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新たな家族と再会?

回想話はここで終了致します。仁が社会人として会社に勤めてから6年後の喧嘩サラリーマンの話に戻ります。今回からは続編として書かせて頂きます。大柳仁平21歳。

 「気持ちはわかるけどな…俺にはどうすることもできないんだよ…。」数時間前、俺はドラちゃんから麗華ちゃんがストーカーされているという話を聞いていた。「あんた!それでも男なの!」さっきからドラちゃんは俺に怒っています。「だから、証拠はあるのか?証拠は。」とうとう俺は怒鳴りつけてしまった。「もういいよ明日香ちゃん…仁さん…本当にごめんなさい。」麗華ちゃんは頭を深々と下げる。麗華ちゃんの礼儀正しさ、ドラちゃんも見習うべきだと思うが…。「よくない!」ドラちゃんはまだ怒ってるし…。「あのさ麗華ちゃん。家族には話したの?」俺は落ち着きながら麗華ちゃんに問う。「私…家族いないんです…。」えっ!?「父は今仕事で海外、母はいません。姉は5年前に姿を消しました…。」麗華ちゃんの目からは涙が…。「ごめん。悪いこと聞いて…。」「気にしないでください…。」麗華ちゃんは泣き続ける。「女の子泣かせるなんて仁は最低!」まだ怒るか…。「私…今は明日香ちゃんがいるけど…本当に一人ぼっちなんです…。」一人ぼっち…6年前の俺はそうだったな…親はもとからいないけど親代わりだった兄貴がいなくなってしまい…「わかった。何か証拠になりそうな物はあるかな?それをもとにストーカーを探す。見つけたら警察に連絡するでもいいか?」麗華ちゃんは驚く表情をしている。「さっすが仁。そうこなくちゃ。」ドラちゃんは少し黙ってほしいんですけど…。この時、俺は6年前の俺と麗華ちゃんが重なって見えた気がした…。


 今日から少しの間は麗華ちゃんはうちで泊まっていくことになった。麗華ちゃんの笑顔は本当に可愛い。朝は俺が出勤するときは葵とドラちゃんと麗華ちゃんを送ってから会社に行く。昼休み。トイレで考えごとをしていると「仁。誰だよ?あの可愛い娘。」博人だった。「それって最新式のカメラじゃん。」「知ってるのか?」俺は博人に事情を説明すると「そうだ。俺のダチに情報屋がいる。春野って女だけどよ。会ってみるか?」俺はもちろん首を縦に振る。「俺から言っとくから今度の休みに東京に行って会ってきたらどうだ?」こういう時の博人は何故か頼もしかった。俺は休日に春野って女に会ってみることにした。


 土曜日。仕事は休み。俺は私服(恩人からもらった革ジャン)を着て車で東京に向かった。会社員になった時に仕事でよそに行くことがまれにあったので運転免許を取ったのだ。俺は運転する車の中で春野を想像してた。あの漫画みたいな可愛い人か、もしくはブスとか…。そんなことを考えているうちに東京に着いた。6年ぶりに訪れた東京…。街並みも多少変わっていた。俺は博人からの手書きの地図をもとに行ってみる。博人は絵が下手だな…。「いやっ。離して。」高校生くらいの女の子が不良2人くらいに腕を引っ張られている。女の子は明らかに嫌がっているので助けよう。「やめな。嫌がってるじゃないか。」まず注意してみる。「お前!?この前の…。」思い出した。不良の一人はこの前女と一緒に援交恐喝して俺にぶちのめされた奴だった…最悪だな…。「また貴様か…。」俺はため息ついて呆れた。「援交の次は女の子脅してんのかよ…なら俺が成敗してやるか…。」まず俺は一人に頭突きを喰らわせ、援交野郎には元サッカー部のスライディングキックをお見舞いしてやった。不良2人は逃げ出した。「大丈夫?君怪我してない?」俺は穏やかに声を掛ける。「はい…。あの何かお礼させてください。」女の子は恥ずかしそうだ。「何でも?」とりあえず言ってみる。「はい…。お金でも何でも。」お金って!?「じゃあさ。俺今人を探しているんだ。春野って女なんだが…。」「春野さんですか?私知ってます。」「本当に!?」「でも…知らない人と関わっちゃいけないって…。」お前高校生だろ?しかも命の恩人の俺に向かって…。「わかったよ…。俺はこういう者だが…。」俺は会社の名刺を見せることにした。「21なんですか?私…一つ上の先輩の人かと…。」女の子は驚いた表情だ。「これで信じてもらえないかな?」俺は両手に手を合わせお願いした。何で俺がこんなことを…。「はい。春野さんの所に案内します。」


