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元主人公、今は脇役願望。  作者: 花澤文化
第2章『学校の怪談』
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第8話 TESTINGCOURAGE

ご存じのとおり常に脇役願望を持ち合わせている、井野宮天十いのみやてんとっす。それにしても夏が近くなってきてるなー。もうそろそろ夏服でもいいんじゃないかと思うぐらいの気温。いや、教室だから室温かな?


「やっちまったよなー・・・・マジで」


自己嫌悪とまではいかないが、やっちまっていた。俺はあの少女モーラに手を貸すことになってしまった。なんで狙われてるのかも教えてくんねぇし。正直分かんないことだらけだ。


「それにしても暑いな。学校がすごく憂鬱に感じる」

「えー?それっていつもじゃない?」


俺に対して失礼な言葉を投げかけてきたのが真苗未央まなえみお。中学のころからの知り合いで友達と呼べると思う。


「あぁ、いつもだな」

「お前に言われたくないな」


俺に失礼な言葉を投げかけてきたのが志野野辺雄大しののべゆうだい。なんか昔っからよくつるんでいる。


「君は常にそういう顔をしているからな」

「なんだそれは!俺の顔が憂鬱だとでも言いたいのか!」


俺に失礼な言葉を投げかけてって投げかけるやつ多すぎだろ!どんだけ俺のまわりには失礼なやつがいるんだよ!ともかくこいつは木野白泉きのしろいずみ。このクラスの委員長だ。


「気温がな。少しばかり不快なんだ」

「まぁ、確かにこの暑さは殺人級だな」

「なにもそこまで言ってねぇよ」


まぁ、確かに学校が憂鬱なのはいつも通りなんだけどね。まったくみんなも一度は考えたことがあるだろう。学校がなくならないかな?とか、中止にならないかな?とかね。俺はそれが毎日だ。


「マジで学校潰れないかなー」

「物騒なこと言わないでよー」


まぁ、確かに。日常が一番だもんな。





「ところで一つ聞きたい」

「なによ?」


「なんで俺の部屋なんだよ!!!!!!!」


俺が帰宅すると俺の部屋にモーラがいた。朝はいなかったのに・・・。


「なんでっていろいろと楽だからに決まってるでしょ」

「男女同じ部屋というのを楽という理由で片づけないでもらいたい!」


とは言ったものの、こいつ何歳か分からないけどどうみても幼児体型だから何とも思わないんだよな。ていうか何か思った瞬間に俺に新たな称号がついてしまう。


「べ、別に私は気にしないわよ」


うそつけ。めっちゃ顔赤くなってんぞ。


「お前いままでどうやって過ごしてたんだ?」

「野宿」

「野宿!?お前それいろいろと危険じゃね?」


どうしよう一気に帰らせにくくなった。確かに追い出せば俺のせいで何かおこるかもしれない。でもだからといってここにはな・・・・・。


「しょうがねぇ。お前が住む場所見つけるまでなら許してやる」

「え?何言ってるの?」

「何って、ここに住んでいいって言ってんだけど」

「誰がそう言ったの?私はただここにいただけだけど」

「は?」

「もしかして私をここに泊めるつもりだったのー?」


こいつ・・・・まさか・・・・・・・


「ハメやがったな」

「別に。住む場所はあなたの隣の部屋よ。じゃあ、私はもう帰るわね」


そういってモーラは出て行った。モーラの肩は震えていた・・・・・そうか・・・・あいつ・・・・・

笑ってやがったな!!!!!!!!!!


「あー、くそっ。宿題やる気なくなっちまったよ」


といいわけのようにつぶやいて、ソファに倒れこんだ。このまま寝ちまってもいいかなとか思ってな。





ピリリリリリ


「ん・・・・・・・なんだ?」


とある音のせいで俺は目が覚めた。なんだ寝ちまってたのか。時刻は9時。これは寮長のご飯間に合わねぇな。やっぱ今日もコンビニかよ。そして俺の眠りを妨げたのは電話、着信音だった。相手はもちろん・・・・・・・



「どうした?志野野辺?一人じゃ寝れないか?」

『そんな理由で俺が電話するかよ。違う。今から学校に来ないか?』


意味がわからない。今、夜の9時なんだけど。


「お前12時間ぐらい時間間違ってんぞ」

『話聞けよ。学校で肝試しやるんだ』

「バカには付き合ってられない」


俺は即効で電話を切ろうとした。しかし志野野辺が大きな声で・・・・・


『真苗と委員長もいるぜ!』

「なんでやねん」


テレビの雛段芸人みたいにこけそうになった。あいつら何やってんの・・・・。志野野辺のバカに付き合う気なの?真苗はまだしも委員長はそんなことするとは思えない。


「しゃーねー。俺も行く」


数少ない友達だしな。断ってばかりもいけないだろ。っていうかぶっちゃけキャーとか言って女の子に抱きつかれるかもとかそういう邪な思いも少々。俺はとりあえず制服である黒い学ランを着てまだ少し眠っている頭を無理やり水で起こし、外にかけていった。





「はい!とゆーわけでー!チキチキ第一回肝試し大会!!!!」

「わー、やー!」

「ふむふむ、ワクワクするな」

「いいから早くやっちまおうぜ」


なにこの温度差。どんだけ好きなんだよ。肝試し。だが夜の学校は結構雰囲気がでていた。


「最近な、学校内に気味の悪い青い炎が夜に見かけられるという近所からの報告があってな」

「それで先生に許可を得て学校に入れるのか」


委員長が説明してくれた。俺も聞いたことがある。夜になると学校内に青い火の玉が見られるという噂。付添いの先生がいないということはやはり信じてないということか。だから適当に俺たちに学校内を見てもらって、いないということを証明するわけか。確かに学校の評判が悪くなるもんな。


「じゃあ、いっちょやったりますか!」

「わー、楽しみー」

「委員長としてここは真面目にだな・・・・・」


誰一人として学校に入ろうとしない。なぜだろう。ていうかお前らから誘ったんだからお前らが先に行かないと進まないだろ。もしかして・・・・いや、ほんと確率は少ないけどね。大穴狙いぐらい確率低いよ。


「もしかして、お前ら、全員怖いの?」

「「「なっ、なわけあるかーーーーー!!」」」


助けてほしい。全員興味はあったのだけれど、全員怖がりだと。そこで俺を呼んだんだな。まったく呆れさせるぜ。ま、別にいいけど、ひとつ言いたいことがある。


「俺も怖いんだけど・・・・・・・・・」


臆病な奴らでパーティー結成。こりゃ、スラ〇ムにも勝てねぇな。

第2章始まりました。


今回のタイトルは肝試しです。ていうかそのまんま英語にしただけですが・・・。


僕は怖いの普通に無理ですね。

暗いところが普通にね。怖くてね。


でわ

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