【プロットタイプ】何を言ってるんだ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
疲れている時に、傷付いた人が暴走するのを見るのは、堪えますね。凄くしんどい。
人間疲れ果てると地が出やすい。そして今、散々歩き回った鏡花は酷く疲れ果てていた。欠伸を何度か繰り返し、瞳は何処か虚ろ。目的を完遂した為、気が抜けてしまったのだろう。今は帰りの電車の中、ただ無言で虚空を見詰めている。
此方から話す事もなく、また無理に話をさせる気もない。だから互いが互いに黙っていた。
「鏡花」
ぼんやりとした瞳が此方を捉える。
「眠かったら寝ていいぞ」
そう言うと、ただ瞼を閉ざし肩に凭れ掛かってきた。しっとりと感じる人の重み。恐らく、鏡花以外に感じる事の無い重さだった。
高性能なもの程、案外手に入り難い。今日も様々な場所を探し回り、漸く手に入れた。そのせいか気が抜けて眠い。油断をしたらその場で眠ってしまいそうなぐらい。けれども同行者の方がきっと疲れているのだろう。
「ごめんね。付き合わせて」
同行者の目が此方を捉える。其れから何を言うでもなく、また逸らす。嫌なら最初から来ない。だから来たことに文句はない。恐らくそんなところだろう。
瑠衣は私に対して生態的な行動、習性、諦めの悪さに至っては興味を持っているが、異性としての興味は希薄である。だからこそ、その興味の無さが他の興味を打ち消した時、私を捨てると感じている。
一人でも生きていけると思っている。瑠衣が居なくても立ち直るつもりではある。それでも捨てられた時の衝撃はただならぬ物ではないのだろう。
「瑠衣、まだ人生は黎明だよ。きっとこれから先、私以上に魅力的な女性が出てくるでしょう。もしそうなっても、浮気はしないでね。……私との関係を切ってから、次に行ってね」
何を言ってるんだ。瑠衣が異性に興味を持つはずがない。色香四号を前にしても、情欲を掻き立てられないのに。
何を言ってるんだ。仮にそうなっても、真面目な瑠衣が浮気をするはずない。だからこれは意味の無い願いなんだ。
何を言ってるんだ。……私らしくもない……。
思考がぐちゃぐちゃする。疲労が溜まって、自分への抑えが禄に効かない。全く馬鹿馬鹿しい。
「……今日も振り回して悪かったね……」
「別に。プロポーズを持ち掛けたのは俺の方だ。だから俺から解消するつもりは無い。捨てるのも振るのも、お前の方だ」
「そんな事する訳ないじゃん……」
あぁ馬鹿だなぁ。こんな会話がしたい訳じゃないのに。もっとちゃんと詫びたいだけなのに。
「鏡花、座れたら寝て良いぞ。疲れてんだろ」
「……瑠衣の方が疲れてるでしょ。私が起きて見てるから良いよ。寝な」
弱ってる時ほど、地が出やすいと思ったり。
今の鏡花もそんな感じ。
買い物行く時に、物が見付からなかったり、道に迷ったり、お目当てのもの見付かったら気が抜けた。
そんな状態。
此処で気分が沈んだまま、変なところに飛躍するのが鏡花。
今日無理やり付き合わせたし。
本当は嫌だっただろうし。
何時か愛想尽かされそう。
嫌だな。でも浮気するぐらいなら、関係解消してね。
瑠衣は真面目だからそんな事しないか。
こんな感情がぐっちゃぐちゃな状態。
でもプロポーズ申し出たのは瑠衣で、相手も承諾派したけど、責任は此方にあるとか思ってそう。
だから『振る権利があるのは、お前だよ』って言ってるんです。
それはそれとして、『此奴バテてんな。らしくもない。取り敢えず休ませるか』ってな気分なのが今の瑠衣。
ちょっと優しい。