 女の子に案内され、いかにも古そうなアパートに来た。女の子はドアをノックし「遥です。大柳様があなたに会いたいみたいなんですが…。」『お通ししなさい。』女の声が聞こえるとドアが開いた。この人が春野か…。俺が思った通り彼女は桜色のロングヘアで肌が白く美しいといえるんだが…今ジャージ姿で胸元が開いていて目のやり場に少し困る。「あなたが大柳仁平ね。博人から話は聞いてるわ。博人なんかよりもかなりイイ男ね。お姉さん好きになりそう。」「ハハッ…。」何なんだ?この女の明るさは?「っで、話って何かしら?上がって。」「お邪魔します。」俺は家に上がってから、カメラを見せて持ち主を調べてほしいと頼んだ。「調べてもいいけど一つ条件があるの。」「条件?」「私はこの辺りじゃ有名な女優だからね。一応それなりにお金はあるの。」だったら何でこんなアパートに?「仕事以外で目立つのは嫌いなの。それはいいとして、実は先日ね、リクという男が率いてる怪盗の一味にお宝を盗まれて…あなたに取り返してほしいのよ。」「何で俺が?」「あなたにしかできないから言ってるんじゃないの。」俺にしか!?「いいじゃないですか…。春野さんは情報屋なんですからそれが代金なんですよ。」遥ちゃんまで…。「わかったよ…。それでリクはどこにいるんだ?」俺は春野に問う。「東京から少し離れた雑居ビル。そこが彼らのアジトよ。」早速向かおうとすると「気をつけて。リクは空手と合気道の達人だから下手すると返り討ちに合うわ。」「わかった。」こうして俺は車で雑居ビルへと向かった。


 雑居ビルに着いて俺は恩人からもらった赤い装甲に着替えた。まさかここで使うとはな…。「何か用か?」手下と思える連中が集まってくる。「リクに盗まれたお宝を取り返しに来た。」「それはご苦労だな。ならその装甲剥ぎ取ってやるぜ。」手下が襲いかかり俺は戦う。一人ずつ倒して全滅。ビルに入ると手下はまだいる。手下を成敗しボス部屋にたどり着いた。部屋には誰もいない…。ダダダダ。足音が聞こえ振り返ると黒いコートの男は俺に跳び蹴りをし、俺はかわす。続けざまに廻し蹴り2回。これもよける。「貴様にはここで消えてもらう。」男は構える。「お前がリクか?」俺は構えながら男に問う。「そうだ。」男の顔が見えた。その顔を見た俺は驚きが隠せなかった。なぜなら俺の兄貴…大柳大二郎と瓜二つだからだ…。「お前は!?まさか…。兄貴…。兄貴!?生きていたのか!?」「何故私がお前の兄貴なのだ?」リクは冷静に問う。「兄貴じゃないのか!?」どう見ても兄貴だ…。サングラスしてるのは目が見えないからだ…。「違うな。」「俺を覚えてないのか?俺は…」兄貴は俺に正拳づきをし、俺はガードする。「お前が誰かはどうでもいい。それよりもお宝を取り返しに来たならかかってこい。」リクは構え続けている。「兄貴…。」「来ないのなら、こちらから行く。」こうして俺とリクとの戦いが始まった。さすが空手と合気道の達人だけあってなかなか隙がない。目が見えないはずなのにまるで見えてるみたいに…。春野から聞いた話じゃ聴覚と嗅覚で相手や音を察知してるとか…。そして紙一重の差で俺は勝った。「私の負けだ…。お宝は持って行け。」リクはあっさり言う。「お前何を?」俺は問う。「いつの間にか私は怪盗のリーダーになってしまい手下の連中を食べさせていくために盗みを繰り返していただけなんだ。」もともとリクは怪盗に興味がなかったらしい…。「あなたはいつから怪盗に?」俺は気になった。「5年くらい前からかな…。」「それまでは何を?」「それがよく思い出せないんだ…。」「思い出せない?」「本当だ。気がついたら真っ暗で何も見えなかった。そんな時に私は空という男に拾われて命を救ってもらったんだ。」「それでリクと名乗っていたのか?」「ああ。それから私はソラに空手と合気道を教え込まれ無理矢理怪盗の一味にされたんだ。」「ソラはどうしたんだ?」「ソラは死んでしまった…。それからは私が怪盗のリーダーになってしまったんだ。今はこうして元気やってるからいいんだけどな…って何でお前、私のことばかり聞いてくるんだ?」「いや…別に。」これだけ聞けばもうわかった。兄貴だ。生きてんだが記憶を無くしたらしい。「そうだ。まだお前の名前聞いてないな…。私を倒したんだ。教えてくれ。」「俺は大柳。大柳仁平だ。」「そうか、大柳君か…また会えるといいな。」「ああ。俺は横浜に住んでいる。来ることがあったら案内するぜ。」「横浜か。必ず遊びに行くからな大柳君。」「じゃあな。」こうして俺はお宝を取り返し、リクと再会の約束をしてアジトを出て車で東京に戻った。春野のアパートに向かう途中、黒ずくめの怪しい男が…。「あんた何してるんだ?」俺が問うと男は逃げ出した。俺は走って男を追う。ゴミ箱を飛び越え、車の上で横転して滑り降りて、男にタックルを仕掛けて捕まえた。「何してたんだ?」「その…。」俺は男を警察に差し出した。男は電車で痴漢したらしい…。時間を喰ってしまった…。春野の家に向かった。「お疲れ様。」「さあ教えてくれ。」「これは最近発売したばかりの物ね。でもどうしてこれを?」「実はな…俺の友人がストーカーされているらしいんだ。」「なるほど。でも犯人はもっと調べないと…。」「今日はそれでいいよ。それより何で俺に命賭けたことさせたんだ?」「あなた夜逃げ屋でしょ?」ギクッとした。「大丈夫よ。誰にも言わないから。」「本当だな?」「信じて。取引で嘘はつかないから。まああなたの事は6年前の事件調べてた時に知っただけよ。」そうか…。俺は春野にお礼を言ってアパートを出た。もう夕方になっていた。今日は収穫はなしか…。仕方ない。ドラちゃんと葵に何か東京のお土産でも買って帰るか…。俺は適当にお土産を買って車を運転し、家に帰った。

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