか、かすってもいないのに俺の顔には傷がついていた。衝撃波を思い出させるような感じだ。


「なっ・・・・・なんだ今の!どこから飛んできたんだ?おっさんにも見えただろ、今の刀!」

「しくった。まさか手元が狂うとは・・・・。予想外だよ」

「は・・・・・・?」








「悪いな。俺は錬金術師統括、鈴山アークセルフ。だからおっさんじゃなくてアークと呼んでくれ。少年、錬金術師最強地位としてお前を殺す」








理解はできない。理解もできない。理解さえもできない。理解することができない。理解ができない。理解・・・・・・・・・・・・・・・・・・したくない。

タイトルは統括とかそういう意味です。


今回は少し長くしました。

なんとなく続きを書きたかったんで。


でわ

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