第2話・私、羨望、君
みーちゃんとは高校に入ってから出会った。
みーちゃんはすごく背が高い!キレイ!落ち着いてる!頭が良い!運動神経も良い!
そして、私の事が大好き!
みーちゃんの目線はすぐ分かる。
最初は同じクラスになってすぐに視線を感じるなーって思ってて、その視線が恋だと分かるまではそんなに時間は掛からなかった。
それから私たちは親友になって登校から帰りまでずっと一緒。
朝は駅で待ち合わせして、放課後は私のベースの練習に付き合ってくれる。
絶対音感を持つみーちゃんは私の音を聞いてアドバイスをくれる。
そして色々オヤツも作ってきてくれる!
羨ましい!絶対音感!私にはない。
私は背も小さいし、童顔だし、落ち着いてないし、運動神経も良くない。
みーちゃんが私を好きな理由が分からない。
(気持ちには気付いたけれど)
私の夢はプロのベーシスト!
たくさん練習しなきゃならない。
みーちゃんだったらすぐになれるんだろうな。
この前少しベース弾いてもらったら私より上手かった。
ホント羨ましいよ。
「んー自分の事をそう思ったことはないな」
オヤツを食べながら聞いてみた。
「みーちゃんはべーすとか音楽やってみたいとは思わない?」
「ない」
早いー。
「特にやりたい事ないんだよね」
何でも出来る才能あるのに。
「私はこれからずっ・・・いや!今は柚花と一緒にいて柚花の応援するのがやりたい事かな」
今これからずっとっていいかけたね。
「私!頑張る!」
「うん!頑張って!」
オヤツのクッキーを頬張る!喉に詰まる!
みーちゃんにお茶をもらう。
ベースを弾く。
みーちゃんの事は羨ましいけど、私もみーちゃんが好きだから何も問題ない!
私のベースは更に激しくなる。
「柚花、さっきの音キー違うよ」
「おおっ!?」