第1話 BADEND
俺が2回目の「非日常」に出会うほんの少し前。
普通に高校に行き、普通に帰宅した俺は午後8時ぐらいに晩飯がないことに気付いた。ちなみに一人暮らしというか、寮っぽいところで過ごしている。学校の管理下ではないがもの好きなお姉さんが経営してるところだ。住んでる人はみんな学生で、朝ごはん、晩御飯付き。な、寮っぽいだろ。
「今日は晩御飯用意できないってお姉さん言ってたの忘れてたな。」
それに気づいた俺はコンビニに行こうと部屋を出たのである。
コンビニの距離は寮から5分と近い。そこで焼き肉弁当と麦茶を買って外にでた。季節はもう少しで夏。夜でも寒くはなかった。
「でも、もう8時か。宿題も終わってないし、1分も無駄にできないな」
俺は建物の裏を通ることにしたのだ。裏路地。その道を通れば2分で家につく。今思えばなんてバカなことをしたのだろうと思う。3分なんかどうでもよかったじゃないか。
3分多くかかって家に着く方が「非日常」に会う方がかなり嫌だ。
でも俺は見つけてしまったのだ。いや、俺は見つけたわけじゃないか。見つけざるをえなかったんだ。
「きゃあぁああああああああああああああ!!!」
上から声が聞こえてくる。俺は当然上をむく。普通なら悲鳴が聞こえたらその方向をむくだろう。だからしょうがなかったんだ。
「は?なんだ?声?」
すると空から少女落ちてきた!その少女の軌道は完璧に今俺のいるところだった。俺はかわしたよ。
ドガァアアアアアアアアアアアアアン!!!
少女は目の前に落ちた。俺のこと薄情だと思うかい?でもしょうがないだろう。そいつからは「非日常」のにおいがかなりしたんだ。
「な・・・・女の子が降ってきた・・・・・?」
「な、何見てんのよ!さっさと私の前から去りなさい!!」
そこに色縦師を名乗る男が現れて、俺が倒して今に至る。あの男ならもう逃げただろうな。死なないように攻撃したから。
「ちょっと!待ちなさいよ!あんた普通の人間じゃないの!?」
「俺は普通の人間だよ。普通じゃないところなんてどこにもないだろう?」
「ありまくりよ!この不思議人間!!」
ほれみろ、少し関わっただけで俺の第一印象まで変になってる。そんな意外な言葉で俺を表現しないでほしい。こいつに説明する気はない。漫画でもそこらへんに歩いてる脇役の話など聞きたくないだろう。この物語の主人公に聞けばいい。
「俺は弁当が冷めるのが何よりも嫌いなんだ。ほら、はやくしないと発作が・・・・」
「すごく普通じゃないじゃない!そんなやつのことを不思議人間というのよ!」
あれ?自然に仕上げたつもりなんだけど。失敗したかな?
「俺な、廃人なんだ。だから早くゲームしないと発作が・・・・」
「それはそれで異常じゃない!」
どうしてだろう・・・俺は何を間違えた・・・これじゃ逆に自分から「非日常」にむかっているだけじゃないか!!だめなんだ・・・・絶対に・・・・。
「ねぇ、私をあんたの家に泊めなさいよ」
「はぁ!?だめに決まってるだろ!!お前自分が言ってることわかって・・・」
このセリフ・・・使ったのは2度目だ。思い出しちまった・・・・くそっ!
「いいから。私はあんたを信用できる」
「意味がわからんな。お前はそこらへんを歩いている男を信用できるというのか?」
「違う。あなたは「異常」。そこらへんを歩いている男とは違う。それに・・・私を助けてくれた」
「それはただの気まぐれだ。俺は異常じゃない。「通常」だ。」
そう。俺はこの物語に主人公としては出席しない。漫画でもある漫画に違う物語の主人公が主人公としてでてきたらどんな感じだと思う。それはいけないことなんだ。
「通常でもなんでもいい。私はあんたについていく」
「だめだっ!!!!」
「駄目じゃない!!あんまり言いたくなかったけど・・・私またあいつらに襲われるよ。そして今度こそ殺される。それでもいいの!?」
「くっ・・・・・」
俺といたってお前は殺されるさ。ならこの物語の主人公を早く探すべきだと思うぞ。
「お前は俺といたって殺される」
「だってあんたさっきかなり強かったじゃない」
俺は言いたくなかった一言を言うことにした。いや、思い出したくなかったことか・・・。
「だから私はあんたのそばにいるの!私一人じゃあいつらに勝てな・・・・」
「俺は昔ヒロインを死なせちまったんだよ」
「!?」
そう俺は世界を救うぐらい大きなことを成功させた。しかしヒロインを死なせちまったんだ。俺が主人公の物語はBADENDをむかえたんだよ。
なかなか続きが書けなかった中ようやく書き終えることができました。
推測屋のほうもよろしくお願いします!
王道目指すつもりがなかなかやりづらいですね。
難しいです。