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プロローグ~脇役願望~

空から少女が落ちてきたとき、あなたならどうしますか?


少女じゃだめかもしれない。「美」をつけよう。美少女ならどうするだろうか?


助けるか。


それとも


見て見ぬふりをするか。


助けるを選んだやつ。お前が求めているのは「美少女」なのかもしれないが、それは同時に「非日常」を求めているということになる。空から落ちてくる奴なんて、大抵はめんどう事をかかえているもんだろう。


見て見ぬふりを選んだやつ。尊敬するよ。そいつは今の日常に満足しているということだ。物語的には脇役という存在だが、それは決して悪いことじゃないと思うんだ。


主人公の親友、通行人A、その他もろもろ。確かに目立たないし、いつも通りの日常を過ごし、明日になる。変わり映えのしない毎日。それを死ぬまで繰り返す。


俺はそういうやつらになりたいよ。


主人公?そんなのには決してなりたくない。ヒロインに振り回されて、疲れて、バトルものだと痛い思いをする。そんなのは嫌だ。絶対に嫌なんだ。


なのに、どうして。どうしてなのだろうか。


求めもしてないのにそいつはやってきた。


「な、何見てんのよ・・・・いいから私の前から去りなさい!!」


背は中学生ぐらいだろうか、髪は長い・・・少し長すぎる。茶髪なのだが、日本人形見たいで、いや、それよりも長い。さらにかなり可愛い。そして・・・・・・


大けが。


この少女は大けがをしていた。まわりには血が飛び散っている。幸いにもここは建物と建物の間。それでいて裏通りだ。やじ馬は一人もいない。だからこそ俺が何かしてやらなければいけないのだろうか。でもこいつは・・・


「お前、空から降ってきたよな」


この少女は空から降ってきたのだ。そう「非日常」を求めるやつのあこがれ、「落下少女」である。なのになぜ・・・なぜ俺のもとに来たのだろう。他に「非日常」を求めてるやつがいるだろう。


やめてくれ。


うんざりだよ。こういうのは・・・・。


「そうよ。空からきたからなんだっていうの!私の前から去りなさいと言ってるでしょう!」


言われなくても去るよ。俺はめんどうごとが大嫌いなんだ。こっちからお断りだね。俺は頭をかきながらその場を離れようとした。


離れようとしただけで止まった。


ドガァアアアアアアアアアン!!!!


「な、なんだ!?」

「ちっ・・・はやいわね」


爆発が起こり、目の前に体のでかい男が現れた。服はスーツで髪はオールバック。ただ一か所だけ不審なところがあった。この日本では見られることがない「刀」いや「大剣」だ。


「こんなところにいましたか。探しましたよ。さぁ、家に帰りましょう」


なんだなんだ?こいつの保護者か?だったら安心だな。もう俺がいる必要もない。俺は脇役。ただただ物語を遠くで眺めてるだけの、普通で平凡な人間。そうして帰ろうとしたとき、俺は見た。「大剣」。やつの持っている「大剣」に・・・・・


血が付いてることに。


しかもしたたり落ちているということは、まだ新しい。そして近くには血を流している少女。嫌だ。やめろ。俺はもうそういう・・・・のは嫌なんだ。


「さぁ、早くきてください」

「嫌だ!!やめて!」


男は少女を引っ張り出そうとしている。無理やり。少女はそれに抵抗。俺の大嫌いな「非日常」のにおいがする。もう二度とかぎたくなかったにおいだ。


「では、少し荒っぽいですが。携帯する炎フレイム。」


その瞬間、男の大剣が炎に包まれた。やめろ・・・俺は平凡でいたいんだ。だから中学のとき金髪だった髪の色を頑張って落とし、高校生1年生の今ではあまり目立たなくなっているし、髪の長さも短くもなく長くもない普通。服装も今のようにジーパンにパーカーと普通の格好をしている。


「私は属性を操る、色縦師しょくじゅうし。なめてもらっては困る」


男は剣をふった。


ドォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


剣は少女を斬り・・・・・裂かなかった。なぜかって?


「大人の男が少女に暴力。いけないんじゃないか」

「私の剣が・・・・・」

「あぁ、お前の剣が邪魔だったんだ。悪いな。曲げさせてもらったぜ」

「な!?」


俺がわってはいったからだ。まさか自分から助けるとなはな。笑っちまうぜ。


「私は色縦師しょくじゅうし!異能を扱えるんだぞ!だたの人間が私の剣を曲げることなどできるはずがない!!!」


男は俺に剣をふるう。


ゴォ!


空気を斬る音が聞こえる。


「悪いな・・・・ほんとに・・・・・」



ドガァアアアアアアアアアアアアアアン!!!


俺が『打』と言っただけでやつは吹っ飛んでいった。


「あんた・・・・・なにその能力・・・・・」

「どうでもいいだろ。俺はもううんざりなんだ、救急車呼んでやったからここにいろよ」


「じゃあな」


俺は昔「非日常」を求めていた。そして昔もやってきたのだ、「非日常」が。俺は一度「非日常」を味わっている。そう俺は経験者。昔一度困った女の子を助けようとした、そして異能の能力をさずかった「異能者」だ。


俺はもうすでに一度この世界を救った、いや大袈裟か・・・。だが一度主人公を体験してるのだ。

もうやりたくないがな。俺の能力は「言霊」。俺は「言霊使い」だ。言った言葉は全て現実になる。それがなんだというのだろう。俺は日常を大切にしてるんだ。もうすでに違う物語を経験してるんだ。


俺は井野宮天十いのみやてんとそして元主人公、今は脇役だ。





えーと、2作目です。

初めましての方は初めまして。一応推測屋を書いている

花澤文化です。


王道を目指してがんばりたいと思います!

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